プラネット・テラー in グラインドハウス
原題:Robert Rodriguez's Planet Terror
“キラー・チェーン”ロードショー
第60回カンヌ国際コンペティション部門正式出品作品
2007年/アメリカ映画/カラー/上映時間:105分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル、SDDS、DTS/R-15/字幕翻訳:松浦美奈 配給:ブロードメディア・スタジオ
2010年05月12日よりDVDリリース 2008年03月21日よりDVDリリース 2007年9月22日よりTOHOシネマズ六本木、日比谷みゆき座系ほか全国順次ロードショー
©2007 The Weinstein Company. ALL RIGHTS RESERVED.
公開初日 2007/09/22
配給会社名 0551
解説
キーワードは Back to Back! ロドリゲスが進化させる『グラインドハウス』
23歳のとき、たった7000ドルの製作費で、しかも製作・脚本・監督・撮影監督・特殊効果から音楽、編集までを一人でこなして痛快アクション『エル・マリアッチ』(’92)を撮り、一躍、ハリウッドの注目監督となった風雲児、ロバート・ロドリゲス。彼は、その後も『デスペラード』(’95)や『スパイ・キッズ』3部作(’01、’02、’03)、『シン・シティ』(’05)など、次々と革命的かつ観客の度肝を抜く傑作アクションを輩出してきた天才監督。そして遂に当代一のアイデアマンでもある彼が、盟友クエンティン・タランティーノとがっちりタッグを組み、画期的なプロジェクトを完成させた! そのアイデアとは、60年代〜70年代に盛栄を誇った、インディーズ系スタジオ製作のポップでキッチュな低予算映画=グラインドハウス映画にオマージュを捧げる映画を、タランティーノと競作しようというもの。忘れら去られていたワクワクの映画体験を、2人がそれぞれのスタイルと拘りで進化させた『グラインドハウス』は、今の映画にはないパワーと自由、そして限界知らずのセンセーショナルな描写の数々に敬意を表しながらも単なる再現ではなく、斬新なオリジナリティとブッ飛んだ展開、熱気に満ちた、とびきりエキサイティングなエンターテインメントである!かくして『プラネット・テラー in グラインドハウス』は誕生した…!
ゾンビと陰謀に立ち向かうセクシーなアクション・ヒロインたちの魅惑!
『プラネット・テラー』は、ロドリゲスが敬愛してやまないジョン・カーペンター作品(『ジョン・カーペンターの要塞警察』(’76、未)『ニューヨーク1997』(’81)など)や、ルチオ・フルチの『サンゲリア』(’79)、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』(’78)といったゾンビ映画をベースに、独自の過激なアイデアを満載した、奇想天外な近未来ホラー・アクション。
テキサスの田舎町では、米軍の部隊長(ブルース・ウィリス)が密かに取引していた生物化学兵器の実験がもとで、町中に謎のウィルスの感染者が増殖していた。感染者たちは次々と、恐ろしくも凶暴なゾンビ状態に! ゴーゴーダンサーのチェリー(ローズ・マッゴーワン)は感染者たちの攻撃で片脚を喰いちぎられてしまう。元恋人のエル・レイ(フレディ・ロドリゲス)とともに、町を救うべく立ち上がったチェリーの出で立ちは、ビキニ&ミニスカ姿、失くした脚先にはマシンガンを突き刺している!一方、邪悪な医師の夫(ジョシュ・ブローリン)から逃げようとしていた女医のダコタ(マーリー・シェルトン)もまた、悲惨な運命に立ち向かうことになる。彼女の武器は、まるでガンマンのようにガーターベルトに差した注射針!
すべてが過剰! 最先端のデジタル技術が生み出すパワフル映像
映像には60年代〜70年代当時のグラインドハウス映画特有の、使い古しのフィルムに付いた傷や飛び、リールの喪失をあえて再現し、現代的なアクション描写とのコントラストが面白い効果(と爆笑)を生んでいる。そして超個性的なキャラクター、残酷描写にアクション、バイオレンス、お色気と、すべてにおいて過剰なサービス精神が炸裂した異色作なのだ!
ロドリゲス監督は、もともと創意工夫の男。自宅に自身のスタジオ、トラブルメーカー・スタジオを併設し、ほとんどの主要スタッフを一人で兼任する強者だ。そして、フィルムにこだわるタランティーノとは対照的に、デジタルとCGIを使いこなして不可能を可能にするのが、“俺流”。スピーディーでクレイジーなストーリーテリング、畳みかけるようなカット繋ぎが生む興奮、そして爆発を背にサバイバル・ジャンプを決めるヒーロー&ヒロインのカッコよさ! こうした彼のトレードマーク的見せ場は、今回も確実に進化。片脚マシンガンのセクシー・ダンサーなんてアイデアを活かせるのも、デジタル技術の賜物だ。しかも、彼女がブリッジのポーズで銃弾をよけたりと、茶目っ気たっぷりの遊び心が横溢しているのも、ロドリゲスならではのお楽しみだ。
変人大集合!? カラフルで豪華な脇キャラたちの大活躍
この映画が単なるおバカなゾンビ映画と一線を画しているのは、ロドリゲスが生み出したキャラクターたちのユニークさと、彼らが抱える内面の複雑さをきっちり描き出しているところ。主役のロマンスも味わい深いが、豪華キャストが演じる大勢のサブキャラたちのストーリーが、どれをとっても素晴らしいのである。
チェリーとレイが再会するバーベキュー店のオーナー、JT(ジェフ・フェイヒー)は、ゾンビが襲ってこようが爆発が起ころうが、気がかりなのはバーベキューのレシピだけ。その弟のヒロイックな保安官ヘイグは、『ターミネーター』(’84)のマイケル・ビーン。悲惨な最期を遂げる、女医ダコタのレズビアンの恋人は、ブラック・アイド・ピーズのファーギーことステイシー・ファーガソン。良心に目醒めるマッド・サイエンティストのアビー(『LOST』(TV)のナヴィーン・アンドリュース)ときたら、人間の睾丸コレクションに命懸け! ゾンビにやられる保安官助手は、『ゾンビ』など特殊メイクのカリスマ、トム・サヴィーニ。ダコタの父親は、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(’96)、『キル・ビル』(’03)『キル・ビル Vol.2』(’04)に登場し、『デス・プルーフ』にも顔を出しているアール・マッグロー保安官(マイケル・パークス)。そして身内びいきのロドリゲス監督、ダコタの息子を自分の息子、レベル・ロドリゲスに演じさせ、性格の悪い双子のベビーシッター役で姪の姉妹を女優デビューさせている(この双子は『デス・プルーフ』にも登場。ちなみにヒーロー役のフレディ・ロドリゲスは監督との血縁関係はない)。さらに、悲惨な過去を持つ米軍部隊長役で、ブルース・ウィリスが付き合いのいいところを見せている。極めつけは、タランティーノ演じる、その名もレイプ魔ナンバー1! 彼はウィリスの部下で、チェリーとダコタをレイプしようとして逆襲され、映画史上、最も悲惨で笑える最期を遂げるのだ!ロドリゲスの痛快な発想と描写力には、脱帽するばかりである。
ストーリー
テキサスの田舎町。米軍基地の部隊長マルドゥーンは科学者のアビーを相手に、恐怖の生物化学兵器の取引をしていた。しかし、アビーが予備の試薬を隠し持っていることを知り、彼を追う。追いつめられたアビーは実験装置を射撃。そこから噴き出した恐怖のガスが人々を溶かし、恐ろしく凶暴なゾンビ状態の“シッコ(感染者)”に変えてしまった!
その頃ゴーゴーダンサーのチェリーは、2週間前に別れた恋人のレイと再会。彼とドライブ中にシッコに襲われ、片脚を喰いちぎられてしまう。一方、女医のダコタは横暴な夫のブロック医師を捨てて息子を連れ、レズビアンの恋人タミーと逃げる計画を立てていた。ところがシッコの犠牲となったタミーが悲惨な死体となって病院に担ぎ込まれ…。妻の裏切りを察知したブロックはダコタに魔の手を伸ばす。
やがて町中にシッコが溢れ出す。片脚に木製テーブルの脚を突き刺して逃げ延びたチェリーとレイ、ヘイグ保安官やその兄JT、ダコタら、生き残った人々はシッコと戦いながら逃避行するが、途中でマルドゥーンに捕らえられてしまう。そこには、邪悪な米兵たちとシッコを相手にした、さらに壮絶な戦いが待ち受けていた。そして、チェリーが装着した怒りの“片脚マシンガン”が火を噴き出した……!
Now I’m going to give you a very strong anesthetic
so you don’t feel anything during the procedure.
スタッフ
監督/脚本:ロバート・ロドリゲス
製作:エリザベス・アヴェラン、ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランティーノ
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン
撮影監督:ロバート・ロドリゲス
美術監督:スティーブ・ジョイナー
衣装デザイン:ニナ・プロクター
編集:ロバート・ロドリゲス, イーサン・マニキス
音楽:ロバート・ロドリゲス
スタントコーディネート:ジェフ・ダシュナー
特殊メイクアップ:グレゴリー・ニコテロ、ハワード・バーガー
キャスティング:メアリー・ヴァーニュー
スペシャル・ビジュアル・エフェクト:トラブルメーカーデジタル
キャスト
チェリー:ローズ・マッゴーワン
レイ:フレディ・ロドリゲス
ブロック:ジョシュ・ブローリン
ダコタ:マーリー・シェルトン
JT:ジェフ・フェイヒー
ヘイグ保安官:マイケル・ビーン
トニー:レベル・ロドリゲス
マルドゥーン:ブルース・ウィリス
アビー:ナヴィーン・アンドリュース
ロミー:ジュリオ・オスカー・メチョソ
タミー:ステイシー・ファーガソン(ファーギー)
ジョー:ニッキー・カット
ドクター・クレイン:ハン・ヌエン
救急医療師:セシリア・コンティ
救急医療師:トミー・ニクス
上級警察官トロ:トム・サヴィーニ
上級警察官カルロス:カルロス・ガラルドー
スキップ:スキップ・リーシング
双子のベビーシッター♯1:エレクトラ・アヴェラン
双子のベビーシッター♯2:エリーズ・アヴェラン
レイプ魔ナンバー1:クエンティン・タランティーノ
レイプ魔ナンバー2:グレッグ・ケリー
アール・マックグロウ:マイケル・パークス
ラモーナ・マックグロウ:ジェリーリ・ロメロ
マチェーテ:ダニー・トレホ
神父:チーチ・マリン
LINK
□公式サイト□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す