シネマ歌舞伎『連獅子/らくだ』豪華2本立て上映

2008年/日本/カラー/「連獅子」57分、「らくだ」52分/ 配給:松竹

2008年12月27日(土)より、東劇ほか全国順次ロードショー

(c)2008松竹株式会社

公開初日 2008/12/27

配給会社名 0003

解説



現在絶賛上映中の『人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)』に続く、山田洋次監督によるシネマ歌舞伎第2弾『連獅子』。
2008年8月納涼歌舞伎で上演し、歌舞伎座を笑いの渦に巻き込んだ『らくだ』。

歌舞伎の美を堪能できる『連獅子』と、落語原作にして爆笑必至の『らくだ』。
お正月に相応しい獅子の舞と、らくだの初笑で2009年を迎えるべく、12月27日(土)より2本立てで公開します。

従来の歌舞伎ファンのみならず、安価かつ気軽に楽しめることで、歌舞伎の入門編としてもご好評いただいているシネマ歌舞伎ですが、美と笑いで対照的ともいえるこの2作品で、さらなる歌舞伎の多様性を感じていただけると思います。

※「連獅子」は初めてご覧になる方にも分かりやすいように、長唄歌詞の日本語字幕版付の上映も行います。

「連獅子」
河竹黙阿弥作詞による歌舞伎舞踊の人気演目のひとつ。2007年10月に新橋演舞場にて、親獅子を中村勘三郎、子獅子を実の息子である勘太郎、七之助が踊った舞台を、『人情噺文七元結』に続き、日本映画界の巨匠・山田洋次監督がシネマ歌舞伎にしました。今作では山田監督の意向により、シネマ歌舞伎史上初となる、舞台上に設置したカメラで舞台稽古を撮影し、客席からでは決して観ることのできない迫力ある映像が誕生しました。

親獅子が子獅子を千尋の谷に突き落とし、駆け上がって来た子獅子だけを育てるという故実を、実際の親子が演じることでことさらに感動がかき立てられます。クライマックスの白の毛の親獅子、赤い毛の子獅子による、息の合った豪快、かつ、華麗な毛振りは必見。

「らくだ」
傑作古典落語が題材の『らくだ』。2008年8月、勘三郎の久六と三津五郎の半次のコンビで、歌舞伎座を笑いの渦にした舞台が、早くもシネマ歌舞伎に登場!

フグに当たって頓死した通称“らくだ”の馬太郎。仲間の半次は、弔いの金を用立てようと、紙屑買いの久六に声を掛けるが、らくだの家には売るものは何も無い——。
困った半次は久六を家主のもとに使いに出し、通夜の酒肴を出さないと、死人を担いでカンカンノウを躍らせるぞと脅す。ところが家主は、らくだが死んだとあれば祝いたいと言い、その上死人のカンカンノウは見たことがないので初物を見たいものだと言いだす始末。これを聞いた半次はらくだの馬太郎の遺体を引き起こし、嫌がる久六に負ぶわせて、ふたりで家主のもとへ向かう……。

※「カンカンノウ」は、中国清朝時代の音楽「清楽」が元歌で、長崎の出島から伝来したらしい。「看看吓送奴個九連環」といった歌詞で、九連環とは知恵の輪。「見ておくれ、私がもらった九連環。どなたか解いてくださいな」が大意。唐人踊りと称し太鼓などの伴奏で踊るのが十九世紀前半の江戸、大阪で流行した。

■歌舞伎でも映画でもない新しいメディア シネマ歌舞伎とは?
シネマ歌舞伎は、歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映するという、松竹が開発した全く新しい映像作品です。
2003年春より開発に着手し、第一弾として2003年8月歌舞伎座で上演された野田秀樹・作・演出の新作歌舞伎『野田版 鼠小僧』を撮影、試行錯誤の末、初のシネマ歌舞伎として完成、2005年1月東京・東銀座の東劇での公開を皮切りに、京都、札幌、大阪、埼玉、新潟、福岡、名古屋ほかの全国主要都市で上映、約3万人の観客のみなさんに大好評を博しました。
また、同年9月には第43回ニューヨーク国際映画祭にも招待上映され、海外でも高い評価を得ております。第二弾以降は、坂東玉三郎の『鷺娘』、坂東玉三郎と尾上菊之助の『日高川入相花王』の二本立て(第2作/2006年4月15日公開)、同じく玉三郎と菊之助による『京鹿子娘二人道成寺』(第3作/2007年1月13日公開)、『野田版 研辰の討たれ』(第4作/2008年1月12日公開)、『ふるあめりかに袖はぬらさじ』(第5作/2008年5月31日公開)と続き、『人情噺文七元結』(第6作/2008年10月18日公開)では、日本映画界の巨匠・山田洋次が監督したことでも大きな話題を呼びました。
最新作は、山田洋次監督作品の第2弾である『連獅子』と、『らくだ』の二本立てでおくる7つめの公開作品となります。(※『らくだ』は山田洋次監督作品ではありません)

シネマ歌舞伎の最大の特徴は、「美」と「臨場感」と言えます。生の歌舞伎俳優はいませんが、まるで東京の歌舞伎座や京都の南座、大阪の松竹座で歌舞伎を観ているかのような「美」の感覚を再現し、また、芝居小屋での楽しさや感動を、世界中のどこであろうとスクリーンを観ているだけで味わっていただこうというのがこのシネマ歌舞伎です。映画とは大きくテイストの違う、新しい映像体験を楽しんでいただければ幸いです。

ストーリー

スタッフ

「連獅子」
作:河竹黙阿弥
監督:山田洋次

「らくだ」
作:岡鬼太郎
改訂・演出:榎本滋民

キャスト

「連獅子」
狂言師後に親獅子の精:中村勘三郎
狂言師後に子獅子の精:中村勘太郎
狂言師後に子獅子の精:中村七之助
僧蓮念:片岡亀蔵
僧遍念:坂東彌十郎

「らくだ」
紙屑買久六:中村勘三郎
家主女房おいく:坂東彌十郎
らくだ駱駝の馬太郎:片岡亀蔵
半次妹おやす:尾上松也
家主左兵衛:片岡市蔵
ちょうなめ手斧目半次:坂東三津五郎

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