原題:跟蹤

美しき追跡者。

2007東京フィルメックス 審査員賞特別賞 コダックVISION アワード 2008香港電影金像奨  最優秀新人賞、最優秀新人監督賞 2008アジアン・フィルム・アワード 最優秀編集賞

2007年/香港/カラー/90分/ 配給:トルネード・フィルム

2010年06月02日よりDVDリリース 2009年1月31日(土)より、シネマライズにて全国順次ロードショー

© 2007 Sundream Motion Pictures Limited

公開初日 2009/01/31

配給会社名 0633

解説



『ヒーロー・ネバー・ダイ』(98)、『暗戦・デッドエンド』(99)、『ザ・ミッション/非情の掟』(99)、『エレクション』(05)、『エグザイル/絆』(06)など、国際的に高い評価を受け、各国の映画祭に招待されるなど、今世界が最も注目する映画作家の一人ジョニー・トー。93年の『裸足のクンフー・ファイター』以降、ほぼすべてのトー製作、監督作品の脚本にクレジットされ数々の傑作を陰で支えてきた、<トーの右腕>にして<トー組の頭脳>ヤウ・ナイホイが、トーのプロデュースにより満を持して監督デビューを果たした話題作。それが、『天使の眼、野獣の街』である。

 犯罪捜査の最前線にみなぎる最高のスリルとサスペンス。頭脳と肉体のすべてを駆使して繰り広げられる凶悪犯対警察の究極のチェイシング・ゲーム。ハイテンションの興奮が全編を貫く極上のクライム・アクションにして、現場に放り込まれた一人の新人女性警官が失敗と挫折を繰り返しながら、持ち前の直感と観察力で追跡のエキスパートへと成長していくエモーショナルでドラマティックなストーリー。

2007年ベルリン国際映画祭フォーラム部門で上映されたのを皮切りに、同年3月の香港国際映画祭ではオープニングを飾り、11月の第8回東京フィルメックスでは審査員特別賞を受賞。2008年の第27回香港電影金像奨では作品賞など主要6部門にノミネートされ、最優秀新人女優賞(ケイト・ツィ)と最優秀新人監督賞(ヤウ・ナイホイ)をはじめ、香港映画批評家大賞の最優秀主演男優賞(レオン・カーファイ)、アジア映画賞の最優秀編集賞(デビッド・リチャードソン)を受賞するなど、すでに国際的にも大絶賛を浴びている。まさにこれは香港映画が放つ新たなる衝撃、香港映画の新世紀を感じさせる傑作の誕生だ。

 出演は、監視班を率いるベテラン捜査官ウォンに『ワイルド・ブリット』(90)、『フル・コンタクト』(92)などの作品で強烈な印象を残し、近年トー監督作『PTU』(03)、『エレクション』、『エグザイル/絆』などでも驚異的な演技力を披露している名優サイモン・ヤム。強盗団のリーダー、チャンには『愛人/ラマン』(92)、『黒薔薇VS黒薔薇』(92)などで幅広い演技力を見せつけ、トー作品では『柔道龍虎房』(04)、『エレクション』で凄味ある芝居で観客を圧倒したレオン・カーファイ。新人女性警官ホーには04年のミス香港コンテストでミス・フォトジェニック賞などを受賞して芸能界入りし、TVBと契約してテレビ界の人気者となり、本作で映画デビューを飾ったケイト・ツィ。その他、『ザ・ミッション/非情の掟』『エグザイル/絆』のラム・シュー、『PTU』『ブレイキング・ニュース』(04)のマギー・シュウ、『マッスルモンク』(03)、『エレクション』のチョン・シウファイなど、トー作品の常連が脇を固める。

スタッフは、『天山回廊/ザ・シルクロード』(87)、『墨攻』(06)のツイ・シャオミンが、トーと共同で製作を手掛け、『ブラック・マスク』(96)、『ドラゴン・スクワッド』(05)のトニー・チャンが撮影を担当するのをはじめ、共同脚本のアウ・キンイー(『イエスタデイ・ワンスモア』(04)他)、編集のデビッド・リチャードソン(『エグザイル/絆』他)、音楽のガイ・ゼラファ(『ブレイキング・ニュース』他)など、トー組最強スタッフががっちりとスクラムを組みヤウ・ナイホイの華麗なるデビューを支えている。

ストーリー


香港警察の刑事情報課・監視班。それは警察内の精鋭たちによって組織された犯罪容疑者たちの監視と追跡を専門に行う特殊捜査班である。新人の女性警官ホー・カーボー(何家宝)は実地訓練に合格し、晴れて監視班の一員となった。“犬頭”のコードネームを持つ監視班のリーダー、ウォン・マンチン(黄文展)は、彼女に“子ブタ”というコードネームを付け、彼女を一人前の捜査員に育てるべく、日夜厳しく指導を行っていた。

 その頃、香港では謎の強盗団による宝石店強盗が頻発していた。強盗団のリーダー、チャン・チョンサン(陳重山)は、18年前の強盗事件を起こしたグループの主犯格で、警官を殺害して逃亡中の凶悪犯だった。用心深いチャンは、犯行現場には立ち会わず、常にビルの屋上から全体を監視し、部下たちを動かしていた。

 行動情報分析班は、犯行現場とその周辺の監視カメラに録画されていた映像を分析し、犯行グループの一味と思われる一人の太った男の存在を確認した。その情報を受け、監視班は総動員で“ファットマン”と名付けられた男を探し出すべく、男の現れそうな場所で張り込みを開始する。真夜中、ホーはコンビニに現れた“ファットマン”を発見して追跡、彼の潜伏先を突き止めると、本部の指示に従い、監視カメラを設置し、その部屋からでたゴミを収集して、犯行グループの情報をさらに探っていく。

 監視班の集めた情報から分析班が“ファットマン”の名前や逮捕歴、交友関係を洗い出した。
監視班のさらなる追跡、監視、盗聴によって7名の容疑者が捜査線上に上り、同時に彼らが次に計画している宝石店強盗の全貌が明らかになった。

 だが、容疑者グループには別行動をしているリーダーが存在することは明らかだった。捜査陣は姿の見えない彼を“影の男”と名付け、その発見に全力をあげた。

 犯行グループが行動を開始した。いつものように現場から離れた場所で監視をしていたチャンは、異様な気配を察し、携帯電話を使って部下たちに計画の中止を命令する。待機していた攻撃班は、逃走したグループの車を追跡、やがて高速道路上で激しい銃撃戦が始まった。その銃撃戦で強盗団の数人は射殺されたが、主要メンバーの逮捕はできなかった。

 一方、監視班は犯行グループにかかってきた携帯電話を逆探知し、“影の男”を追った。ついにホーは“影の男”らしき人物を確認し、携帯のカメラで顔写真を撮ることに成功する。分析班に転送されたその写真によって“影の男”が指名手配中のチャンであることが発覚する。ホーはさらにチャンを追うが、追っ手を察知したチャンは通りがかったパトロール中の警官を撃って逃走、ホーは“影の男”を追うようにとの本部の命令を無視して撃たれた警官を救護するが、警官は死亡し、チャンも取り逃がしてしまう。

 翌日、ホーは責任を感じチャンの追跡を続けようとするが、本部は監視班全員に新たに発生した子供の誘拐事件の捜査を命じる。だが、監視と追跡が手薄になったその隙に、強盗団は当初狙う予定だった宝石店を襲撃し、まんまと大量の貴金属を強奪するのだった。
 数日後、誘拐犯が脅迫のために使用した公衆電話を監視していたホーは、偶然にも人ごみの中に“影の男”を発見し、仲間の制止も聞かずひとり追跡を開始する・・・。

スタッフ

監督:ヤウ・ナイホイ
製作:ジョニー・トー、ツイ・シャオミン
脚本:ヤウ・ナイホイ、アウ・キンイー
編集:デビッド・リチャードソン
音楽:ガイ・ゼラファ
撮影:トニー・チャン
美術:レイモンド・チャン

キャスト

レオン・カーファイ
サイモン・ヤム
ケイト・ツィ
ラム・シュー
マギー・シュウ
チョン・シウファイ

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