原題:EI Orfanato

アカデミー賞外国語映画賞 スペイン代表作品 カンヌ映画祭批評家週間 カメラドール候補作品 ゴヤ賞 新人監督賞受賞/オリジナル脚本賞受賞/美術賞受賞/製作監督賞受賞/音響賞受賞/特殊効果賞受賞/メイクアップ&ヘアスタイル賞受賞 ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭 グランプリ受賞 バルセロナ映画賞 最優秀女優賞/最優秀美術賞/最優秀撮影賞/最優秀作品賞/最優秀編集賞/最優秀監督賞/最優秀サウンド賞 ポルト国際映画祭 最優秀女優賞受賞/最優秀監督賞受賞 Fotogramas de Plata賞 女優賞

2007年/スペイン/カラー/108分/ 配給:シネカノン

2009年05月22日よりDVDリリース 2008年12月20日、シネカノン有楽町1丁目・渋谷アミューズCQNほかにて公開

© Rodar y Rodar Cine y Televisión, S.L / Telecinco Cinema, S.A., 2006

公開初日 2008/12/20

配給会社名 0034

解説



海辺にある孤児院で育ったラウラ。30年後、閉鎖されていた孤児院を買い取り、障害を持つ子供たちのためのホームとして再建するために、夫カルロスと幼い息子シモンと移り住む。だが、古い屋敷の中で遊ぶ相手のいないシモンは空想上の友だちを作り、日に日に子供じみた空想を広げ、まるで本当に友だちがそこにいるかのように話す様子にラウラは不安を覚えていく。同時に、そんなシモンの話を聞くうちにラウラ自身も子供時代の思い出が甦り、不思議な感覚にとらわれていく。そして、いよいよホームのオープンを控えたパーティーの日、シモンが忽然と姿を消してしまう。怪しい老女の訪問、広大な屋敷の中に突如響き渡る大きな物音や何者かのいる気配…胸騒ぎを覚えたラウラは必死に我が子の行方を捜すのだったが…。

古く広大な屋敷を舞台に起る事件と、突然に消えた我が子の行方を捜す母親の深く強い愛のドラマが交錯し、衝撃のラストでは誰もが涙を誘われる『永遠のこどもたち』。ニコール・キッドマン主演の『アザーズ』や、ブルース・ウィリス主演の『シックス・センス』を彷彿とさせる本格スピリチュアル・ムービーがスペインから登場。本国スペインでは大ヒットを記録した本作を監督したのは、短編映画やCM、ミュージックビデオなどで活躍してきた新進気鋭のJ.A.バヨナ。そして、彼の類稀な才能に早くから目をつけ、本作の製作に当たったのは『パンズ・ラビリンス』の監督で独特な世界観を描き出したダークファンタジーの鬼才ギレルモ・デル・トロ。ギレルモが見抜いた通りの才能を発揮して作られたこの『永遠のこどもたち』は、08年スペイン映画界のアカデミー賞に当たるゴヤ賞で、スペイン映画史上初の14部門ノミネートに輝き、脚本賞、新人監督賞、美術賞など7部門で受賞したほか、アカデミー賞外国語映画賞スペイン代表作品にも選ばれるなど、高い評価を得ることになった。

主演のラウラには、アレハンドロ・アメナバール監督作の『海を飛ぶ夢』での好演が知られるベレン・ルエダ。思い出深い古い館に住み、家族と障害を持った子供たちのための施設を作る夢に胸躍らせていたはずが、息子シモンの失踪で突如、不幸のどん底に突き落とされながらも、シモンが生きていると信じ、探し続ける母の愛の強さを見事に体現している。また、チャップリンの娘で名女優のジェラルディン・チャップリンが霊媒師の役で格調高い演技を披露し、謎めいた印象を残しているほか、スペイン映画界で活躍している俳優たちが顔を揃えている。

ストーリー

海辺にある孤児院で仲の良い友だちに囲まれ
幸せな子供時代を過ごしたラウラ。

30年後、ラウラは長い間、閉鎖されていた孤児院を障害を持つ子供たちのためのホームとして再建するために買い取り、医師である夫のカルロスと7歳の息子シモンと移り住んでいた。施設の開園に夢膨らませるラウラはシモンが古い屋敷の中でたった一人の寂しさから空想上の友だちを作って遊んでいることに不安を覚える。だが、難病を抱えたシモンが友だちとのことを嬉しそうに話す姿にラウラはシモンを叱る気にはなれなかった。むしろ、そんなシモンを見て、自分の子供時代を思い出し、かつてみんなで遊んだ海辺にある洞穴に家族で出かけたりして過ごしていた。

そんなある日、開園準備に忙しいラウラを一人の老女が訪ねてくる。ソーシャルワーカーのベニグナと名乗るその女は誰も知らないはずのシモンの病気のことや、シモンが養子であることなど、ぶしつけに話し始める。ラウラは薄気味悪くなり、追い払う。だが、その夜、屋敷の庭にある物置小屋から老女らしき影が出てくるところを見かけたラウラは恐怖にとらわれる。一方、シモンの空想上の友だちとの遊びはエスカレート。トマスと名前までつけて絵に描いて見せたり、宝探しごっこをしたり。施設が開園して、子供たちがやってくれば、そんな遊びは止むだろうと思っていたラウラも次第に不安に駆られていく。

それから数日後、施設への入園希望者を集めたパーティーの最中、忙しくしているラウラの気を惹こうと騒ぎ出したシモンを思わず叱りつけてしまう。怒られたことですねてどこかへ行ってしまったシモン。ふと気になって、ラウラはシモンを探すが、代わりに現れたのは顔を奇妙なマスクで覆った子供。その子供のいたずらでバスルームに閉じこめられてしまう。ようやく外に出たラウラはシモンを探して屋敷はもちろん海辺の洞穴も探すが、まるで神隠しにあったかのようにシモンは忽然と姿を消してしまう。

警察も捜査に乗り出すが、シモンの行方は全くわからないまま、半年が過ぎていた。ラウラとカルロスは相変わらず望みをつないで、捜索を続けていたが周囲の人々は難病を抱えるシモンはもう死んでいると思っていた。だが、シモンが生きていると信じているラウラはしんと静まり返った屋敷の中で聞こえる物音や気配にますます敏感になり、誰かがいると言ってはカルロスを当惑させるようになっていく。

そんなある日、カルロスの運転で街に買い物に出かけたラウラは乳母車を押して歩くベニグナを見つける。きっと彼女がシモンの行方を知っているに違いない……。声をかけようとした瞬間、目の前でベニグナは事故に遭い、命を落とす。そして警察によって、ベニグナの部屋から1枚の写真と古い8ミリフィルムが発見される。実はベニグナはラウラが過ごした孤児院の職員だったのだ。ラウラにとって孤児院での日々は素敵な思い出だったが、彼女が他家へ養女としてもらわれて行った後、孤児院で悲惨な出来事があったことを初めて知らされる。
ベニグナには顔が醜く崩れた子供がいた。その子は人目を避けて育てられていたと知らされる。そして家に帰り、古い8ミリフィルムを見たラウラは映像の中に若い日のベニグナと彼女の息子の姿を見つける。その姿を見て、ラウラは驚愕する。ベニグナの息子こそ、シモンがいなくなった日にラウラをバスルームに閉じ込めた子供だった。そして、その名前はトマスだったのだ……。

スタッフ

監督:J. A. バヨナ
脚本:セルヒオ・G・サンチェス
プロデューサー:ギレルモ・デル・トロ
編集:エレナ・ルイス
美術:ジョセップ・ロセル
音楽:フェルナンド・ベラスケス
音響:シャビエル・マス
特殊効果:ジョルディ・サン・アグスティ(インファニア)  
衣装:マリア・レイジェス
メイク:ローラ・ロペス
特殊メイク:DDT

キャスト

ベレン・ルエダ
フェルナンド・カヨ
ロジェ・プリンセプ
マベル・リベラ
モンセラット・カルージャ
アンドレス・ヘルトルディス
エドガー・ビバル
ジェラルディン・チャップリン

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