原題:The Burning Plain

2大アカデミー女優が『バベル』『21グラム』の脚本家と挑む愛と宿命の物語

第65回ヴェネチア国際映画祭正式出品作品
マルチェロ・マストロヤンニ賞受賞 ジェニファー・ローレンス

2008/アメリカ/英語・スペイン語/カラー/シネスコ/SRD・ DTS・SDDS/106分/
配給:東北新社

2009年9月26 日(土)よりBunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマ他にて全国順次ロードショー

Copyright 2008 2929 Productions LLC, All rights reserved.

公開初日 2009/09/26

配給会社名 0051

解説


 『モンスター』でアカデミー主演女優賞に輝いたシャーリーズ・セロンと、『L.A.コンフィデンシャル』でアカデミー助演女優賞を受賞したキム・ベイシンガー。2人のオスカー女優が、『バベル』の脚本でオスカーにノミネートされたギジェルモ・アリアガと絶妙なコラボレーションを奏でる。ゴージャスな顔合わせが話題を呼ぶ本作は、アリアガの長編監督デビュー作としても注目を集める壮大な愛と宿命の物語だ。
アリアガは、愛ゆえの過ちを抱える女性が再び愛によって希望の光を見出すまでを、それぞれ異なる傷を負った女たちの激烈な生き様をたどりながら描き出す。
行きずりの情事を繰り返し、孤独を守る謎めいたレストランマネージャー・シルヴィア(シャーリーズ・セロン)。ある日彼女のもとに、娘と名乗る少女マリアが現れた。突然の出会いに戸惑うシルヴィアに、ニューメキシコの荒野での若き日の過ちがよみがえる。かつて、心に傷を抱え不倫の恋に走った母ジーナ(キム・ベイシンガー)。母と同じ宿命をたどることを恐れ、すべてを捨てて逃げたシルヴィア。
灼熱の大地で渇きを満たすように愛を求めた女たちの秘密とは。そして、シルヴィアは自ら手放した愛を取り戻せるのだろうか。
緻密な構成で観客の興味を惹きつけて離さない脚本は、アリアガが15年以上の歳月をかけて練り上げたもの。これを一読したとき、「頭から離れなくなるほど取りつかれてしまった」と語るセロンは、謎めいた雰囲気が漂うシルヴィアの役作りにオスカー女優の貫録を発揮。さらに、エグゼクティヴ・プロデューサーとして製作に参加することで、アリアガをはじめとするクリエイティブ・チームを背後から支援する役割も担った。
 そのセロンの推薦でジーナに抜擢されたのが、もうひとりのオスカー女優キム・ベイシンガーだ。砂漠のように無味乾燥な生活を送るなかで、不倫の恋にオアシスを見出すジーナ。愛を渇望し、性の衝動に身を委ねる彼女の葛藤を、ベイシンガーは独特のニュアンスたっぷりの表情で繊細に表現。人を愛する歓びと哀しみをたおやかに演じきり、観る者の共感を強くひきつける。また、50代とは思えない美しい裸体をさらけ出し、ベッドシーンを熱演している。
 そしてもうひとり、本作には注目の女優が出演している。マリアーナという名で呼ばれていた10代のシルヴィアを演じる新星ジェニファー・ローレンスだ。撮影当時17歳だった彼女は、母親を慕い、同時に嫌悪するマリアーナの複雑な心理をナチュラルに表現。2人のオスカー女優と互角に勝負する熱演を見せ、見事ヴェネチア映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)に輝いた。
 異なる時代、異なる場所を行き来する複数のエピソードがひとつに絡み合っていく巧妙なストーリーテリング。人間の情念をあぶりだし、その本質を鋭くえぐるキャラクター描写。そして、一筋の救いの光が差し込む感動的なラストシーン。『バベル』や『21グラム』で世界を驚嘆させた映画作家としての個性を、この初監督作でも遺憾なく発揮したアリアガ。彼を支えるスタッフにも超一流の顔ぶれがそろった。中世の四大元素である土、火、空気、水をイメージの原点としたキャラクターたちの世界観を、映像を通じて表現した撮影監督は、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でオスカーを受賞したロバート・エルスウィットと、『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』『ブレイブハート』で2度のオスカーに輝いたジョン・トール。自然の景観をいかしたプロダクション・デザインは、『エターナル・サンシャイン』のダン・リー。編集は、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのクレイグ・ウッド。衣裳デザインは、『スタンドアップ』でセロンと組んでいるシンディ・エヴァンス。登場人物の心象風景を旋律で照らしだす音楽は、これまで7作でオスカーにノミネートされ『ライオン・キング』で受賞したハンス・ジマーと、プログレッシブ・ロック・バンド“マーズ・ヴォルタ”のオマー・ロドリゲス・ロペスが手がけている。

ストーリー







シルヴィア(シャーリーズ・セロン)は、ポートランドの海辺に建つ高級レストランのマネージャー。エレガントな身のこなしでテキパキと仕事をこなす彼女は、スタッフや顧客からの信頼も厚い。しかし、ひとたび職場を離れると、彼女は別の女性に変貌を遂げた。行きずりの男と安易に肉体関係を持ち、自傷行為に走る。まるで自らを罰するように、シルヴィアは自身の心と身体を傷つけているのだ。そんな彼女の前に、ある日、カルロス(ホセ・マリア・ヤスピク)と名乗るメキシコ人男性が現れる。彼は、飛行機事故で瀕死の重傷を負った親友に頼まれ、シルヴィアの元へやって来たのだった。彼の傍らに立つ少女マリア(テッサ・イア)の姿に動揺し、思わず逃げ出すシルヴィア。その胸に、砂漠の中で真っ赤に燃え上がるトレーラーハウスの幻影が浮かび上がる……。

 シルヴィアがマリアーナと呼ばれていた10代のころ。彼女の一家は、ニューメキシコ州の国境の町で暮らしていた。
 母親のジーナ(キム・ベイシンガー)は、病気を克服したばかり。彼女に代わって、父親(ブレット・カレン)と3人の幼い兄弟の面倒を見るのは、マリアーナ(ジェニファー・ローレンス)の役目だ。家族は助け合い、仲睦まじく暮らしているかに見えた。だが、マリアーナは母の異変に気づいていた。買物に出たまま、夜遅くまで家に帰らないジーナ。その挙動に不信感を持ったマリアーナの推察どおり、ジーナは、最近出会った男と情事を重ねていたのだ。
 ジーナの情事の相手は、隣町に住むメキシコ人のニック(ヨアキム・デ・アルメイダ)だった。お互いに家庭を持つ2人は、中間地点のトレーラーハウスを忍び逢いの場所に選び、むさぼるように愛を交わした。セックスレスとなった夫と違い、女として優しく受け止めてくれるニックの腕の中で、ジーナは連日のように至福の時を過ごす。だが、それは唐突に終わりを告げる。2人の密会中に、トレーラーハウスが炎上する事故が発生。ジーナとニックは、炎に包まれたまま帰らぬ人になったのだ。
 母の事故死は、多感なマリアーナの胸に大きな傷跡を残したが、それはニックの息子のサンティアゴ(J・D・パルド)にとっても同様だった。父は炎の中で何を思ったのか? その答えを探ろうとするかのように、マリアーナと接触をはかるサンティアゴ。そんな彼に、母の愛した男の姿を重ね合わせるマリアーナ。両親を真似るように密会を重ねるようになった2人は、やがて本気で恋に落ちる。
 しかし、それは決して周囲に受け入れられない禁断の恋だった。2人の交際は互いの家族に知られるところとなり、激しく糾弾されたマリアーナは「一緒に逃げて」とサンティアゴを誘うが・・・。
それから12年。シルヴィアは、マリアーナの名前と共に置き去りにした過去と向きあうべき時が来たことを悟る。母の過ちと、それ以上に重い自分自身の過ち。二重の十字架を背負ったシルヴィアの魂に、救いが訪れる日は来るのだろうか? そして彼女は、自ら手放してしまった愛を取り戻すことができるのか?

スタッフ

監督・脚本:ギジェルモ・アリアガ
製作:ウォルター・F・パークス、ローリー・マクドナルド
製作総指揮:シャーリーズ・セロン、アリサ・テイガー、レイ・アンジェリク、トッド・ワグナー、マーク・キューバン、マーク・ブタン
キャスティング:デブラ・ゼイン
衣裳:シンディ・エヴァンス
音楽:ハンス・ジマー、オマー・ロドリゲス・ロペス
編集:クレイグ・ウッド
プロダクション・デザイン:ダン・リー
撮影監督:ロバート・エルスウィット

キャスト

シルヴィア:シャーリーズ・セロン
ジーナ:キム・ベイシンガー
マリアーナ:ジェニファー・ローレンス
ジョン:ジョン・コーベット
ニック:ヨアキム・デ・アルメイダ
サンティアゴ:ダニー・ピノ
カルロス:ホセ・マリア・ヤスピク
サンティアゴ(少年時代):J・D・パルド
ロバート:ブレット・カレン
マリア:テッサ・イア

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