パークアンドラブホテル
原題:ASYL
その街の ラブホテルの屋上には 小さな公園が ありました
2008年ベルリン国際映画祭 最優秀新人作品賞受賞 2009年イタリア・ミラノ映画祭"近代日本映画特集"上映作品
2007年/日本/カラー/111分/ 配給:マジックアワー
東京 2008年4月26日(土)より、ユーロスペースにてロードショー 大阪 第七藝術劇場、愛知 名古屋シネマテーク ほか全国順次公開
(C)PFF パートナーズ
公開初日 2008/04/26
配給会社名 0651
解説
主人公は初老の女性、艶子。少々くたびれかけたホテルのオーナー。
ホテルの屋上には小さな公園が作られていました。そこは老人や子どもが次々と訪れる憩いの場所、都会生活の中で束の間、気持ちが癒される心の解放区。いつからあるのか、誰が作ったのか知る者のいない不思議な空間でした。公園に迷い込んできた様々な世代の女性たちと、つましく暮らす女性オーナーとの心の交流を優しい眼差しで見つめたこの映画は、PFFアワード2005に入選し、審査員特別賞・企画賞・クリエイティブ賞の3賞に輝いた期待の俊英、熊坂出の長編デビュー作。
59歳のヒロイン艶子を凛とした美しさで演じるのはアーティスト/女優のりりィ。彼女の圧倒的な存在感がスクリーンを引き締め、自身初の本格的主演作となっています。さらに、脇を固める出演者たちも、TV・ラジオ・出版等の活躍で同世代から絶大な支持のある、ちはるが孤独な主婦をリアルに演じ、京阪電鉄のキャンペーン・ガール“おけいはん“に大抜擢された神農幸などフレッシュな顔合わせが実現。
ストーリー
バックパックを背負い髪を銀色に染めた少女、美香はポラロイドカメラで目につくものを撮影しながら街を彷徨っていた。
見知らぬ街角に建つ少しくたびれたラブホテルのそばを通りかかると、彼女は不思議な光景に出くわした。老人や子供たちが次々とホテルに入っていくのだ。美香は彼の後に続いてみる。驚いたことに、その屋上には滑り台やブランコ、ベンチが置かれ、皆が思い思いに自由な時間を過ごしていた。
その夜、ラブホテルのオーナー、艶子が行き場のない美香を見兼ねて寝床を提供。
美香は艶子に何かと生意気な口をきくが、艶子は彼女が心に深い孤独を抱えていることを見抜いていた。
毎朝、日課のように艶子はホテルの前の道を丁寧に掃いてまわる。16年間、毎日この道をウォーキングしながら通り過ぎる若い女性とは、ただ「おはようございます」と挨拶を交わすだけの仲だったが、ある日突然彼女、月が「ここで働かせてください」と頼んでくる。月もまた何か人に言えない事情がありそうだった。
ラブホテルの常連マリカは、金属製のアタッシュケースを手に毎回別の男とホテルにやってくる変わった女。フロントで艶子に威張り散らすマリカだが、偶然にも艶子“ある秘密”を知ってしまい、その内容と引き換えに自分の“秘密”を艶子に伝えようとする。
それぞれの胸の内に深い孤独と絶望感を秘めた女たちと、それらを優しく包み込む艶子の存在。互いの心が鏡のように共鳴しあい、やがてラブホテルの屋上の小さな公園から人生を肯定する喜びが溢れ出す。
スタッフ
監督・脚本:熊坂出
製作:矢内廣、加藤嘉一、武内英人、高野力、林瑞峰、千葉龍平
プロデューサー:天野真弓
脚本協力:渡邊純也
撮影:袴田竜太郎
照明:舘野秀樹
録音:加藤大和
美術:松塚隆史
編集:普嶋信一
音楽:日比谷カタン
記録:中西桃子
キャスト
りりィ
梶原ひかり
ちはる
神農幸
津田寛治
光石研
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