2006年/日本/カラー/88分/ 配給:東京藝術大学映画大学院映像研究科

2008年01月25日よりDVDリリース 2007年5月25日(金)〜6月1日(金)渋谷ユーロスペースにてレイトショー 

公開初日 2007/05/25

公開終了日 2007/06/01

配給会社名 0842

公開日メモ 「今は昔…」で始まる作者不詳の日本文学の古典「今昔物語」。一千年間に渡って語り継がれてきた生々しくも美しき物語を現代に読み直し、4編に凝縮されたドラマのエッセンスを、東京藝術大学大学院映像研究科黒沢清・北野武ゼミ一期生の4人の監督が過激に映像化!

解説





「今は昔…」で始まる作者不詳の日本文学の古典「今昔物語」。一千年間に渡って語り継がれてきた生々しくも美しき物語を現代に読み直し、4編に凝縮されたドラマのエッセンスを、東京藝術大学大学院映像研究科黒沢清・北野武ゼミ一期生の4人の監督が過激に映像化しました。
劇場公開、DVD販売、ネット配信といった実践的な作業を通じて映画ビジネスを学んでいる初の国立映画大学院の一期生作品です。

昨今は、“泣ける” “恐い” “笑える” といった単一機能に集約された、分かり易い映画が求められているように感じられます。乾いた身体にビタミンやアミノ酸をサプリメントの錠剤で補給するかの如く、人々は映画を観て、涙し、笑い、明日への糧を得ているのでしょうか。

映画とは、サプリメントのように摂取され、消費されるドラマ=物語なのだと仮定し、凝縮された各物語のエッセンスを短編作品として提示します。
本作は、4編の短編作品を通じて、趣の異なる4つのエンターテイメントを供給すると同時に、今日の映画のあり方に対する、学生監督たちの問題提起です。

【今昔物語とは・・・・】
平安時代末期に成立したと見られる説話集。全31巻(ただし8巻・18巻・21巻は欠けている)。インド・中国・日本の三国の約1000余りの説話が収録されています。今昔物語集という名前は、各説話の全てが「今ハ昔」という書き出しから始まっていることに由来します。
 作者については、はっきり誰が書いたものであるかは分かっていません。平易な漢字仮名交じり文(和漢混交文)で書かれ、芥川龍之介は「美しいなまなましさ」「野蛮に輝いている」と評しています。話のテンポも軽妙で、口語といった語り口調もふんだんに用いられ、典型的な平安文学とは一線を画す仕様になっています。

ストーリー

『Wrestler Jeanne』
<原作・今昔物語 悪人往生>
かつて、圧倒的な強さと人気を誇った女子プロレスラー、ジャンヌ。しかし、今では酒に溺れ、無残な姿をリングで曝け出していた。そんな彼女にある日、一通のファンレターが届く。その手紙に誘われるように、ある屋敷を訪れたジャンヌを待ち受ける予想外の事態。囚われの身となったジャンヌの、再起への奇妙な日々を綴るヒューマンストーリー。

『女の事情』
<原作・今昔物語 女盗賊>
その男は、ある日、自分の妻そっくりの女に誘われ、生まれて初めての興奮と快感に目覚める。翌朝、出社した男の周囲で起きる不可解な偶然。女は、自分の妻なのか、それとも瓜二つの別人なのか。男に仕掛けられた女たちの鮮やかなトリックの先で、男の運命は尽きようとしていた。謎が謎を呼ぶスリリングなサスペンス。

『見通しの良い道』
<原作・今昔物語 法くらべ>
その道は、見通しが良いにも関わらず、よく事故が起きる。そしてまた、婚約者を事故で失った男がいる。どこからともなく現れた少女に導かれるように、男は、婚約者の身の上に起こった真実を知る。やがて、妻を取り戻さんと躍起になる男もまた、その道の犠牲者となるのだった。独特の抑えたトーンで綴られる戦慄のミステリー。

『渚にて』
<原作・今昔物語 舞茸>
頼まれた茸を盗み出したスパイを待ち受けていたのは、その命を狙う刺客であった。からくも追っ手を振り切ったスパイが出会う修道女。ひょんなことから、茸は修道女たちの鍋の具となり、やがて彼女たちは、辺りを歌い踊る。一方、追っての一味は、スパイを追い詰め、一触即発の港に突如訪れる驚愕の出来事。ハードボイルドに語るアクション短編。

スタッフ

『Wrestler Jeanne』
渡辺ゆう子監督
『女の事情』
月川翔監督
『見通しの良い道』
大門未希生監督
『渚にて』
加藤直輝監督

プロデューサー(製作領域一期生)筒井龍平
協賛:モブキャスト

キャスト

『Wrestler Jeanne』
浦井百合、鬼界浩己、佐藤宏介、AKINO、優菜、
吉田周平、稲葉有紀、藤原習作、斉藤陽介

『女の事情』
インリン・オブ・ジョイトイ、戸田昌宏、
松木里菜、尾崎恵

『見通しの良い道』
柳ユーレイ、つぐみ、菅田俊、
クロちゃん(安田大サーカス)、野田紗也香

『渚にて』
中泉英雄、安間里恵、田代功児、高瀬アラタ、
藤原習作、酒井尊之、梓、珍しいキノコ舞踊団

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