死んでも、終わらない恋−−−

2007年/日本/カラー/94分/ 配給:シナジー

2008年06月04日よりDVDリリース 2008年1月19日(土)よりシアターN渋谷、シネマート新宿ほか全国ロードショー

(C)2007「ちーちゃんは悠久の向こう」フィルムパートナーズ

公開初日 2008/01/19

配給会社名 0341

解説


 ちーちゃんとモンちゃんは仲の良い幼馴染み。高校生になっても相変わらずいつも一緒だ。昔からオカルト好きのちーちゃんに引っ張られ、共に“学園七不思議”を探るモンちゃんは、ちーちゃんの笑顔を見ているだけで幸せになる。授業中にこっそり交す秘密の目配せ。2人だけの“屋上ランチ”で食べる、ちーちゃん手作りのお弁当。ちーちゃんだけに打ち明ける家族の問題。こんな穏やかな毎日が永遠に続くようにと願っていた。しかし、そんな二人の周辺で次第に不可思議な出来事が起こり始める。モンちゃんが抱える“秘密”、そして二人を待っていた予想外の結末とは———。 
 5つもの新人賞を総ナメにし、恋愛、ファンタジー、ホラー、と様々な要素を取り混ぜながら、他に類を見ない世界観で読者を魅了する、今、注目のライトノベル界の新鋭作家・日日日(あきら)。彼が新風舎文庫大賞を受賞した衝撃のデビュー作、待望の映画化である。
本作品は、原作の魅力はそのままに、ちーちゃんが追いかける“学園七不思議”をめぐる学園ホラー、妻が出奔して酒に溺れる父親とモンちゃんの確執、モンちゃんに心惹かれる弓道部の先輩・武藤白との微妙な三角関係など、幾つものエピソードが重なり合って、衝撃のクライマックス、そして予想を裏切るファンタスタイックなエンディングへと向かっていく。10代後半から20代の絶大な支持を受ける日日日ワールドを、瑞々しい映像とフレッシュな若手スターの競演で綴る、ティーンエイジャーはもちろん、全女性のハートを熱くゆさぶる新感覚・恋愛ファンタジーの誕生だ。
ちーちゃんこと歌島千草役には、大ヒット劇場アニメーション『時をかける少女』のヒロイン・紺野真琴の声優として、スクリーンデビューした仲里依紗。その天真爛漫な笑顔に、モンちゃんならずとも誰もがきっと心和まされることだろう。かたや、モンちゃんこと久野悠斗を演じるのは、『バッテリー』の主演で人気沸騰の林遣都。驚愕のラストへと導く、寂しさと哀しみを湛えた繊細な眼差しが印象的だ。また、モンちゃんに惹かれる美人先輩・武藤白を、雑誌モデルやCMで活躍中の高橋由真が演じ、待望のスクリーンデビュー。加えて、西田尚美(『ハチミツとクローバー』『未来予想図』)、堀部圭亮(『姑獲鳥の夏』『伝染歌』)らが脇を固め、映画に、単なる青春ものにとどまらない人生の重みや、ドラマ的深みを与えているのも見逃せない。
 監督は、東陽一や行定勲、犬童一心など数多くの実力監督のもとで演出を学び、本作が満を持しての監督デビューとなる兼重淳。脚本を、『タッチ』『眉山』など犬童一心監督作で定評のある山室有紀子が手がけ、全編に散りばめられた些細な違和感や疑問が、ラストで一気に解消され大きな感動を喚起する、巧みなストーリーテリングで、その手腕を発揮している。
 さらに、テーマ曲「空に光るクローバー」を、『時をかける少女』の主題歌「ガーネット」で注目を浴びる実力派シンガーソングライター・奥華子が担当し、ノスタルジーを誘う秀逸なバラードを聴かせてくれる。

ストーリー

 大きな桜の木の下で、無邪気にシャボン玉を飛ばして遊ぶ幼い頃のちーちゃんこと歌島千草と、モンちゃんこと久野悠斗。幽霊のいる世界に憧れるちーちゃんは、お布団を被っての怪談話が大好き。おやつを残すモンちゃんに、「もったいないお化けが出るぞぉ」と脅かす。(ある日、ちーちゃんに乞われるまま、傘をパラシュート代わりに、2階のベランダから飛び降りるモンちゃん。尻餅はついたけれど、何とか無事着陸に成功する。次はあたしね、と続いてちーちゃんが飛び降りる……。)
 月日は流れ、高校に進学した2人は偶然にも同じクラスに。記念撮影で、端っこに立ったちーちゃんをモンちゃんが見とめて笑顔を送る。入学早々遅刻して先生に叱られるモンちゃんの後から、悠然と教室に入って来るちーちゃん。
母親が家出し、酒で憂さを晴らす父親に殴られ、満たされない家庭にやり場のない日常を抱えるモンちゃん。そんなモンちゃんにとってちーちゃんの隣は唯一の“居場所”だった。ちーちゃんになら、家族の問題も打ち明けられる。ただ一つ、あの“秘密”を除いては・・・。
2人はいつからか屋上で一緒にランチを食べるようになる。ちーちゃんの手作り弁当を、喜んで頬張るモンちゃん。ある日、同級生の林田遊子が、数人の女子生徒に囲まれ嫌がらせをうけている現場を目撃する。ちーちゃんに促され、おずおずと仲裁に入るモンちゃん。解放された林田は、モンちゃんに「それ、うっとうしくない?」と意味不明の言葉をかけ、去っていった。
 弓道部に入ったモンちゃんに、みんなの憧れの的である3年生の部長・武藤白が何かと目をかけてくる。一方、オカルト研究会に入ったちーちゃんは、部室で高校に伝わる“七不思議”ノートを発見。さっそく、嫌がるモンちゃんを引き連れて“七不思議”めぐりを始める。ノートに書かれた七不思議は①1年B組の花子さん②血染めのピアノ③呪いの階段④苔地蔵⑤体育館の安田さん⑥彼は誰の鏡。そして最後の7つ目は、6つの不思議を全て体験した人だけにその願いを叶えてくれる“聞き耳桜”だ。 “七不思議”のひとつ、苔地蔵に向かった二人の前に現れたのは、部活を休んだモンちゃんをつけてきた武藤先輩だった。ちーちゃんをまるで無視し、苔地蔵の前でモンちゃんをからかう武藤先輩。モンちゃんは何とかその場を取り繕うが、汚れた“彼は誰”の鏡に映った自分の姿、ちーちゃんのお弁当をたくさん食べた直後に鳴るお腹の虫、二人を取り巻く不可思議な出来事は、次第にモンちゃんが抱えてきた秘密を明らかにしてゆく。
 桜も散ったある日、林田が急死する。「あたしが、彼女をモンちゃんに近づけないでと、苔地蔵に願ったせい」と、罪悪感にかられ涙を流すちーちゃん。同じ日、部活の意地悪な先輩に反発し、道場を飛び出したモンちゃんに、追いかけてきた武藤先輩は思いつめたように愛を告白する。「私ではちーちゃんの代わりになりませんか?」。そんな2人をそっと遠くから見つめるちーちゃん。モンちゃんと別れてバスに乗った武藤先輩を追いかけ、バスの後部座席から彼女に話しかけるちーちゃんだったが、ウォークマンを耳にした武藤先輩には、ちーちゃんの声がまるで届かない。そして、バスの運転手にも……。
 翌日、学校に来ないちーちゃんを探しに、モンちゃんは教室を飛び出す。たどり着いたのは、あの“聞き耳桜”だった——

スタッフ

原作:日日日(あきら)「ちーちゃんは悠久の向こう」(新風舎文庫刊)
脚本:山室 有紀子/兼重 淳
監督:兼重 淳

製作:黒川 文雄/尾越 浩文/岡田 真澄/竹内 茂樹/松崎 義行/佐藤 憲夫
プロデューサー:鈴木 淳一/宇田川 寧/柴原 祐一
音楽プロデュース:長岡 和弘
音楽:Di'LL(北城 浩志・北城 かずみ)
ラインプロデューサー:岩本 勤
撮影:伊東 伸久
照明:木村 明生
録音:藤本 賢一
VE:佐藤 隆彦
装飾:遠藤 雄一郎
衣装:宮本 まさ江
ヘアメイク:清水 惇子
助監督:岡田 弥生
制作主任:山田 哲也
キャスティング:田端 利江
編集:日下部 元孝
スクリプター:小林 加苗

主題歌:「空に光るクローバー」/奥 華子 (PONY CANYON)

制作プロダクション:ダブ
製作:「ちーちゃんは悠久の向こう」フィルムパートナーズ

宣伝協力:フレスコ
配給:シナジー

キャスト

仲 里依紗

林 遣都

高橋 由真


波 瑠
奥村 知史
小野 まりえ

永山 菜々 飛田 光里

中山 祐一朗
霧島 れいか


堀部 圭亮

西田 尚美

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