太陽が弾ける日
小沢仁志25周年記念作品
2007年/日本/118分/ステレオ/カラー/DLP上映 配給:MGP
2008年02月25日よりDVDリリース 2007年11月10日よりシネマート六本木にてレイトロードショー
公開初日 2007/11/10
配給会社名 0906
解説
まだ、遅くはない。
たどり着けるさ、日暮れまでに。
俺たちを捨てた国、日本へ━。
フィリピンのスラムで生まれ育った、血の繋がらない3人の兄妹。彼らはジャッピーノとして差別される、日本人とフィリピン人との混血児だった。固い絆で結ばれた兄妹は、愛し合いながらも悲痛な運命に翻弄さていく。オールフィリピンロケ敢行、国内では撮影不可能な命がけのアクション&圧倒的な火薬量の銃撃シーン!登場人物たちの胸に詰まる乾きと、濃密な空気感を見事に描ききった一大娯楽アクション抒情詩となった。
主演トニー役には、本作を俳優歴25周年記念とする小沢仁志。そのワイルドなキャラクターを生かしつつも、昨今ではコメディやユーモア溢れる配役でも魅力を発揮し、益々進化を続けている。本作ではギャングとして成り上がっていくのと引き換えに、大切な物を次々に失っていく悲壮感溢れるヒーローを熱演、俳優小沢仁志の集大成となっている。
劇中でトニーの弟マックスを演じるのは、小沢仁志の実弟でもある小沢和義。兄弟ならではの息の合った演技で、痛ましいまでの心のすれ違いと葛藤を見事に演じきっている。妹レイ役にはタレントや歌手として活動を続ける大山なつ。非常な運命に翻弄され、心を失っていくという難しい役に、体当たりの演技で挑んでいる。
その他、加藤雅也、寺島進、遠藤憲一、金山一彦、本宮泰風、大沢樹生など、日本アクション映画界を支える俳優陣が集結。骨太なストーリーをその個性で彩っている。
監督は「観察 永遠に君をみつめて」「イヌゴエ」など個性的で緻密な人物描写で定評のある横井健司。崩壊していく兄弟の絆を、切なく、そして美しく描き出す。
ストーリー
フィリピンのスラムで、血の繋がらない兄妹として生まれ育ったトニー(小沢仁志)、マックス(小沢和義)、レイ(大山なつ)。彼らはジャッピーノと呼ばれ差別される、日本人とフィリピン人との混血児だった。
マックスは苦学をして大学を卒業し、弁護士への道を歩み、レイは幼馴染で恋人のバギー(金山一彦)と小さな店を借り、ささやかな幸せを掴んでいた。だが、トニーは酒とドラッグに溺れながら用心棒として身を繋ぎ、未だに社会の底辺を彷徨っていた。
そんなトニーにチャンスが訪れる。ボスであるアイク(遠藤憲一)を裏切り殺害し、アイクの麻薬密売の権利を横取りする。それが破滅への道であることに気づかずに、相棒のホセ(本宮泰風)と共に、トニーは暴力で勢力を拡大していくのであった。
マックスはついに弁護士の資格を取得し、成功への道を着実に歩んでいた。再会するトニー、マックス、レイ。しかし裏社会に生きるトニーは、3人の関係に亀裂を生じさせることしかできない。お互い想い合いながらも、不器用にすれ違い続ける3人だった。
そして、破滅への運命はマックスにも襲い掛かる。マックスの勤める法律事務所の背後には、マニラの麻薬売買を握る4大勢力の一つ、日本のヤクザ田島組がついていたのだ。組織の内情を知りすぎたマックスは、田島組会長(加藤雅也)とサカサキ(寺島進)の暴力に屈服し、組織に取り込まれてしまう。
田島組の乗っ取りを狙うトニー達は、麻薬の取引きを装い田島組に接触。しかし、そこにあったのは弟マックスの姿だった。トニーの裏切りを見抜く田島。トニーに向けられる田島の銃口。しかし、マックスの機転によりトニーは窮地を脱し、激しい銃撃戦の末、田島組を壊滅させる。
勝利に酔うトニーたち。しかし、完全に裏社会に堕ちてしまい失意のマックス。トニーは弟の肩を優しく抱くのだった。
レイと2人で貧しい暮らしを続けるバギーは、トニーの金と権力に魅せられてしまう。トニーの制止も聞かず、組織に入り込むバギー。しかし、ある麻薬取引きの現場で裏切りに遭い、バギーのミスから仲間のレンゾ(大沢樹生)を死なせてしまう。トニーに見限られたバギーは麻薬に溺れ、トニーの組織の内部情報を警察に売り、レイには暴力を振るってしまう。
それを知り、激昂するトニー。なんとレイの目の前で、バギーを射殺する。また、暴力に暴力で報復するトニーのやり方に、怒りを覚えるマックス。3人の間に生じた亀裂は、決定的なものになっていくのだった・・・。
3ヶ月後━。
トニーの部下となったマックスは、その手腕を振るいフィリピンの政財界の中枢まで入り込んでいた。そしてバギーを失ったレイは心を病み、療養所での生活を送っていたが、マックスはその傍らに優しく付き添う。
大切なものを失いつつも、トニーはマニラ四大麻薬密売勢力をもその手中に収め、さらには虎視眈々とフィリピン麻薬帝国の帝王『キング』の座まで狙う。トニーに裏社会から手を引き、表社会に活動を移すことを提案するマックス。反目しあう二人は、ホセの入れ知恵も手伝い、ついには殺し合いの事態にまで発展してしまう。その争いの中、トニーは愛人カーラの命を失う。また一つ、トニーの手から零れ落ちる大切なモノ。
トニーはレイを人質に、マックスと対峙する。レイの目の前で、殴り合い、ぶつかり合う兄弟。その最中、マックスはトニーのレイへの愛情が兄妹を超えた感情であることをしってしまう。切なくもマックスの額に向けられるトニーの銃口。レイの悲鳴も空しく、一発の銃声が響くのであった。
泣き叫ぶレイに、癒しを与えたいトニー。トニーにできることは、レイに拳銃を渡し、自分を殺させることだけだった。しかし拳銃を受け取ったレイは、自分の喉下に向けて引き金を引いてしまう。
一命は取り留めるが、言葉と心を失うレイ。狂った歯車を回し続けるかのように、ひたすらに権力を求めるトニー。だが、ついに『キング』の残虐な報復がトニーを襲う。そしてもう一人、トニーの前に立塞がる男がいた。
それは、トニーが射殺したはずの弟、マックスだった。トニーはついに、弟を殺すことができなかったのだ。「レイを泣かすようなことがあれば、俺は戻ってくる。」そう言い残して姿を消したマックス。そして今、トニーと本当の決着を着けるために舞い戻ったのだ。
時同じくして、トニーの屋敷を取り囲む『キング』の兵隊たち。圧倒的な兵力の前に、次々と命を落としていくトニーの仲間たち。
トニー×マックス×キング部隊の、生き残りを賭けた最後の狂宴が幕を開けた。
スタッフ
製作:金谷豊(関西トラスト)
エグゼクティブプロデューサー:山本ほうゆう
プロデューサー:小森邦昭(DIGEX)/山村淳史
脚本:伊藤康隆/横井健司
音楽:遠藤浩二
撮影監督:下元哲
録音:沼田和夫
助監督:佃謙介
制作担当:板井茂樹
編集:渡会清美
効果:丹雄二
CGディレクター:高井桂祐
企画・制作:MGP
監督:横井健司
キャスト
トニー:小沢仁志
レイ:大山なつ
マックス:小沢和義
バギー:金山一彦
ホセ:本宮泰風
ラリー:江原シュウ
クマギリ:鈴木隆二郎
アラン:HIDE
カーラ:MARY AFABLE
レンゾ:大沢樹生
アイク:遠藤憲一
サカサキ:寺島進
タジマ:加藤雅也
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