原題:Venus

男って、いくつになっても…。

2006年/イギリス/カラー/95分/ 配給:ヘキサゴン・ピクチャーズ、シナジー

2007年10月27日、シャンテシネにてロードショー

(C)2006 Venus PicturesLtd/UK Film Council/Channel 4 Television Corporation

公開初日 2007/10/27

配給会社名 0871/0341

解説


名優ピーター・オトゥールが役者人生の集大成として挑んだ
愛しさにみちた人間讃歌!

 『ノッティングヒルの恋人』や『Jの悲劇』などで世界的な注目を集める、イギリス映画界の匠ロジャー・ミッシェルが名優ピーター・オトゥールを擁して紡ぎだす、ロマンチックでおかしく、愛しさにみちた人間讃歌。生きていることの哀歓、無常、切なさをリアルな映像のなかに散りばめながら、どんなかたちでも人と人との絆が培えることを美しく謳いあげていく。高年齢化社会を迎えた現代にふさわしい、大人のヒューマン・ドラマだ。
 「アラビアのロレンス」以来8度のアカデミー主演男優賞にノミネートされたピーター・オトゥールが、老境の孤独と悲哀、人生の諦観と生(性)の執着を圧倒的な表現力で演じている。

生き甲斐は、突然やってくる。
人生は捨てたもんじゃない————。

 若い頃はもてはやされ、女性とのさまざま浮名を流した俳優のモーリスも、もはや70歳代。成功したはずの俳優の仕事も最近まわってくるのは死体の役や脇役ばかりで、俳優仲間のイアンと“お迎え”を待つ日々を送っている。そんな彼がイアンの姪の娘ジェシーをみてときめいた。下品で無作法であってもこの若さの輝き、肌の張り。彼女こそわがヴィーナス、残りの人生を充実させてくれる生き甲斐だ。かくして、モーリスは邪険にされても相手にされなくても、なんのその。あらゆる手練手管を駆使してヴィーナスにアプローチ、彼女の“生の煌き”になんとか触れようとする……。

脇を固める共演陣もイギリス映画界の演技派が結集

 オトゥールを囲む共演陣も演技派が揃えられている。モーリスの親友イアンには『トゥームレイダー』などの個性派のベテラン、レスリー・フィリップス。もうひとりの友人ドナルドには『ハリー・ポッター』シリーズで、ポッターの意地悪なおじに扮したリチャード・グリフィス。ヒロイン、ジェシーには本作が映画デビューとなるジョディ・ウィッテカーが、愚かでキュートな等身大の若い女性像を熱演している。さらにモーリスの別れた妻ヴァレリーに扮するのは名女優、ヴァネッサ・レッドグレーヴ。オトゥールと同じく、1960年代に脚光を浴びた彼女がペーソスいっぱい、味のある演技を披露している。
 また、全世界注目のシンガー・ソングライター、コリーヌ・ベイリー・レイのデビューアルバムより“Like a Star”など6曲が挿入され話題になっている。

ストーリー




 70代の俳優モーリス(ピーター・オトゥール)はいつも朝食を取るカフェで、旧友の同じ俳優仲間のイアン(レスリー・フィリップス)に会う。そこでモーリスはイアンから、姪の娘がイアンのアパートに滞在することになったと打ち明けられる。イアンはその娘が美味しい魚料理ができ、ベッドサイドでベルを鳴らすとすぐに来てくれることを期待していた。

 翌日の夕方、モーリスはイアンを観劇の誘いにイアンのアパートにやって来る。イアンはひどく不快な状態にあり、若い娘はイアンの生活をすでに悲惨なものにしていた。モーリスはその女の子、ジェシー(ジョディ・ウィッテカー)に自己紹介をする。彼女は飾り気もなく無愛想で、モーリスにモデルの道を目指すつもりだと非常識なことを言う。モーリスは眠ってしまったイアンの代わりに気乗りのしないジェシーを劇場に誘う。

 ローヤル・コート劇場での芝居はひどくお粗末だった。1人のファンが劇場でモーリスに気づくと、ジェシーは彼の知名度に少し驚く。彼女は幕間に劇場を出てパブに行くことを主張し、モーリスはパブでバカルディブリーザーの美味しさを初めて知る。飲みすぎたモーリスとジェシーはよろめきながらイアンのアパートに帰り、モーリスはジェシーを何とかベッドに寝せる。

 モーリスは翌日、テレビドラマの端役を演じる。出演料を現金払いにしてくれるように頼み、そのお金を別れて暮らす妻のヴァレリー(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)に持って行く。

 モーリスがイアンのアパートにやって来ると、ジェシーが独りで家にいた。モーリスはジェシーに、美術教室のヌードモデルの仕事を見つけてきたと告げ、ジェシーを美術教室に連れて行く。ジェシーはモーリスが教室にいるならば服を脱がないと言う。モーリスは渋々教室から出て行くが、欄間窓からジェシーの裸を見ようとしてバランスを失い、教室に突っ込んでしまう。

 女性の裸身の美しさは何も恥じることではないということを見せるために、モーリスは「鏡のヴィーナス」を見にジェシーをナショナルギャラリーへ連れて行く。2人はテムズ川沿いに歩き、モーリスはシェイクスピアを回想し暗唱する。彼は昼食中に、ジェシーが自分に元気を与えてくれる存在であることに気づいていく・・・。

スタッフ

監督:ロジャー・ミッシェル
脚本:ハニフ・クレイシ
撮影:ハリス・ザンバーラウコス

キャスト

ピーター・オトゥール
レスリー・フィリップス
ジョディ・ウィッテカー
リチャード・グリフィス
ヴァネッサ・レッドグレーヴ

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