いくつになっても、どんな恋でも、恋をしている人は美しい—。 観る人すべての心に優しく残る、最高傑作の誕生

2010年/日本/カラー/100分/ 配給:ショウゲート

2010年5月22日(土)、新宿ピカデリー、シネセゾン渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー

http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090821-OHT1T00015.htm

(C)2010映画『パーマネント野ばら』製作委員会

公開初日 2010/05/22

配給会社名 0008

解説


◆新しい姿で魅せる 菅野美穂 8年ぶりの主演映画 
「イグアナの娘」「働きマン」「キイナ」「曲げられない女」など数々の大ヒットドラマに主演、確固たる演技力で個性的なキャラクターを体現しながらも、独特の透明感で唯一無二の存在感を放つ女優・菅野美穂。2002年公開の北野武監督『Dolls』以降、実に8年ぶりの主演映画として彼女が選んだ作品が、西原理恵子の叙情的傑作と名高い『パーマネント野ばら』(新潮社刊)である。
強いキャラクターの中にも常に女性らしい可憐な姿が伴い、圧倒的な人気を持つ彼女。スクリーンの中で優しい眼差しと儚くも美しい新たな側面で観るものの共感と涙を誘う。

美しい空と海に囲まれた田舎町で起こった、すべての人の記憶に残る、ある切ない恋の物語。
様々な恋を経験し、その悲しみや痛みを知るすべての人に贈る──。
不器用に生きることを優しく肯定してくれる、胸に沁みる傑作が誕生しました。

◆ 西原理恵子が描く、かっこ悪くても恋するオンナたち
叙情的最高傑作、吉田大八監督により待望の映画化!
山あいの小さなパーマ屋さんは、女のザンゲ室──。
‘大人の女性の恋心’を赤裸々に描き、西原理恵子の新境地的な作品として話題となった本作。深い愛情と悲しみを湛える女性たちが、自分に小さな嘘をつきながら懸命に生きる姿は、多くの共感と絶大な支持を得ている。女のたくましさ、したたかさ、純粋さ、大らかさ、優しさ、切なさ……など、様々な「女の情」が詰まった珠玉の原作が、待望の映画化。

メガホンを取るのは、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(07)がカンヌ国際映画祭の批評家週間部門に正式出品されるなど国際的にも評価が高く、人間の「どうしようもなさ」や「愛すべき可笑しさ」を描き続ける気鋭の監督、吉田大八。男性である吉田監督の俯瞰した目線が入ることにより、女たちの恋と、女同士の親子間に漂う繊細な愛情、そして人の弱さや痛さをもすべて包みこむ、田舎町特有の大きな友情までもが深みを持って描かれる、多面的な人間の情を賛美する作品へと昇華させました。

◆ 個性と魅力を放つ 豪華共演・スタッフ陣
美しい風景とスタッフの熱意をスクリーンに収めた高知ロケ
ほぼ全編を西原の故郷である高知県ロケで行った本作。あけすけで温かい人間が多い独特の土壌と、太平洋に面する高知ならではの空と海の色を映像に収めることに監督はこだわった。
菅野演じるなおこを取り巻く人々も、豪華役者陣が勢ぞろい。なおこの友人には小池栄子、池脇千鶴。母まさ子に夏木マリ。母の再婚相手に宇崎竜童。そして、恋人カシマ役には江口洋介と、様々な振れ幅の個性が物語を盛り上げる。
主題歌は、高知県土佐清水市出身の注目アーティスト、さかいゆうの書き下ろし「train」。地元を愛する彼が明日からの一歩を進みだすために、そっと背中を押してくれる楽曲で深い余韻を残します。

ストーリー




美しい空と海に囲まれた田舎町で起こった、
すべての人の記憶に残る、ある恋の物語—。

彼女の涙に秘められた、あまりにも切ない真実・・・。
「ずっと好き」はどこにもないから
私は毎日、小さな嘘をつく──。

海辺の町にひっそりと佇む、小さな美容室‘パーマネント野ばら’。
そこは、離婚をして一人娘のももを連れて出戻ったなおこ(菅野美穂)と、その母まさ子(夏木マリ)が切り盛りしている、町に一つのパーマ屋さん。町の女たちは日々ここへやってきては、退屈な日常に華を求めるように、少し大げさに、お互いさまの小さな嘘を交えながら、恋にまつわる悲喜こもごものおしゃべりをする。
‘パーマネント野ばら’はうまく行かない恋や夫の愚痴を吐き出してすっきりする、女たちの憩いの場になっている。

‘野ばらさん’と地元の皆に慕われているまさ子には夫のカズオ(宇崎竜童)がいるが、カズオは外に作った女の家に入り浸っている。機嫌の悪いまさ子を気遣い、カズオのところへ向かうなおこ。「お母ちゃんのところに戻ってきて」とお願いするが、「男の人生は真夜中のスナックや。夜中の2時に、次のスナックにハシゴする男の気持ちがわかるか? 男をここで終わりにするわけにいかんのや」というムチャクチャな理屈で断られてしまう。

なおこの友人でフィリピンパブを経営しているみっちゃん(小池栄子)は、店の女の子と平気で浮気し、金の無心ばかりする夫ヒサシ(加藤虎之介)に頭を悩ませている。今回の浮気には「愛があるやないろうか?」と不安と怒りが溜まったみっちゃんは、ラブホテルから出てきた浮気相手を車で轢き殺そうと行動に出てしまう。しかし、浮気相手をかばった夫とともに重症を負ってしまう。病院でも罵りあって大暴れする二人だが、それでもまた、夫の金の面倒を見てしまうみっちゃん。

「どんな恋でもないよりましやき・・好きな男がおらんなるゆうて、うちは我慢できんのよ」

みっちゃんと同じくなおこの友人のともちゃん(池脇千鶴)は男運が激しく悪く、ダメ男から散々な仕打ちを受けてきた。現在はギャンブルに溺れたあげく、行方不明となった旦那を心配している毎日。ある日、なおこはまさ子とゴミ屋敷に暮らす老夫婦の髪を切りに行った帰りに突然山道から飛び出してきた、ともちゃんの旦那ユウジ(山本浩司)と遭遇する。
廃人のような風貌のユウジから、なおこは「金に換えるように・・ゆうといて」とスロットのコインを渡される。しばらくして、発見されたユウジは帰らぬ人となっていた。

「人は二度死ぬがやと。人の心の中におらんようになったら、いよいよ最後やと。今度こそ、本当に死ぬ。」

皆そんな自分たちを涙目ながらも、明るく笑いとばしている。

一方なおこは、高校教師をしているカシマ(江口洋介)と恋をしている。
互いを優しく想いあいながら、高校の教室で、海で、旅館で……デートを重ねるふたり。
──しかし、その恋にもある秘密が隠されていた・・・。

それから、王子さまとお姫さまはキスをして
  二人はいつまでも幸せに暮らしました—。
         そんなお話は この世に ないけど—。

スタッフ

監督:吉田大八
プロデューサー:松本整、石田雄治、鈴木ゆたか、中村陽介、藤田滋生
エグゼクティブプロデューサー:春名慶
ラインプロデューサー:加藤賢治
原作:西原理恵子
『パーマネント野ばら』(新潮社刊)
脚本:奥寺佐渡子
撮影:近藤龍人
美術:富田麻友美
編集:岡田久美
音楽:福原まり
音楽プロデューサー:日下好明
主題歌:さかいゆう
『train』
スクリプター:柳沼由加里
スタイリスト:小里幸子、谷口みゆき
ヘアメイク:小沼みどり
照明:藤井勇
装飾:佐藤孝之
助監督:甲斐聖太郎

キャスト

菅野美穂
小池栄子
池脇千鶴
宇崎竜童
夏木マリ
江口洋介

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