義理にゃ弱いが喧嘩にゃ強い—— 東海道の暴れん坊、  次郎長一家が帰ってくる!!

2008年/日本/カラー/2時間6分/7巻/3438m/ビスタサイズ/ドルビーSRD 配給:角川映画

2009年04月24日よりDVDリリース 2008年9月20日(土)より、角川シネマ新宿・シネカノン有楽町2丁目・渋谷アミューズCQN他全国ロードショー

[c]2008「次郎長三国志」製作委員会

公開初日 2008/09/20

配給会社名 0058

解説



マキノ雅彦監督、待望の第2作は、マキノ家伝家の宝刀!

艶っぽくも小粋。人生の酸いも甘いも噛み分けた豊かな筆致に加え、説話手法が数珠繋ぎに連なる卓越した語り口。そんなオトナのためのオトナの映画として、爽快なスマッシュヒットを飛ばした『寝ずの番』。これが処女作とはとても思えない堂々たる演出で初登場を果たした監督、マキノ雅彦の第2作がいよいよ登場する。
今回の題材は、監督の叔父である、日本映画界が誇る生粋の娯楽派&活劇系の巨匠、マキノ雅弘監督の十八番だった“次郎長三国志”。東宝、東映にまたがり、雅弘監督が生涯で実に13本も手がけた超人気シリーズに、雅彦監督が満を持して挑む!

次郎長、お蝶の恋物語にホロリと涙。泣ける、大人のエンターテインメント

ご存知、義理と人情の厚さでは誰にも負けないヒーロー、清水の次郎長が「大馬鹿者でござんす」と名乗る向こう見ずな一途さで、ただひたすらに突っ走る。出し惜しみなしの大盤振る舞いで、多彩にして切れ味鋭いチャンバラ場面を次々に繰り出す様には、正統派時代劇の醍醐味が充満。そして、個性豊かな次郎長一家の面々のキャラクターを輪郭太く描き出し、それぞれのエピソードをユーモアたっぷりに描き出す。早くもマキノ雅彦風と呼ぶべき、懐深く、血の通った語りの妙はいよいよ洗練の域に到達。旅に出た次郎長を待ちわびて、それでもなお、想いを貫くお蝶の泣かせる恋心、そんな二人に命懸けで惚れこんだ荒くれ者の子分衆。次郎長と恋女房、お蝶の夫婦愛を軸に、怒涛に次ぐ怒涛のドラマへと流れ込んでいく。一世一代の仇討ちへ畳み掛ける展開のすさまじいばかりのダイナミズムは、古き良き映画の鮮やかな復興という次元をはるかに超越し、いっそ“純情巨編”とでも言い切ってしまいたくなる真新しい輝きを放っている。そう、この映画はなによりも、次郎長、お蝶の泣かせる恋と男たちの純情が丸ごと味わえる、颯爽として澄みきった快感が魅惑を招く一作なのだ。

スケールの大きさと本格派の趣を際立たせる豪華スター陣

主演は、前作『寝ずの番』に続いてマキノ雅彦監督とタッグを組む中井貴一。持ち前の清潔感に、タフで一本気な人間味を加味し、男なら誰でもついていきたくなるような親分像を体現する。そして、そんな次郎長が愛して愛して愛しぬくお蝶に扮したのは、『血と骨』で日本アカデミー賞に輝いた実力派、鈴木京香。子分たちから慕われる姐御肌の一方、ふとした一瞬に可憐な素顔を見せる絶品のヒロインで魅せてくれる。
俳優陣からの信頼が厚い雅彦監督の許には、中井貴一以外にも『寝ずの番』の出演者が再び集結。岸部一徳に笹野高史、木村佳乃、高岡早紀、蛭子能収、そして長門裕之……。さらには雅彦監督初登場の顔ぶれも、超豪華の一言。佐藤浩市、温水洋一、竹内力、北村一輝、大友康平、荻野目慶子、ともさかりえ、いしのようこ、とよた真帆らが、あっと驚く人物として登場して、スター映画としてのヨロコビも存分に堪能させてくれる。

実力派スタッフが奏でる、時代劇の醍醐味、そして新しさ 

スタッフも充実の布陣。脚本は『寝ずの番』に続いての登板となる大森寿美男。『39 刑法第39条』といった映画から、朝ドラ、大河ドラマまで手がける若き辣腕シナリオライターが“次郎長三国志”をいかに料理したかも大きな見どころだ。また、撮影は『近頃なぜかチャーストン』『ジャズ大名』『助太刀屋助六』など岡本喜八監督とのコラボレートで知られ、時代劇との親和性も高い加藤雄大。喜八監督が、雅弘監督の“次郎長三国志”シリーズの助監督だったことを知る映画ファンにとっては、深い縁を感じずにはいられないだろう。
そして、リズミカルでスピーディなサウンドで映画にさらなる活気を加えているのは宇崎竜童。これまでも自ら主演した『曽根崎心中』や蜷川幸雄監督の『嗤う伊右衛門』で時代劇音楽の新生面を切り拓いてきた彼が、さらなる新境地を見せている。エンディングでは自身がマイクを握り、イキのいい歌声で観客を幸福な余韻にひたらせてくれる。

ストーリー

祝言をあげたばかりの妻、お蝶(鈴木京香)を置いてけぼりにし、三年にわたる渡世修行に出かけた駆け出し博徒、次郎長(中井貴一)とその子分たち。右腕となる軍師的存在、大政(岸部一徳)をはじめ、悪臭を放つ坊主くずれ、法印の大五郎(笹野高史)、意外な素顔を持つご存知、森の石松(温水洋一)、伊達者の美青年、追分政五郎(北村一輝)※ら、旅を重ねるうちに、次郎長の男っぷりに惚れたヤツらが、次々に仲間に加わっていく。清水に帰還した次郎長は、さらにはお蝶にまでモーションをかけてきた、とんでもないロクデナシ(木下ほうか)まで拾い上げ、やがて東海道中にその名を轟かせるようになる。
しかし、知られれば知られるほど、立ちはだかる敵も増えてくる。甲州で一大勢力を誇る黒駒の勝蔵(佐藤浩市)、石松の宿敵でもある極悪人、三馬政(竹内力)、さらには一家の裏切り者、久六(蛭子能収)らが入り乱れて、大変なことになる。
そんな中、お蝶が病に倒れ、さらにはとんでもない事態までが起こってしまう。絶対絶命のピンチに陥った次郎長。さあ、いったい、どうする? そして、子分たちが選ぶ運命は? 次郎長一家は、いよいよ壮絶な闘いを迎えることになる……。

※村上元三原作「次郎長三国志」で登場する“追分三五郎”と“浜松の政五郎”という2人の人物を、本作では“追分政五郎”、通称“小政”という1人の人物として描いている。

スタッフ

監督:マキノ雅彦

原作:村上元三

企画:鈴木光
プロデューサー:坂本忠久

撮影:加藤雄大
美術:小澤秀高
照明:西表燈光
録音:阿部茂
編集:田中慎二
キャスティング:名須田伸吾
殺陣:玄海竜二
監督補:中西健二

製作:光和インターナショナル/バンダイビジュアル/時代劇専門チャンネル/角川映画
製作プロダクション:光和インターナショナル
配給:角川映画

キャスト

清水の次郎長:中井貴一
お蝶:鈴木京香
小政:北村一輝
森の石松:温水洋一
桶屋の鬼吉:近藤芳正
法印大五郎:笹野高史
大政:岸部一徳
沼津の佐太郎:大友康平
大野の鶴吉:木下ほうか
関東綱五郎:山中聡
おきん:真由子
投げ節お仲:高岡早紀
お園:木村佳乃
お千:前田亜季

黒駒の勝蔵:佐藤浩市
三馬政:竹内力
鬼吉の父:長門裕之
保下田の久六:蛭子能収
小川の武一:西岡徳馬
おしま:ともさかりえ
津向の文吉:本田博太郎
おきつ:いしのようこ
猿屋の勘助:寺田農
おぬい:とよた真帆
甲斐の祐典仙之助:高知東生
お駒:荻野目慶子
大前田の英五郎:勝野洋
花会の親分:梅津栄
お夏:烏丸せつ子
江尻の大熊:春田純一
赤鬼の金平:螢雪次朗
今天狗の活助:六平直政
鬼吉の母:草村礼子
和田屋の太左衛門:竹脇無我
和田島の女房:朝岡雪路

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す