原題:DEATH OF DOMOMATA

芸術家はなぜジャンキーになるのか

2007年/日本/カラー/80分 配給:NEGA

2009年01月22日よりDVDリリース 2008年6月14日、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー

(C)M6 TRANCE PICTURE WORKS

公開初日 2008/06/14

配給会社名 0793

解説




癒されない女だらけの<ドラッグ&ドロップ>ミュージカル

出演者10人は、すべて女性!
大正時代の売れない画家の苦悩を描いた作家・有島武郎(1878-1923)の同名戯曲が、
等身大のガールズ・ムービーとして蘇る!

古く寂れた更生施設に収容されているのは、心に問題を抱えたジャンキーな女たち。彼女たちに強制的に与えられた課題は、「貧乏画家の青年たちと、モデルに雇われたひとりの女性の物語」という舞台の稽古だった。依存症に苦しみながら、練習を重ねてゆく日々。やがて現実と演劇の世界は交錯し乱れ、家族への発表会の日、彼女たちはある狂気ともいえる行動に出る・・・。
白樺派を代表する作家・有島武郎の同名戯曲を、現代社会の片隅に生きる等身大の女子たちの日常に劇中劇として投入する“入れ子構造”の映画化。「リアル」と「ごっこ」がスクリーンでせめぎ合い、甘美な頽廃の中から、どこか生きる現実感を持てない女子たちのヒリヒリした皮膚感覚が立ち上がる——。

主演:江本純子(劇団「毛皮族」主宰) × 映画監督:奥秀太郎
ジャパニーズ・カルチャー界の異端児ふたりが、激しく世間を挑発する!
満を持しての映画初主演となる江本純子は、女だらけのパンキッシュ歌劇団「毛皮族」を主宰し、小説やコラムも執筆する、希代のカリスマ女優にして天才クリエイター。監督は、NODA・MAPや大人計画、宝塚歌劇団など様々な劇団の映像プランナーや、舞台演出を手掛ける一方で、『赤線』『カインの末裔』などインディペンデント映画を精力的に撮り続ける新世代のアヴァンポップ映像作家・奥秀太郎。ジャンルの垣根を越えて毒を撒き散らすふたりが、「アーティストはなぜジャンキーになるのか」というテーマに挑む!
この映画に集結したのは‘10人の女たち’。『ラブ&ポップ』の三輪明日美。『TOKYO!<インテリア・デザイン>』(監督:ミシェル・ゴンドリー)で注目の藤谷文子。柳英里紗、野村恵里、毛皮族の高野ゆらこ、本作の音楽も担当するミュージシャンのつるうちはな…そんな若手女優たちの脇を固めるのは、『かもめ食堂』の片桐はいり、『笑う蛙』の大塚寧々、そして少女漫画のパイオニア『ポーの一族』の萩尾望都。ゴージャスなキャスティングは壮観の一言だ。

ストーリー

若くして死ぬしかない。
ジャンキー少女たちのストレスフルな「家」で繰りひろげられる
<ドラッグ&ドロップ>ミュージカル

ドラッグ中毒者のための更生施設、ハマー・ナナの家。そこに暮らすのは、反骨的で無愛想な戸部=ドモ又(江本純子)、優等生だけれど泣き虫のとも子(三輪明日美)、男言葉で話すリーダー的存在の花田(藤谷文子)、常に心虚ろな澤本(野村恵里)、お調子者の瀬古(高野ゆらこ)、花田にくっついて歩く青島(つるうちはな)の六人。彼女たちは、お互いを必要としながらも、ときに傷つけ合いながら共同生活をおくり、油絵やドライフラワー作りといったプログラムをこなしている。しかし、入院中の院長先生(萩尾望都)に代わって施設を支配するスパルタ主義の教官(片桐はいり)によって、更生カリキュラムは迷走してゆく。スポンサーである九頭龍(大塚寧々)はそんな施設の行方に疑問を抱き、援助を打ち切ろうとするが、ドモ又に憧れる娘のユカ(柳英里紗)の反発に、戸惑いを隠せずにいる。

ある日、彼女たちに与えられた新たなプログラム、それは芸術家の青年たちの苦悩を描いた戯曲、「ドモ又の死」を演じるということ。若くして死ぬことこそ、自らの芸術を世間に認めさせる最良の手段である。そう信じて、仲間のうちの誰か一人に死を装わせようとする五人の貧乏画家と、モデルに雇われたひとりの女の物語。クリスマスの発表会に向けて稽古の日々を送るうち、やがて演じることに没頭していくドモ又たち。
だが、発表会の直前に、ひとつの悲劇が訪れる・・・。

果たして、ついに開演した「ドモ又の死」で、彼女たちは何を見せるのか?

スタッフ

脚本・監督:奥秀太郎
原作:有島武郎(戯曲「ドモ又の死」)
撮影:与那覇政之 蔭山周
美術:江津匡士
編集:溝上水緒
アニメーション:平澤達朗
音楽:つるうちはな
スチール:大山ケンジ
デザイン:野寺尚子
協力:日本ビクター
製作:M6 TRANCE PICTURE WORKS

キャスト

江本純子
三輪明日美
藤谷文子
野村恵里
高野ゆらこ
つるうちはな
柳英里紗
片桐はいり
萩尾望都
大塚寧々

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