原題:Rumba

2008 年カンヌ映画祭<批評家週間>特別招待作品

2008 年ベルギー・フランス合作ベルギー映画/製作= Courage mon Amour、MK2、RTBF / 35mm、全4 巻、 2,105M、1 時間17 分、1x1.85、Dolby SRD 5.1、/字幕 松岡葉子/ 配給:フランス映画社

2010年9月25日梅田ガーデンシネマ、 2010年10月16日神戸アートビレッジセンター、 2010年10月30日京都シネマ にて公開 2010年7月31日(土)より、日比谷 TOHOシネマズ シャンテにて公開、全国順次 ※アベル&ゴードンの長編第一作「アイスバーグ!」との2本立て公開

(C)MK2 SA, COURAGE MON AMOUR FILMS ,RTBF(Television Belge) 2008 (C)フランス映画社

公開初日 2010/07/31

配給会社名 0094

解説


「ルンバ!」は愛のドラマの映画。
幸福の絶頂から不幸のどん底へ突き落とされる夫婦が愛の回復を探し求めるシリアスな物語だが、これを、製作・監督・脚本・主演のコンビで実生活でも夫婦であるドミニク・アベルとフィオナ・ゴードンのカップルが、言葉に頼らずにギャグの連続で展開する絶妙のコメディーにしている。
アベルはブリュッセル生まれのベルギー人、ゴードンはオーストラリア生まれのカナダ人で、二人は80年代にパリで出会い、舞台の道化師(クラウン)として修練を積み、90年代に、同じく道化師出身のブルーノ・ロミと短編映画を作り、06年の長編第1作「アイスバーグ!」を発表した。道化師が作った変わった喜劇として注目されただけでなく、セリフにたよらない、体で表現するギャグの連続、繊細で詩的な昇華、これこそは映画初期のサイレント・コメディー、あのチャップリンやキートン、ローレル&ハーディらが切り開いた映画の豊かな源流につながり、マルクス兄弟のハーポ、ジャック・タチ、ピエール・エテックスに継がれたものの、今や絶滅中と見えるコメディーの鮮やかな復活と歓迎された。
ドムとフィオナは、ベルギーの田舎町の小学校の教師で夫婦。学校は楽しいが、もっと楽しいのは、週末に行われる近県でのダンス競技会。とくにラテンでルンバがコンペ種目であるなら、自分たちの優勝は確実だ。
その日もそうだった。ルンバで堂々優勝、天国に昇る気分、そこで、地獄に落ちた・・・。
脚本はアベル&ゴードンにブルーノ・ロミが加わって3人で執筆。ストーリーの土台はすぐにできあがるが、ギャグは実際に演じてみてどんどん変わっていくので、全体の構成が決まるのに3年かかったという。ギャグのアイデアも3人でだしあって固めていくので、決定版になったときは3人の誰が考えたか憶えていられないそうだ。
アベルとゴードンは主演しながら監督を、そして3人目の監督であるロミも、「ルンバ!」ではパンが大好きな暴漢の役で出演もしている。
デジタル技術によるCGは使っていない。昔からあるスクリーン・プロセスなどのほうが自分たちの映画に合うし、雨や、火や、風や、シルエットなどのアナログ技術は想像とポエジーをかきたててくれると考えている。タイトルの犬やかたつむりの絵はフィオナが描いた。
出演者では「アイスバーグ!」でタイタニック号の船長ルネを演じたフィリップ・マルツが「ルンバ!」では自殺願望のジェラール役で名演。「アイスバーグ!」でバルフルールの親切なフェルナンドおばさん役でしろうととしての出演だったテレーズ・フィシェが、ドムの病室の隣のベッドのお見舞いに来る役で特別出演。
音楽は、オルケスタ・アラゴン演奏の<ソン・アル・ソン>、ペレス・プラード演奏の<タブー>などラテンの名曲4曲を使っている。フィオナとドムが海の上で踊る幻想シーンは<ソンブラス>。
撮影は主にフランス西北部イギリス海峡ぞいのマンシュで行なった。
2008年カンヌ映画祭正式部門の<批評家週間>特別招待上映のワールド・プレミアで絶賛を博して、現在各国での公開が続いている。

ストーリー


ブリュッセルの近郊の小学校。ドムは体育の教師、フィオナは英語の教師で、揃ってダンスが好きな、幸せな夫婦だ。週末には近県のダンス大会があり、種目がルンバなら必ず優勝する。
その日もそうだった。優勝の喜びに輝いて車で帰路へ。鉄道のトンネルのある道で、自殺願望の男が線路に上がってみたり、列車が来るのを待ちきれずに道路に下りて車を待とうとしている。そうとは知らず、ドムとフィオナの車は彼をよけようとして脱線・・・。
病院。フィオナは左足を失い、ドムは記憶を失ってしまった。
退院して学校に戻るが、二人の授業はどこかおかしい。やがて校長にクビを宣告される。フィオナは写真やトロフィーなどダンスにまつわる栄光の品々を燃やし、ドムがギターで愛の唄<シー・オブ・ラブ>を歌う。そのとき義足に火がついて、火は家に。家はまるごと焼けてしまった。
朝、パンを買いに出かけたドムは家への帰り道がわからず、バスで乗り合わせたパン好きな暴漢に襲われるが、あの自殺願望の男ジェラールに救われる。ドムを探すフィオナは、一匹の犬(やがてルンバと名づけられる)がみつけたドムの靴から、彼が崖から落ちて死んだと思う。
一年後。
ドムはジェラールと海辺のドーナツ・ショップで働いている。ジェラールは自殺しそこねたときに拾ったかたつむりを大事に飼っている。
フィオナは海辺にきてドムへの思い出にバラの花を投げる。
フィオナとドムが再会し、新たな出発をする時が迫っている・・・。

スタッフ

監督・脚本:ドミニク・アベル、フィオナ・ゴードン、ブルーノ・ロミ
撮影:クレール・シルデリク
美術:ニコラ・ジロー、ローラ・クーデール
衣装:クレール・デュビアン
サウンド:フレッド・ミールト、ジル・ローラン
編集:サンドリーヌ・デーゲン
音楽:<タブー>(ペレス・プラード演奏)ほか
助監督:ピエリック・ヴォーチエ
製作:マリン・カルミッツ、ナタナエル・カルミッツほか

キャスト

ドム:ドミニク・アベル
フィオナ:フィオナ・ゴードン
自殺願望のジェラール:フィリップ・マルツ
エリオット:クレマン・モレル
パン強盗:ブルーノ・ロミ
学校の校長:シャンタル・ロミ
看護婦:ノエミ・ムーテル

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