原題:GOYA'S GHOSTS

それは、立ち入り禁止の、愛。 絵筆が暴く、2人の愛の裏側── 2枚の肖像画に描かれた 少女と神父の数奇な運命とは?

2006年/アメリカ映画/カラー/ビスタ・サイズ/ドルビーDTS/114分/字幕翻訳:松浦美奈 提供:ベルテック株式会社 配給:株式会社ゴー・シネマ 配給協力:ぴあ株式会社 宣伝:レオ・エンタープライズ株式会社

2009年04月22日よりDVDリリース 2008年10月4日、スバル座、渋谷東急、新宿ミラノほか全国ロードショー

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公開初日 2008/10/04

配給会社名 0943

解説


2度のアカデミー賞に輝くミロス・フォアマン監督が、
スペインの天才画家ゴヤの目を通して、
愛の真実に迫る問題作!

絵筆が暴く、愛の裏側──
2枚の肖像画に描かれた少女と神父の数奇な運命とは?

 天才画家ゴヤが描いた2枚の肖像画──天使のように清らかで美しい少女イネスと、威厳に満ちた神父ロレンソ。肖像画が完璧な出来栄えで完成したその時、2人の運命はゴヤでさえ予想しなかった道をたどり始める。まさか、違う世界に生きる2人が、危険な愛に踏み込んでしまうとは──。
 時は18世紀末から19世紀初め、内外の動乱に揺れるスペイン。ゴヤは国王カルロス4世の宮廷画家に任命される。王妃からも気に入られ、芸術家の最高位に上りつめたゴヤだが、一方で貧しい人々を描き続け、権力や社会を批判する絵画や版画を制作していた。彼にとって絵筆は、人間の真実を見つめ、嘘や不正を暴く武器なのだ。ある日突然、ゴヤにとってはミューズのような存在であるイネスが、無実の罪で囚われてしまう。彼女を救おうとしたゴヤが見た“真実”とは──?
 『カッコーの巣の上で』『アマデウス』で、2度のアカデミー賞監督賞に輝く巨匠ミロス・フォアマン監督が最新作に選んだテーマは、“激動の時代のスペイン”と“宮廷画家ゴヤ”。しかし、この作品は歴史ものでなければ、ゴヤの伝記映画でもない。フォアマン監督は、18世紀末のスペインに、過去の歴史ではなく現代を見た。価値観が移ろいやすく先行きが不安な時代の空気が、驚くほど似ているというのだ。さらにフォアマン監督は、常に人間の真の姿を見極めようとしたゴヤの目を借りた。その目で、今を生き抜くために、本当に必要なものは何かを見出そうとしたのだ。
 『宮廷画家ゴヤは見た』は、私たちもゴヤの目を借りて、神父と少女のスキャンダラスな愛の行方と数奇な運命を見つめれば、やがて人間の真実と愛の本質にたどり着ける感動の物語なのだ。

スペインとハリウッドの美しき融合──
今最も注目されるオスカー俳優とハリウッド女優の華麗なる競演!

 フォアマン監督が、フランスを代表する脚本家ジャン=クロード・カリエールと共に、ゴヤの時代の様々な事件をリサーチして生み出したキャラクター、ロレンソ神父とイネスには、今最も輝く2人の俳優が選ばれた。
 ロレンソには、『ノーカントリー』で本年度アカデミー賞助演男優賞を獲得したハビエル・バルデム。究極の悪役から実在の人物、ノーベル賞作家の文芸大作まで、様々な役柄になりきる演技力は、世界中の俳優を見渡しても、唯一無二の存在だ。愛、欲望、信条……その生き方すべてに多面性を持つロレンソという複雑な役柄に扮するのは、彼以外には考えられない。
 イネスを演じるのは、ナタリー・ポートマン。『クローサー』でアカデミー賞にノミネートされた確かな演技力と、『スター・ウォーズ』3部作などの大作で魅せる華やかな存在感で、今やハリウッドのトップに躍り出た若手女優の代表格だ。無垢な少女が、無実の罪で心を壊されながらも、命ある限り愛に生きようとするその姿は、観る者の胸を打たずにいられない。
 ゴヤに扮するのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのステラン・スカルスガルド。何ものにも属さないアーティストの自由な魂と、何ものにも屈しないジャーナリストの厳しい目を持つゴヤ。200年以上の時を経ても、彼の作品が世界各国で愛されている理由を、演技で解明することに挑戦した。
 スタッフは、スペインを知り尽くした者と、フォアマン監督が信頼を寄せる者の混合チームとなった。歴史を刻んだスペインの街並を、すべてロケーションで捉えた撮影監督は、『アザーズ』のハビエル・アギーレサロベ。スペインのアカデミー賞に相当するゴヤ賞を6回受賞している。美術は、『アマデウス』でアカデミー賞を受賞した、パトリツィア・フォン・ブランデンスタイン。また、衣装デザイナーは、『ニコライとアレクサンドラ』で同賞を獲得したイヴォンヌ・ブレークが手がけている。
 2008年秋、天才画家ゴヤが、あなたの目を開く──!

ストーリー










それは、立ち入り禁止の、愛──

出逢い──天使の微笑みを持つ少女
 スペイン最高の画家と讃えられ、国王カルロス4世の宮廷画家に任命されたフランシスコ・デ・ゴヤ(ステラン・スカルスガルド)。芸術家としての最高位に上りつめた彼はしかし、王妃の肖像画を描く以上の情熱で、貧しい人々を描き、腐敗した権力者を攻撃する版画を制作していた。
 1792年、マドリード。ゴヤが今、描いているのは、2枚の肖像画。1枚は、天使のように無垢な少女、イネス(ナタリー・ポートマン)。裕福な商人トマス・ビルバトゥア(ホセ・ルイス・ゴメス)の娘で、ゴヤとは家族ぐるみの友人だ。もう1枚は、初めて依頼されたロレンソ神父(ハビエル・バルデム)。神父はゴヤのアトリエで見た、絵の中のイネスの美しさに心を動かされる。

欲望──無実の罪で囚われた少女
 カトリック教会は、国王の監督の下、異教徒や無神論者を罰する権限を持っていたが、近年ではほとんど機能していなかった。教会の力を復活させようというロレンソの提案で、異端審問が強化されることになる。
 突然、イネスが審問所から出頭命令を受ける。居酒屋で豚肉を嫌がったために、ユダヤ教徒だと疑われたのだ。トマスに頼まれたゴヤはロレンソに、肖像画の代金と修道院の修復費を引き換えにイネスの解放を願う。
 ロレンソが異端審問所を訪ねると、イネスは既に拷問を受けていた。彼は、脅えるイネスを慰めるうちに欲望に負け、彼女を強く抱きしめるのだった。

告白──異教徒と認めた少女と、サルだと認めた神父
 トマスは屋敷での豪華なディナーに、ロレンソを招待する。和やかに始まったその席で、イネスが拷問に耐えかねてユダヤ教だと嘘の告白をしたと知った家族とゴヤは、激しいショックを受ける。裁判にかけるというが、認めたからには釈放はあり得ない。
 罪がなければ、痛みに耐える力を神がお授けになる──そんな教会の愚かな主張を覆すべく、トマスはロレンソを天井から吊るし、自分はサルだという告白書にサインさせる。娘が戻れば、すぐに燃やすと約束して……。
 しかし、異端審問所長(ミシェル・ロンズデール)は非情だった。寄付金はありがたく受け取るが、教会の権威のために例外は認められないというのだ。

別れ──動乱のスペイン、激動の運命
 イネスが戻る気配はなく、トマスはロレンソの告白書をカルロス4世に託す。ロレンソは国外へ逃亡、人々の前から姿を消す。イネスは、自分に逢うために度々やって来るロレンソだけが頼りだったが、その日を境に外界との繋がりが途絶えてしまう。
 1793年、時代は今、大きな転換期に突入していた。フランスでは革命が起こり、カルロス4世の従弟に当たる国王ルイ16世と、王妃マリー・アントワネットが断頭台に消えた。

再会──翼が折れた女と、魂を売った男
 それから、15年──。革命後、フランス皇帝となったナポレオンは絶頂期を迎え、ヨーロッパ中を侵略していた。スペインの内紛にも介入し、自分の兄ジョゼフをスペイン国王に任命、絶大な権力を掴む。ゴヤは病で聴力を失くしつつあったが、相変わらず世の中の真実だけはハッキリと見えていた。「自由・平等・友愛」を旗印にしながら、そのスローガンの陰でスペインの民衆を虐殺するナポレオン軍の正体は、占領者でしかないと──。
 遂にゴヤは、片時も忘れたことのないイネスと再会する。異端審問が廃止され、囚われた人々が解放されたのだ。しかし、15年の歳月は、天使から輝く翼をもぎ取っていた。一方、ロレンソはナポレオン政府の大臣となり、意気揚々と帰国する。

イネスの口から発せられた、驚くべき言葉。
真相を確かめるために、ロレンソを訪ねるゴヤ。
今、愛の裏側が、暴かれようとしていた──。

スタッフ

監督:ミロス・フォアマン
脚本:ミロス・フォアマン、ジャン=クロード・カリエール
製作:ソウル・ゼインツ
製作総指揮:ポール・ゼインツ
共同製作:デニース・オデル
共同製作/ライン・プロデューサー:マーク・アルベラ
撮影監督:ハビエル・アギーレサロベ(A.E.C.)
美術:パトリツィア・フォン・ブランデンスタイン
編集:アダム・ブーム
衣装デザイナーケ:イヴォンヌ・ブレーク
音楽:ヴァルハン・バウアー

キャスト

ロレンソ神父:ハビエル・バルデム
イネス・ビルバトゥア/アリシア:ナタリー・ポートマン
フランシスコ・デ・ゴヤ:ステラン・スカルスガルド
国王カルロス4世:ランディ・クエイド
トマス・ビルバトゥア:ホセ・ルイス・ゴメス
異端審問所長:ミシェル・ロンズデール
マリア・イザベル・ビルバトゥア:マベル・リベラ

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