原題:7 ans

フランス映画祭2007上映作品

2006年/フランス/カラー/86分/ 配給:オンリー・ハーツ

2008年03月05日よりDVDリリース 2007年10月6日より、渋谷シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー

(c)LES FILMS DU BELIER

公開初日 2007/10/06

配給会社名 0016

解説


愛する夫と離れなければならなくなったとき,
愛する妻を置き去りにしなくてはならないとき,
あなたならどうしますか?

7年の刑を受けた夫とその妻。
離れていればいるほど愛おしい互いの匂い,声,仕草…
わずかな面会時間の中で少しでも濃密な時を過ごそうとする二人だが,かつて分かち合った官能の記憶は二人をより切なく狂おしい思いに追い込んでいく…。

フランス映画祭2007で上映され,その繊細で緊密な描写が紡ぐ愛と悋気の物語は,フランス映画が培ってきた細部に宿る情感の喚起力を多くの映画ファンに再認識させ,彼らの強い後押しが劇場公開を実現させた。
香り
夫は,7年の刑で服役中だ。
妻は,週2回の面会に欠かさず行く。汚れた衣類を受け取り,洗濯し,アイロンをかけ,夫から贈られたゲランの香水をふりかけて,それをまた持っていく。
わずかな面会時間の中で,二人は手を取り合いキスを交わす。

愛撫
ある日,面会を終えると刑務所の出口で見知らぬ若い男が声をかけてきた。はじめは躊躇していた妻だが,しつこく言い寄る男の車に同乗する。そして乳房を優しく愛撫する男についに身をゆだねてしまう。その間車の中ではテープレコーダーが回っている…。


後日面会に行くと,夫の後ろに立つ看守を見て妻は息を呑んだ。それは激しく肉体をむさぼりあったあの男だ。夫は,妻を愛するあまり,看守に彼女と寝ることを頼み,さらに情事の録音を託していたのだ…。

胸さわぎ
何も知らない妻は,罪悪感にさいなまれながらも男との逢引を重ねる。しかしやがて事実が明らかになったとき,妻は決意する。

妻を演じるのは,サンドリーヌ・ヴェッセ監督作『マルタ…,マルタ』(2001)の主演以降進境著しいイタリア系美人女優ヴァレリー・ドンゼッリ。夫は,名実共に今のフランス映画界を代表する俳優の一人で出演作の相次ぐブリュノ・トデスキーニ(『不完全なふたり』劇場公開中)。看守は,演技派として注目を浴びるシリル・トロレイ。彼らの眼差し,仕草,息遣い,沈黙,笑みの絡み合いが,映画の細部に確固たる真実をもたらしている。

ジャン=パスカル・アトゥ監督は,アンドレ・テシネ監督の『野生の葦』(1994)『夜の子供たち』(1996)の助監督を経て,10本のドキュメンタリー作品を監督した後,今回が劇場用長編初監督作。

ストーリー



メイテの夫ヴァンサンは、7年の刑を言い渡され服役中だ。メイテは週2回の面会に欠かさず行き、ヴァンサンの汚れた衣類を受け取り、洗濯し、アイロンをかけ、それをまた持っていく。洗濯した衣類に、夫からプレゼントされたゲランの香水をふりかける。自分の香りを、自分の愛を感じるようにと……。わずかな面会時間の中で、ふたりは手を取り合いキスを交わすが、欲情は満たされることはない。この先の7年の長さを思うとメイテは心が沈んでいくのだった。

メイテは向かいに住むシングルマザーのジャミラの息子ジュリアン少年の家庭教師や世話などをして生計をたてている。そんなメイテにジュリアンはひどくなつき、子供なりにメイテに愛を打ち明けたりする。夫の服や差し入れを買うために、メイテは新しい就職口を捜すがうまくいかない。絶望感が彼女をじわじわと締め付けていく。

ある日、いつものように面会を終えると刑務所の出口で見知らぬ男が声をかけてきた。男の名前はジャン。初めは躊躇していたメイテだが、しつこく言い寄るジャンに車で送ってもらうことにした。林の中で車を止めたジャンは、メイテの乳房を優しく愛撫する。欲望のはけ口のなかったメイテは、ジャンに身をゆだねてしまう。
ジャンが車を離れたすきに、メイテは車の中にテープレコーダーがあるのを発見する。そのときは別段何も思わなかったメイテだったが、この小さな機械が、後に起こるとんでもない展開のきっかけになろうとは思いもよらなかった。

生活の一部となっているある日の面会。手を握る夫ヴァンサンのうしろに、彼を見張る看守を見たメイテは、思わず息をのんだ。それは激しく肉体をむさぼり合ったジャンだった。彼が夫の看守だとは……! メイテは混乱したまま刑務所を出る。面会を終えて房に戻ったヴァンサンが取り出したのは、あのテープレコーダー。そしてレコーダーから出てきた音は、ジャンとメイテがあえぐ声。しかもそのかたわらにはジャンもいるではないか。いったいこれはゲームなのか。それとも……?

何も知らないメイテは、欲望と罪悪感にさいなまれながら、ジャンとの逢引を重ねるのだった。そして次第に明らかになっていく事実の前でメイテは……

スタッフ

監督:ジャン=パスカル・アトゥ
脚本:ジャン=パスカル・アトゥ、ジル・トラン 、ギヨーム・ダポルタ
音楽:フランク・ドゥラブル   
撮影:パスカル・プセ
編集:アンヌ・クロッツ
美術:ソフィ・シャンドゥティ
録音:ヨランド・ドゥカルサン、グザビエ・ピロエル
プロデューサー:ジュスタン・トラン

キャスト

ヴァレリー・ドンゼッリ (メイテ)
シリル・トロレイ(ジャン)
ブリュノ・トデスキーニ(ヴァンサン)
パブロ・ドゥ・ラ・トーレ (ジュリアン)
ナディア・カシ

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