北京の自転車
原題:十七歳的単車/Beijing Bicycle
中国2010上海万国博覧会開催記念・中国映画の全貌2010
2000/中国・台湾/ヴィスタ(1:1.85)/ドルビーSR/113分 提供:ワコー 配給:ワコー/グアパ・グアポ
2010年7月24日(土)〜8月27日(金)新宿K’s cinemaにて中国映画の全貌2010で上映
公開初日 2010/07/24
公開終了日 2010/08/27
配給会社名 0321/0231
解説
1978年改革開放政策を打ち出し市場経済に移行した中国。天安門事件を経て、1992年?小平の南巡講和以後、中国の経済成長は急激に加速した。それにしたがって都市は変貌する。北京では、胡同にある四方を囲まれた伝統的な建物・四合院が壊され、近代的なビルが次々と建設された。街は豊かさを求める出稼ぎ労働者であふれ、都市部と農村の貧富の格差が社会問題として、日本でも大きく報じられた。映画『北京の自転車』の舞台は、まさしくその時代の北京。監督の王小帥(ワン・シャオシュアイ)は、いわゆる第6世代の旗手である。80年代初期一斉に作品を発表した張芸謀(チャン・イーモウ)、陳凱歌(チェン・カイコー)ら第5世代は、圧倒的な映像の力で旧社会体制を批判的に描き世界的に注目された。その後、映画界も市場経済の波に巻き込まれ、撮影所は独立採算制になり、売れる作品を作らなければならなくなり、若手の監督が映画を撮る機会が、極端に減ってしまった。そこで、60年代、70年代生まれの第6世代は、自主制作映画を撮り始める。張元(チャン・ユアン)の『北京バスターズ』、王小帥『冬春的日子』、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)『一瞬の夢』がその代表作である。王小帥は『ルアンの歌』の後、本作『北京の自転車』を台湾の評論家ペギー・チャオのプロデュースで制作、2001年ベルリン国際映画祭で銀熊賞・審査員グランプリおよび新人男優賞を受賞、一躍世界に名を知られるようになった。2005年の『上海ドリーム』はカンヌ国際映画祭審査員賞受賞、2008年『左右』(日本未公開)はベルリン国際映画祭脚本賞を受賞している。
ストーリー
村から北京に出稼ぎに来た17歳の少年グイは、自転車宅配便の職を得る。真新しい自転車と制服に身を包んだグイを、路地裏で小さな食品店を経営している同郷の先輩も祝福してくれた。その自転車は、稼ぎが一定の金額を超えると自分のものになるシステムだった。グイは一生懸命働き、その日を夢見て配達の回数を手帳につけていた。そしてついに、これが終われば自転車を手に入れることができる最後の配達に向かう。しかし、荷物を受け取り表に出たグイは目を疑った。駐輪していた場所から自転車が消えていたのだ。血眼になって北京の街を探し回るグイ。
ジェンは17歳の高校生。友達の間では自転車の曲乗りが流行っていた。ただ1人自転車を持たないジェンは、親に隠れて中古自転車を買い、建設中のビルで仲間と曲乗りの練習に明け暮れる。自転車のチェーンがはずれていたところを助けたのがきっかけで、同級生との交際も始まった。その中古自転車のおかげですべてが順風満帆に思えた。
グイはようやく自分の自転車を見つける。それはジェンが買った中古の自転車だった。きちんと店で買ったのだから自分のものだと主張するジェン。もともと自分のものだったと言い張るグイ。ふたりは激しく争い、仲間も加わってグイは打ちのめされるが、決してあきらめない。最終的にふたりが出した結論は、毎日交互に自転車を使うというものだった。数日経ったある日、ジェンは不良少年とけんかになる。自転車を受け取りに来たグイはそのけんかに巻き込まれてしまい、ふたりは必死に逃げるが…。
スタッフ
監督・脚本:ワン・シャオシュアイ(王小帥)
キャスト
グイ:ツイ・リン(崔林)
ジェン:リー・ピン(李濱)
チン:ジョウ・シュン(周迅)
ダー・ホアン:リー・シュアン(李爽)
シャオ:カオ・ユアンユアン(高圓圓)
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