2007年/日本/カラー/100分 配給:「凍える鏡」製作事務所

2008年1月26日より、シネマ・アンジェリカほかにて全国順次ロードショー

(C)2007「凍える鏡」製作事務所

公開初日 2008/01/26

配給会社名 0905

解説



この物語の主人公・瞬は、子どものような純粋さと絵の才能を持ち合わせながら、幼児期に母親から受けた虐待によって、その精神は今もひどく傷ついている。彼は、偶然知り合った童話作家・香澄と心を通わせ、その娘・由里子のカウンセリングを受けることになるが、治療者のはずの由里子もまた、母親である香澄に対し、根深いこだわりを持ち続けているのだった……。万能なる母、大地の母。心理学では、母親は子どもが成長していくための「鏡」にも例えられる。しかし、その母が、まるで氷のように冷たく、すべてを凍えさせてしまう存在だとしたら?

「凍える鏡」は、もはや親から「無条件の愛」を与えられることのなくなった現代人の孤独とそこからの回復を、ひと組の母子と青年との関わりを通して描き出した21世紀の寓話である。

主演は、映画「包帯クラブ」やテレビドラマ「僕の歩く道」「牛に願いを」などで成長著しい若手俳優・田中圭。これまでの等身大の好青年役とは一線を画した、心に闇を抱える青年・瞬を繊細かつ大胆に演じ、新たな魅力を見せる。瞬をグレートマザーのように包み込みながら、実の娘には別な顔ものぞかせる童話作家・香澄を好演するのはベテランの渡辺美佐子。「いつか読書する日」「東京タワー」など近年も多くの映画に出演し、この作品が記念すべき百本目の出演作となる。また、娘の由里子には「犬、走る」「閉じる日」などの映画をはじめ、舞台でも活躍がめざましい冨樫真が扮し、現代の悩める三十代女性をリアリティ豊かに演じている。そして監督・脚本は「カナカナ」「火星のわが家」で家族の崩壊と再生を描き、海外の映画祭でも高い評価を受けた大嶋拓。現代家族の病理をギリギリまで見つめた、まさに集大成的な作品の誕生である。

ストーリー



都会の片隅で自分の描いた絵を売る青年・瞬と、信州の山荘にひとり暮らす童話作家・香澄。親子以上に年の離れた2人は、ある日街の雑踏で出会い、香澄の友人の自殺をきっかけに、いつしか不思議な絆で結ばれていく。
瞬は少年のように純な心を持っていたが、幼児期に受けた母親からの虐待のため、その精神は不安定で、すぐに怒りを爆発させては周囲と問題を起こし続けるのだった。困惑した香澄は、一人娘で臨床心理士の由里子に瞬の治療を依頼する。
カウンセリングを通し、少しずつ心の安らぎを覚え、由里子に好意を寄せていく瞬。だが実は由里子も母親の香澄に対し、密かに充たされぬ感情を抱いていた。
ある日のカウンセリング中、ついに瞬は母親への憎しみの感情を爆発させる。しかし、由里子は瞬のそんな思いを受け止めきれず、拒絶されたと感じた瞬はクリニックを飛び出してしまう。
やがて瞬は都会を離れ、香澄とともに、雪深い山荘へと向かう。自然の中で穏やかさを取り戻し、香澄の勧めで童話の挿絵を描き始めた瞬。そこに突然、由里子が姿を現わした。瞬と香澄の絆、香澄と由里子の確執、そして由里子と瞬の愛憎。3人の心は、闇の中の炎のように激しくゆらめいていく……。

スタッフ

プロデューサー:露木栄司 内山 亮
撮影監督:宮野宏樹
録音:宋 晋瑞
ヘアメイク:岩橋奈都子
助監督:川井 武
音楽:伊藤ひさ子
絵画制作:加瀬世市
医事監修:熊谷一朗
特別協力:多井久晃 田久保利幸

監督・脚本・編集:大嶋 拓


製作・配給:「凍える鏡」製作事務所
(TAC/ワコー/エクラアニマル/シネマポルト/AZ)

キャスト

岡野 瞬:田中 圭
矢崎由里子:冨樫 真

秋沢清司:増沢 望
武田真知子:川口節子
吉村:下條アトム(友情出演)
後藤達夫:菊池隆則

矢崎香澄:渡辺美佐子

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