原題:Taken

2009年1月30日全米公開

2008年/フランス/カラー/93分/ 配給:20世紀フォックス映画

2010年08月04日よりDVDリリース 2009年8月22日、TOHOシネマズ 有楽座他 全国ロードショー

(c) 2008 Europacorp - M6 Films - Grive Productions

公開初日 2009/08/22

配給会社名 0057

解説


タイムリミットは96時間!
最愛の娘を犯罪組織にさらわれたとき、
心優しき父親は非情な追跡者に変貌する

 その男、ブライアン・ミルズの胸はずたずたに引き裂かれていた。唯一のよりどころである最愛のひとり娘キムが、遠い異国の地で誘拐されてしまったのだ。しかし彼は、悲嘆に暮れるつもりなどさらさらなかった。地獄の果てまでも犯人を追いつめ、絶対に自らの手で娘を奪還してみせる。迷うことなくその誓いを立てたとき、すでにブライアンは動き出していた。眩い陽光きらめくカリフォルニアから、欲望と暴力が渦巻くパリのアンダーグラウンドの迷宮へ。運命を決するタイムリミットは96時間。かくして映画史上最も壮絶にして予測不可能な追跡劇の幕が開く!
 全米がアメフトのスーパーボウルに熱狂する今年1月末に封切られ、誰も予想しなかった大反響を呼び起こし、初登場1位はもちろん、9週連続トップテン入りのロングランを達成。さらにフランス、韓国など世界中で大ヒットを飛ばした『96時間』は、『グラン・ブルー』『レオン』の監督として、『TAXi』『トランスポーター』といった人気シリーズのプロデューサーとして絶大なネームバリューを誇るリュック・ベッソンが製作&脚本を手がけたタイムリミット・アクションである。
 17歳になったばかりの天真爛漫なアメリカ人少女キムが、初めての海外旅行で訪れたパリで突然拉致された。しかも犯人は裏社会に巣食う東欧系マフィアで、若い女性たちを麻薬漬けにして闇市場にかける恐るべき人身売買組織。普通の父親ならば意気消沈して警察に助けを求めるのが関の山だが、この映画の主人公ブライアンはまったく違う。過去のデータから96時間以内に娘を救わねばならないと知った彼は、敢然と単独での捜索を決意する。ほとんど手がかりもなく、異国で忽然と消えた少女の行方をたどるのは、砂漠でひと粒のダイヤを探すようなもの。しかし、かつて政府のもとで秘密工作の仕事に携わっていたブライアンは、不可能を可能にしうる“特殊なスキル”を備えていた。
 常人離れした鋭い観察眼と分析力、あらゆる突発的な事態に対処できるリスク・コントロール能力、そして群がる邪魔者どもをなぎ倒す電光石火の戦闘術……。誘拐をモチーフにした犯罪映画は数あれど、『96時間』はかつて誰も見たことのない驚きに満ちたプロットを描いている。普段はごく穏やかなひとりの父親が、次々と死と背中合わせのハードルを突破するたびに“もうひとつの顔”をのぞかせ、無敵の追跡者へと変貌を遂げていく。そんなまさかの衝撃の嵐が吹き荒れるストーリーにぐいぐい引き込まれ、身も心も痺れるほどの興奮を覚えずにいられない。

名優リーアム・ニーソンの驚愕の新境地!
そしてリュック・ベッソンが見出した
新たな才能が描く究極のアクションと感情

 一度見たら忘れようのない強烈な主人公ブライアンを演じるのは、『シンドラーのリスト』でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、『マイケル・コリンズ』ではヴェネチア国際映画祭・男優賞に輝いたリーアム・ニーソン。『ラブ・アクチュアリー』『バットマン・ビギンズ』、孤高の王アスランの声を担当した『ナルニア国物語』シリーズなどの話題作でも知られる名優が、製作者サイドからの意表を突いたオファーに応え、これまでのイメージとはかけ離れた新境地に挑んだ。
 ニーソンが持ち前の演技力でじっくりと表現するのは、娘を愛してやまない父親の切なる想い。「娘を助けるためなら、エッフェル塔でも壊してみせる」と真顔で言い放つブライアンは、目的を阻む者には一切容赦せず、時にはそこまでするかと冷酷な凄みを垣間見せることもある。心優しき父親にして謎めいた追跡者という主人公の極端な二面性を演じきったニーソンの圧倒的な存在感が、スリラーの常識を超越したこの物語に堂々たる説得力を吹き込んだ。そんなニーソンがみなぎらせる怒りと執念が、ノンストップ&ハイスピードの展開を極限まで加速させていくこの映画には、まさしく〈非情なまでにエモーショナル〉としか言いようのない究極のアクションと感情が刻み込まれている。
 そしてリュック・ベッソンがメガホンを託したのは、“パルクール”と呼ばれる流麗なアクション・スタイルを導入した2004年のデビュー作『アルティメット』で注目されたピエール・モレル。怒濤のカーチェイス、銃撃戦、マーシャルアーツと緊迫のドラマを見事に融合した『96時間』で1億4000万ドル超の全米興収を叩き出し、今後ハリウッドなどで世界的な活躍が約束された気鋭監督である。

ストーリー





 アメリカ政府のために長年の激務をこなしてきたブライアン・ミルズは、今はその仕事から身を退き、カリフォルニアで孤独な日々を過ごしていた。彼が胸に秘める唯一の願いは、ずっと疎遠だったひとり娘キムとの絆を修復すること。別れた妻レノーアに連れられて家を出ていったキムは、レノーアの再婚相手である資産家と一緒に暮らしている。豪邸で盛大に催されたキムの17歳の誕生パーティに駆けつけたブライアンは、この日のために心をこめて選んだプレゼントを彼女に手渡す。娘のためにできることなら何でもする。ブライアンの頭の中は、それだけでいっぱいだった。
 そんなブライアンの表情が曇ったのは、キムから初めての海外旅行の許可を求められたときだった。親友のアマンダとふたりでパリに行きたいと訴えるキムの無邪気さに不安を抱いたブライアンは、一度は頑なに却下するが、結局許しを与えるはめになった。最愛の娘が落胆の涙を流すよりも、喜ぶ姿を見たいという親心を抑えきれなかったのだ。
 やがてブライアンの不安は、最悪の形で現実のものとなった。キムとアマンダが滞在するパリのアパルトマンに、突然謎の一味が乱入してきたのだ。そのときバスルームにいたキムは、ブライアンと携帯で話している最中だった。窓越しにアマンダが拉致される光景を目のあたりにしたキムは激しくうろたえるが、ブライアンは彼女を励まし、できる限り状況を把握しようと試みる。一味の人数や特徴をキムに伝えさせ、すばやくICレコーダーで通話を録音していく。
 ついに一味の魔手はベッドの下に隠れていたキムの身に迫り、彼女の凄まじい絶叫がブライアンの胸を突き刺す。しかしこのときすでにブライアンは、これから自分が為すべきことが何なのかはっきりわかっていた。「俺は長年培った特殊なスキルを持っている。もし今すぐ娘を解放しないなら、俺はお前を追いかけて探し出す……そして殺す」。自らの手でキムの奪還を誓ったブライアンは、電話の向こうの犯人にそう通告するのだった。
 キムとの通話の音声から、犯人一味はパリで勢力を拡大しているアルバニア系の人身売買マフィアだと判明する。手当たりしだいに捕獲した若い女性たちを麻薬で服従させ、外国の顧客に高値で売り飛ばす極悪非道の犯罪組織。これまでの事例によると、事件発生から96時間が過ぎると被害者は救出不可能という絶望的なデータがはじき出される。しかしブライアンは、特別な追跡のノウハウを備えていた。政府の秘密工作員として幾多の修羅場を潜り抜けてきた彼は、レノーアの夫にチャーターさせたプライベート・ジェット機でパリに飛び、単独での捜索を開始する。
 まず犯行現場のアパルトマンで見つけたキムの壊れた携帯電話のメモリーをチェックし、一味の手先である青年を特定。さらに因縁あるパリ警察の刑事から組織の縄張りを聞き出し、秘かに売春が行われている工事現場へ向かう。そこでブライアンは激烈な乱闘やカーチェイスを繰り広げ、キムのデニム・ジャケットを所持していた少女を助け出した。少女の証言をもとに拉致グループの隠れ家に乗り込んだブライアンは、目にもとまらぬ格闘術でその場の犯罪者全員を叩きのめし、麻薬中毒で息絶えたアマンダの無残な死体を発見する。
 いったいキムはどこにいるのか。焦りを募らせたブライアンは、なおも猛然とパリの裏社会の奥深くへと身を投じていく。しかしキムを救出可能なタイムリミットは刻一刻と迫っていた……。

スタッフ

監督:ピエール・モレル
製作・脚本:リュック・ベッソン
脚本:ロバート・マーク・ケイメン
撮影:ミシェル・アブラモヴィッチ
プロダクション・デザイナー:ユーグ・ティサンディエ
編集:フレデリック・トラヴァル
音楽:ナサニエル・メカリー

キャスト

リーアム・ニーソン
ファムケ・ヤンセン
マギー・グレイス
リーランド・オーサー
ホリー・ヴァランス

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