原題:The Incredible Hulk

変身する決意こそ「愛」 哀しきヒーロー、ハルクの愛の物語。

全米公開:2008年6月13日

2008年/アメリカ映画/スコープサイズ/全7巻/3,074m/上映時間:1時間52分 SDDS SR*D SR 字幕翻訳:松浦美奈/吹替翻訳:桜井裕子/字幕スーパー版/日本語吹替版 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

2010年05月26日よりDVDリリース 2008年8月1日(金)よりスバル座ほか全国夏休みロードショー

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公開初日 2008/08/01

配給会社名 0042

解説


インクレディブルNEWハルク
心拍数が上昇し、アドレナリンが体内を駆けめぐるとともに変異する肉体。グリーンの肌、隆起する筋肉、そして超人的な体力・・・。自身が全く望んでいないこの変身は、科学者ブルース・バナーに過酷な運命を背負わせ続けた。『スパイダーマン』シリーズを生んだマーベル・コミックから1962年に原作が出版されて以来、常に、怒りキャラ、キレキャラとして親しまれていたハルクが本作で劇的な進化を遂げる。ハルクの「力」を恐れ、嫌い、封印し、逃亡者として隠遁生活を余儀なくされていたブルースが「決意」する−自分を失う恐怖を捨て、自らの意思で変身することを。この、あえてハルクになるというブルースのポジティブな覚悟が、ネガティブなキャラで知られていたハルクを進化させ、ニューヒーロー「インクレディブル・ハルク」を誕生させた。

インクレディブルLOVEストーリー
本作でブルースが自らハルクに変身する要因こそ、恋人ベティの存在だ。彼女に危機が迫る時、自分を失う恐怖より、彼女を失う恐怖が上回るのだ。またベティも、モンスターの様なハルクの容姿に隠された、ブルースの傷ついた心に触れ、本当の彼自身を受け入れる。彼女の深い理解が、彼を救い、ハルクとなってしまう皮肉な運命を受け入れるのだ。ベティのために良心に従って闘うこと=正しいことをしようとするブルースの決意は、観る者の心を激しく揺さぶるに違いない。エモーショナルという点では、本作はまぎれもなく重厚なラブストーリーと言えるだろう。

インクレディブルBIGムービー
現在、世界的メガヒットでセンセーションを巻き起こしている『アイアンマン』とともに、この夏マーベル・スタジオが放つ『インクレディブル・ハルク』。6月13日に全米で公開され、週末3日間で興行収入5450万ドルを突破し、初登場ナンバー・ワンの最高のオープニングを飾った“インクレディブル(驚くべき、信じられない)”な本作。そのキャストもBIGスターが名を連ねた。主人公ブルース・バナーに扮するのは、『真実の行方』『アメリカン・ヒストリーX』で2度のアカデミー賞にノミネートされたエドワード・ノートン。役を演じるのみならずクリエイティブな面でも積極的に作品と関わることで知られる彼は、本作ではキャラクター作りだけでなく脚本にもアイデアを提供。そんな彼の意欲的な姿勢からも本作の確かな手応えは想像できるであろう。また、ブルースの運命を決定づけるヒロイン、ベティには『アルマゲドン』『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズと、メガヒット作に欠かせない存在となったリヴ・タイラー。また、ブルースの宿敵となる特殊部隊員ブロンスキーに扮するのは、ノートンと同様に監督の経験もある演技派俳優、ティム・ロス。執拗にブルースを追いつめるロス将軍役には、ベテラン・アカデミー賞俳優、ウィリアム・ハートが扮している。それぞれに出演作にこだわりを持つ豪華な布陣が、本作をさらに“大きく”している。

インクレディブルLASTシーン
本作にはさらなる驚きが、ラスト・シーンに用意されている。それはロバート・ダウニーJR.が映画『アイアンマン』(9/27全国公開)の主人公トニー・スターク役で特別出演していることだ。『インクレディブル・ハルク』と『アイアンマン』の関係をどう占うか?今後のマーベル・スタジオ作品のフランチャイズ展開はますます見逃せなくなってきた。マーベル・コミックのヒーロー達は、今や原作や過去の映像化作品を超越し、熱く激しく生まれ変わり、観客のハートを鷲づかみにして揺さぶりをかける。

ストーリー




この「力」を使う─
お願いだから、僕を信じて欲しい。

 科学者ブルース・バナー(エドワード・ノートン)は、ロス将軍(ウィリアム・ハート)の命を受け、人体への放射線抵抗を研究していたが、研究実験の事故で多量のガンマ線を浴びてしまう。それ以来、怒りを感じて心拍数が200を超えると、アドレナリンの分泌とともに約2.7メートルもの巨大な緑色のモンスター=ハルクに変身する特殊な体質となってしまっていた。
 ロス将軍は彼の体質に注目し、その血清を軍事実験に利用すべく、執拗にブルースの後を追い続けていた。ブルースは彼らの追跡の手を逃れ、遠くブラジルに潜伏しながら、怒りを制御する方法を学びつつ、自らの治療薬開発に取り組んでいた。元の体に戻るための方法を模索し続ける中、ブルースは“ミスター・ブルー”なるハンドルネームを持つ、一度も会ったことのないアメリカの科学者にインターネットを通じてコンタクトをとり、自身の細胞の秘密を解き明かそうとする。しかし、光明が見えかけた矢先、彼の居場所を割り出したロス将軍は、特殊部隊員エミル・ブロンスキー(ティム・ロス)率いる軍を現地に送り込む。たちまち軍隊に包囲され、暴行を受けるブルース。そのとき彼の心拍数は上昇し、体に異変が起こる。別人格=ハルクが目を覚ましたのだ。たちまち部隊を蹴散らしたハルクはどこかへと消えてゆく。
 ブロンスキーには、目の前で起こったことが到底、信じられないでいた。ハルクの圧倒的なパワーに魅了された彼は、自らもこの「力」を得ようと軍の極秘研究である“スーパー・ソルジャー計画”(=第2次大戦中から進められていたバイオ・テクノロジーを用いた歩兵兵力開発・強化計画)に志願する。かつてブルースがハルクとなってしまった事故の真の目的は、この軍の計画の一環だったのだ。
 “ミスター・ブルー”の研究の成果を頼りに、ブルースは5年ぶりに密かにアメリカ国内へ戻る。まず誰よりも会いたい人がいた。かつて同じ研究室に在籍し、愛を確かめ合った女性、そしてロス将軍の愛娘でもあるベティ(リヴ・タイラー)だ。彼女は何も言わずに目の前から消えたブルースのことを思い続けながらも、バージニア州のカルバー大学で細胞生物学の博士として働きながら、新しい恋人、レナード(タイ・バーレル)と交際していた。
 科学者である彼女と医師のレナードは、傍目から見ても理想のカップル。自分の出る幕はないと感じたブルースは去ろうとするが、ベティは最愛の男性の姿を見逃さなかった。再会を果たし、抱き合うふたり。
 しかしロス将軍とブロンスキーの追跡の手は、すぐそこに迫っていた。「ブルースを逃してほしい」という愛娘ベティの哀願も耳に入れず、ロス将軍は厳重な包囲網を敷いて大学内にブルースを追いつめる。逃げ場を失い、絶体絶命のピンチ。そのときアドレナリンがブルースの体を駆けめぐる。ハルクとなった彼は銃や戦車の攻撃をものともせず、爆破に巻き込まれそうになったベティを救い出して姿を消した。ハルクがベティとともに身を潜めたのは、人里離れた洞窟の中。ベティはそこで、ハルクことブルースの苦渋に満ちた胸の内を理解し、治療への協力を約束する。
 厳しい検問の目をかいくぐり、ブルースとベティはニューヨークにいた。ベティの手引きで、“ミスター・ブルー”こと、スターンズ(ティム・ブレイク・ネルソン)と初めて顔を合わせるブルース。スターンズの研究の成果に、彼は最後の希望を託す。
 ところが、そこにロス将軍率いる部隊が乗り込んできた。麻酔銃で撃たれ、拘束されるブルース。ベティの抗議も虚しく、彼は連れ去られる。一方、ハルク捕獲に取り付かれたブロンスキーはついにブルースの血清を手に入れる事に成功する。それを自らの体内に注入すると、またたく間に彼の肉体は変異してゆく。そして、それはロス将軍の予測をはるかに超えた事態に発展してゆく・・・。
 ニューヨークに、そしてベティの身に迫る危機。ブルースは愛する者のために、運命と対峙する覚悟を決めた——自らの意思でハルクになることを。

スタッフ

監督 ルイ・レテリエ LOUIS LETERRIER
原案・脚本 ザック・ペン ZAK PENN
製作 ヴィ・アラド AVI ARAD
ゲイル・アン・ハード GALE ANNE HURD
ケヴィン・フェイグ KEVIN FEIGE
製作総指揮 スタン・リー STAN LEE
デヴィッド・メイゼル DAVID MAISEL
ジム・ヴァン・ウィック JIM VAN WYCK
撮影 ピーター・メンシーズJr. PETER MENZIES JR.
美術 カーク・M・ぺトルッチェリ KIRK M. PETRUCCELLI
編集 ジョン・ライト JOHN WRIGHT
リック・シェイン RICK SHAINE
ヴィンセント・タバイロン VINCENT TABAILLON
視覚効果スーパーバイザー カート・ウィリアムズ KURT WILLIAMS
音楽スーパーバイザー デイヴ・ジョーダン DAVE JORDAN
音楽 クレイグ・アームストロング CRAIG ARMSTRONG

キャスト

エドワード・ノートン  EDWARD NORTON
リヴ・タイラー LIV TYLER
ティム・ロス TIM ROTH
ティム・ブレイク・ネルソン TIM BLAKE NELSON
タイ・バーレル TY BURRELL
ウィリアム・ハート WILLIAM HURT

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