鉄オタ高校生×学校のマドンナ×落ちこぼれの不良=?! 深夜の学校で「身代金誘拐事件」の犯人として立て篭もり中!!

2008年/日本/カラー/107分/ 配給:バイオタイド

2009年02月18日よりDVDリリース 2008年10月4日(土)より、渋谷シアターTSUTAYA、シネマート新宿にてロードショー、ほか全国順次公開

(c)2008「僕らの方程式」製作委員会

公開初日 2008/10/04

配給会社名 0330

解説


鉄道模型をこよなく愛する筋金入りのオタク3人組と、頭は弱いが女子にはモテモテのイケメン2人。同じ高校に通っていながら、交わることも理解し合うことも“絶対に”ない人種だ。そこになぜかメジャーデビューを目指すバンドマン2人と、学園一のマドンナ美少女が加わり、あれよあれよという間に学校立てこもりの犯人に仕立て上げられる…!?偶然が偶然を呼び、もはや必然とも思える最高にスリリングな一夜。それぞれの思惑から、真夜中の学校に偶然居合わせた8人。そんな彼らが、否応なしに事件に巻き込まれていく“巻き込まれ型密室劇”としての面白さに加え、たった一晩の間で彼らの関係が大きく変化し、最終的には人間としての成長さえ感じさせるという奥深さ。どこか演劇のメソッドを感じさせる秀逸な脚本は、「ありえないだろ!」と「あるかも…」の間の絶妙なリアリティを器用に掬い取り、奇想天外とは決して言い切れない説得力を持たせることに成功した。軽妙なストーリーテリングと、フレッシュなキャストたちの熱演も好相性。 その結果、いわゆる“イケメン映画”とは全く一線を画する作品に仕上がっている。

本編で注目すべきは、フレッシュなキャストたちのかっこ良さというよりも、彼らの演技そのもの。これまで王子キャラを華麗に演じてきたイケメンたちが、あえてそのキャラをかなぐり捨て、完全な秋葉系オタクになりきっているのだ。主演の中村優一は、『仮面ライダー電王』シリーズで人気急上昇中の正統派美形俳優。本作以外にも映画『同級生』、『体育館ベイビー』、『シャカリキ!』など公開作が続くが、ここまでパブリックイメージを崩してきたキャラクターはおそらく初だろう。自慢の(?)もみあげもバッサリ切り落とし、好きな女子の目もまともに見られない挙動不審のオタク男子=下倉心平を嬉々として演じ、新境地を開拓している。心平とは鉄道を愛するという心で強く結ばれた、加藤トミオを演じる相葉弘樹のオタクぶりも負けずと素晴らしい。「メイド喫茶に行って役作りをした」と公言している相葉は、ミュージカル『テニスの王子様』や、映画『カフェ代官山〜Sweet Boys〜』などに出演してきた正真正銘の“王子キャラ”。だがサラサラヘアーをびっちり七三に分け、早口でまくしたてる姿は…まさにオタク!もう1人のオタク仲間、長谷川ユウキ役=兼子舜も映画『幸福な食卓』、『ちーちゃんは悠久の向こう』など着々とキャリアを積んできた美形俳優だが、本作では鉄道はもちろんカメラをも偏愛するオタクとして強烈な存在感を示す。3人とも大好きな鉄道の話になると急に生き生きし始めるキラキラした瞳が、やたらとリアル!? 
そんな3人が、“椿姫”と崇め熱い想いを寄せるヒロイン=園田椿に新星・中別府葵。モデルも務める173cmのスラリとした体躯になびく黒髪は、エキゾチックな美貌とあいまって、男子たちのハートをわしづかみにするに十分だ。そしてオタクたちをあざ笑い、敵視するイケメン2人=吉川ワタル&横松タカフミに、桐山漣、三浦涼介がそれぞれ扮する。桐山は相葉同様、ミュージカル「テニスの王子様」や映画『カフェ代官山〜Sweet Boys〜』などに出演している若手注目株だが、今回は端正なマスクに反してかなりのヤンチャキャラ。だが、どこか憎めないおバカな若者を好演している。対する三浦は長いキャリアを裏付ける確かな演技力で、少女漫画から抜け出してきたような憂いをまとった美少年がはまり役だ。
そんな高校生の彼らとは全く接点がないにも関わらず、なぜか共に篭城するハメになるミュージシャン志望の若者2人——車田哲弥&吉村カシワ役に、実際もHONEY L DAYS(ハニー・エル・デイズ)として活躍するKYOHEIと東山光明。03年頃から本格的に活動を始めた2人には、既に多くの熱狂的な固定ファンが存在するが、なんとこの作品の主題歌でメジャーデビューを飾る。2人とも映画初出演ながら、それを感じさせない演技力。それもそのはずで、東山・KYOHEIともに舞台などでもすでに活躍中。さらにKYOHEIは本作に音楽監督としても参加していて、主題歌・挿入歌だけでなく劇版もすべて彼の作曲だ。物語の中でも重要なポイントになるので、要チェック。
この若き8人を支えるバイプレイヤーにも個性的、かつ実力派が揃う。事件当日、学校にいながら一人最後まで蚊帳の外のヘンテコ教師=秋島了を好演するのが永山たかし。緊迫したムードに笑いのエッセンスを、絶妙なタイミングで注入してくれる。そして刑事役といえばこの人!?日出原和男刑事役に、柳沢慎吾。普段は、タバコの箱でモノマネする彼が、今回は本物の無線機に持ち替え、渋い刑事役を熱演。俳優として真摯な姿を見せ画面をピリリと引き締めているのはさすが!

脚本は舞台演出、脚本家など多才な顔を持つ岡本貴也。理系出身らしく、緻密に計算され尽くした構成、加えて軽妙なユーモアセンスには定評のある脚本家だ。舞台『スイッチを押すとき』で、本作に出演している数名の俳優とすでに組んでおり、確固たる信頼関係を築いている。監督は『ガチャポン』で鮮烈な長編デビューを果たした内田英治。『しあわせなら手をたたこう』、『TOPLESS』、『地球でたったふたり』など、現代に生きる若者たちのリアルな日常を描く手腕にたける注目の新鋭が、フレッシュな俳優陣からナチュラルな芝居を引き出す。

ストーリー



鉄道研究部に所属する高校生・心平(中村優一)は、翌日に控えた鉄道模型コンテストのため、オタク仲間のトミオ(相葉弘樹)、ユウキ(兼子舜)らと共に、最後の仕上げに取り掛かっていた。だが、どこか上の空の心平。実は3人が陰で“椿姫”と崇めている学校一の美少女・椿(中別府葵)に、一大決心で想いを伝えるラブレターを渡したばかりだったのだ。放課後、正門前に彼女を呼び出した心平の頭の中は、椿のことでいっぱいだった。しかし当の椿は、なぜか朝から浮かない顔…。
そんな心平の胸中など知るはずもなく、夢中で模型の仕上げ作業に没頭するトミオとユウキ。半年もかけた模型は、かなり精密に作りこまれた完成度の高いものだ。だが、その模型にバスケットボールが直撃!犯人は、女子の羨望の的のイケメン2人組=ワタル(桐山漣)&タカフミ(三浦涼介)。無残に壊されたジオラマを見ても全く反省の色のない2人に、トミオは果敢に立ち向かうがあっけなく倒されてしまう。やむなく3人は、夜を徹して学校に居残り修復作業をすることに…。
そんな傍若無人なワタルとタカフミの頭を悩ませているのが、留年をかけた追試問題だった。顔はいいが、かなり頭の出来の悪い2人。追試で及第点を取るのが無理と悟った2人は、夜中に職員室に忍び込みテストの問題を盗むという(安易な)作戦を立てるのだった。
教師の秋島(永山たかし)は、秘かにバンドマンに憧れる(?)一風変わった高校教師。トミオとユウキに追試を言い渡したものの、友達のバンドマン・カシワ(東山光明)から急遽、ライブの代打を頼まれ二つ返事で引き受けてしまう。追試の監督を他の教師に無理矢理押し付け、自分はカシワと2人、夜中の学校で猛練習をするはずだったが…。一方のカシワは、共にプロデビューを夢見てきた相棒の車田(KYOHEI)が、ライブ前日に突然失踪。やむなく素人の秋島に代打を頼んだという裏事情があった。果たして哲弥はどこに消えたのか…?
一方心平は、手紙に書いた通り椿が来てくれたことに有頂天。唖然とするトミオ&ユウキを尻目に、憧れの椿を前に得意の鉄道ネタを披露するなど上機嫌だ。だがやはり、椿の様子はどこかおかしい。

それぞれの事情で、真夜中の学校にひっそり居残った彼ら。だがその日、学校の外では大変なことが起こっていた。なんと椿の自宅に「お前の娘は預かった。3千万円用意しろ」という脅迫状が届いていたのだ!犯人と思しき謎の男の指示通り、身代金を持って奔走させられる椿の父(三上市朗)、そしてその一部始終を見守る日出原刑事(柳沢慎吾)を筆頭とする、精鋭の警察官たち。犯人に導かれるまま高校に向かう椿の父だったが、途中、マヌケな林巡査(渋川清彦)と遭遇し、不審者扱いされたりと散々な目に…。そして巡査に妨害されつつもようやく真夜中の高校に到着した彼は、たまたま居残っていた心平&トミオ&ユウキ、ワタル&タカフミらを誘拐犯だと勘違い。またたく間に、彼らは大人たちによって高校に篭城する立てこもり犯に仕立て上げられてゆく。ついにはバンド練習のために残っていたカシワ、そしてなぜか突然現れた車田も巻き込んで、事態は思わぬ方向へ暴走し始めた!それぞれの事情と恋と事件とが絡み合い、どんどん大事(おおごと)になっていく彼らの運命は、“偶然”を飛び越えてはたしてどこへ向かっていくのか…?!

スタッフ

監督:内田英治 
脚本:岡本貴也

エグゼクティブ プロデューサー:木村元子、三宅容介、林尚樹、?橋幸正 
プロデューサー:米田理恵 堀尾星矢
企画・原案:米田理恵、木村元子、岡本貴也   
音楽:KYOHEI 
撮影:八重樫肇春 
照明:原春男 
美術:木村文洋 
録音:深田晃 
記録:山本明美
衣装:冨樫理英
メイク:武部千里 
助監督:小美野昌史 作
編集:太田義則 
スチール:アライテツヤ 
メイキング:スタイルゼロ 
     
主題歌:「Center of the World 」Honey L Days
挿入歌:「The meaning of that happiness」Honey L Days
    「そばにいたい」宮脇詩音   
    「二人だけのHappy Birtday」Honey L Days with ボクシキメンバー 

キャスト

中村優一
中別府葵
相葉弘樹
兼子舜
桐山漣
三浦涼介
永山たかし
KYOHEI
東山光明
渋川清彦
三上市朗
柳沢慎吾

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