ヒーローショー
沖縄国際映画祭上映作品
2010/カラー/134分/シネマスコープ/DTS R-15指定 配給:角川映画
2010年11月26日よりDVDリリース 2010年5月29日(土) 角川シネマ新宿他全国ロードショー!!!
(C)2010 「ヒーローショー」製作委員会
公開初日 2010/05/29
配給会社名 0058
解説
監督生活35周年!!井筒和幸監督、3年ぶりの最新作は、R-15指定!
もがき苦しむ若者たちを描く、青春★バイオレンス★エンターテインメント!!
『ガキ帝国』(81)、『晴れ、ときどき殺人』(84)、『二代目はクリスチャン』(85)、『犬死にせしもの』(86)、『岸和田少年愚連隊』(96)、『のど自慢』(99)、『ゲロッパ!』(03)、『パッチギ!』(05)など、常にその時代を代表する傑作を生み出して来た映像作家・井筒和幸。その3年ぶりの最新作が、いよいよ完成した!
本作は、予定調和な一般的な映画らしさを持つ作品とは一線を画し、井筒の過去の作品と比べてもその暴力性、猥雑さ、時代の空気感、リアリティ、ストーリーの緻密な構成など、35周年の集大成にふさわしくすべてがパワーアップし、限界を超えた衝撃作になっている。井筒自身も「今までは、“この辺でまとめておこう”というのがあったが、今回はリミットを作らずとことんやってやる!という気でやった」と語っている。その過激さは、セックスシーン、暴力シーンともに、映倫からのR-15指定(中学生は鑑賞不可)となったが、これも徹底したリアリズムの代償といえる。生々しい刺激と痛みを伴う今までにない青春映画として、観る人の脳と体をわしづかみにすることは間違いない!
『ガキ帝国』の島田紳助・松本竜介、『岸和田少年愚連隊』のナインティナイン、『パッチギ!』の沢尻エリカに続いて、井筒監督の鋭い眼力で主役に抜擢されたのは、若手お笑いNo.1のジャルジャルの後藤淳平と福徳秀介。そして実力派女優ちすんがヒロインを熱演。
主演には、これが映画初出演で初主演という、若手お笑いコンビのジャルジャルの2人、後藤淳平と福徳秀介が抜擢された。井筒監督によると、他に既にピークを迎えているお笑いコンビも数組候補にあがっていたが、むしろ今はまだ役者としてまっさらで、これからブレイクする、という2人をあえて選びたかったという。ジャルジャルは、NHK新人演芸大賞演芸部門大賞(07)、笑いの超新星最優秀新人賞(08)、上方漫才大賞優秀新人賞(09)などを受賞している他、女性ティーン誌での連載、地元大阪でのラジオやテレビのレギュラーも多く、「爆笑レッドシアター」(フジテレビ系列)にレギュラー出演するなど、全国区での知名度をぐんぐんあげてきている登り龍だ。また、「かぞくのひけつ」(07年日本映画監督協会新人賞)で鮮烈なイメージを植え付け、舞台「パッチギ!」ではその美しさとしなやかな踊りで観客を魅了した実力派新進女優、ちすんが後藤の恋人役で出演。男臭いシーンにフレッシュな清涼感を与えている。
『ガキ帝国』で島田紳助・松本竜介を、『岸和田少年愚連隊』でナインティナインをスターダムに押し上げた井筒監督をして、「コントや舞台で鍛え上げてるだけあって、圧倒的に芝居が上手い」と言わしめた後藤と福徳の伝説が、この『ヒーローショー』で2010年、幕を開ける!
2人の主人公、ユウキと勇気のストーリーを創り上げた井筒組を支えるベテランぞろいのスタッフたち。
そして、ピンク・レディーの名曲「S・O・S」がエンディングを最高の形で盛り上げる!!
夢にもバイトにも真剣になれない福徳秀介演じるユウキと、恋人と店を開くために調理師免許を取ろうとしている後藤淳平演じる元自衛官で配管工の勇気。対照的でありながら、今どきのごく普通の若者像を体現している2人の主人公が、思いも寄らない事件に巻き込まれ出口を求めて暴走するストーリーは、井筒のオリジナル脚本である。「ヒーローショー」という非日常な子ども向けのショーに見られる<ヒーローvs悪者>という勧善懲悪な世界と現実世界のギャップを見事に融合させ語りかけてくる本作の脚本を原案から井筒と練り上げていったのは、『パッチギ!』で日本アカデミー賞優秀脚本賞を、『フラガール』(06)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した羽原大介。井筒とは『ゲロッパ!』以来の信頼関係を築いている。さらに、『嫌われ松子の一生』(06)などの助監督を経て、自身も『キトキト!』で原作・監督をつとめた若き才能、吉田康弘がリアルな若者像を描き出し、新世代作家の旗手の名に恥じぬ手腕を今回も共同脚本として発揮した。
そして、エンディングテーマには、あの、阿久悠×都倉俊一の大ヒットコンビが手がけたピンク・レディーの名曲「S・O・S」が使われることになった。これ以上ない布陣が組まれた本作は、海外の映画祭出品のオファーも多く、世界から「井筒コール」が沸き上がる日も遠くない!
ストーリー
「敗者復活戦、ねぇのかよ? ・・・もう一度生き直させてくれよ!!」
暴力、セックス、リンチ、殺人−。彼らの暴走は止まらない!!
バイトも専門学校も中途半端な日々を送る気弱なユウキ(福徳秀介)の新しいアルバイトは、ヒーローショーの悪役だった。ある日、バイト仲間のノボルが、ユウキの先輩である剛志の彼女を寝とってしまったことから、彼らはショーの最中に激しい殴り合いを繰り広げる。それだけでは収まらず、剛志はユウキも含め悪友たちを招集しノボルらを強請ろうとするが、ノボルたちも、自衛隊上がりのユウキ勇気(後藤淳平)を引き入れ報復にでる。次第に彼らの暴走はエスカレートし、ついには決定的な犯罪が起きてしまう・・・。
相方と舞台でオーディションを受けているユウキ(福徳秀介)は、今日もステージ上でうっかりセリフが飛んでしまう。バイトはクビだし、何をやってもうまくいかない。暗い気分で歩いていると、いきなりヘッドロックをかけてくる男がいた。こんなことをするのは、1人しかいない。先輩で元相方としてコンビを組んでいた剛志だ。高校を卒業して養成所にいたころ、2人は「フジヤマ・ボーイズ」としてスターを目指していたが、剛志はそのあまりに狭き門に一足早く足を洗っていたのだ。その剛志から新しいバイトを紹介してもらい、ユウキは中野の狭いアパートに帰ってくるが、迎えてくれるのは、息子が夢に向かって真面目に頑張っていると信じている田舎の母からの宅急便と、パソコンゲームの中の妹だけだ。
翌日、ユウキは紹介されたバイトの現場、住宅展示場の中で行われている「電流戦士ギガチェンジャーショー」の会場にいた。剛志の彼女だと紹介された、司会をつとめる美由紀が子供たちに可愛い声でアナウンスをしていると、突然バクゲルグという怪人がミユキを襲う。そして、助けを呼ぶ美由紀に答えて、5人のギガチェンジャーの戦士たちが現れる、といった、正義のヒーローたちが悪人たちを小気味よくやっつけていくお決まりのショーだ。怪人を演じていたのは、先輩の剛志だった。剛志は、「子供たちには正義のヒーローより、悪役の方がウケがいいんだ」、とうそぶくが、ギガレッドを演じる俳優志望のノボルと、ギガブルーのツトムはどこかバカにしているような態度だ。
ユウキは、とりあえず悪の手下その1からショーに参加することになったが、ある日、ノボルが剛志の彼女である美由紀を寝取ったことがバレ、剛志とノボルはショーの最中にも関わらず、舞台上で観客や構成を無視した大乱闘を繰り広げる。おろおろする気弱なユウキを尻目に、2人はそれぞれ額を切るほどの大ケガをするが、彼女を奪われた剛志の怒りは収まらない。明らかにワルそうな、首に龍のタトゥーを入れているサーフショップの鬼丸のところへ行き、ノボルらをシメて欲しいと頼み込んだのだ。鬼丸は、大学生の1人や2人、軽く脅してカネを巻き上げてやる、と大学に乗り込んで行き、ノボルとツトムを散々に痛めつける。ノボルたちは観念してツトムの兄のところに金を借りに行くが、渋谷で出会い系サイトを運営しているツトムの兄、拓也は、逆に剛志たちを返り討ちにしてやれ、と、自衛隊時代の友人でその凶暴さとカリスマ性で地元でも評判のかつての悪友・勇気(後藤淳平)に相談を持ちかけるのだった。
勇気は、今は配管工をしているが、いずれは年上の恋人あさみ(ちすん)と一緒に、石垣島でレストランをやりたいと考えていた。調理師免許のことも考えている。いつも男を連れ込んでいる母親の家を出て、あさみと暮らすために安いアパートも借りてある。が、現実はまだ遠い。そんな日々に、久しぶりに旧友から飛び込んできた頼みに、昔の腕が鳴る。
拓也たちの罠とも知らず、金を受け取るために勝浦まで呼び出された鬼丸たちを待っていたのは、勇気らによる壮絶なリンチだった。ことの発端であった剛志もノボルも今さら逃げることもできず、断りきれずについてきたユウキもなす術もなく巻き込まれていくしかない。互いの暴力は次第にエスカレートしていき、ついには決定的な犯罪、殺人がおきてしまう。彼らの誰もが、こんなハズじゃなかったのに・・・数時間前に戻れないのか・・・と苦しみながらも、犯した罪を隠蔽するため、なお一層彼らの暴走は果てしなく広がっていく・・・。
スタッフ
監督:井筒和幸
エグゼクティブプロデューサー:大?洋、椎名保
シニアプロデューサー:水谷暢宏
チーフプロデューサー:岡本昭彦
プロデューサー:片岡秀介、仲良平、山本恭史、増田悟司
脚本:吉田康弘、羽原大介、井筒和幸
音楽:藤野浩一
撮影:木村信也
照明:尾下栄治
録音:白取貢
編集:冨田伸子
演出補:武正晴
美術:津留啓亮(フジアール)
制作担当:小森日出海
装飾:横山和也
衣裳:星野和美
メイク:下田かおり
特殊造形:JIRO
アクション:秋永政之
カースタント:佐藤秀美
アシスタントプロデューサー:杉原奈実
プロダクションマネージャー:小泉朋
エンディングテーマ:ピンク・レディー「S・O・S」(ビクターエンタテインメント)
企画:レ・ジャン・ドゥ
制作プロダクション:よしもとクリエイティブ・エージェンシー ユニークブレインズ
製作:吉本興業、角川映画
配給:角川映画
キャスト
後藤淳平(ジャルジャル)
福徳秀介(ジャルジャル)
ちすん
米原幸佑(RUN & GUN)
桜木涼介
林剛史
阿部亮平
石井あみ
永田彬(RUN & GUN)
結城しのぶ
大森博史
筒井真理子
木下ほうか
升毅
光石研
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