原題:Navarasa

真実(ほんとう)の自分を求める、それぞれの心の旅。

05年インド・ナショナルアワード最優秀タミル映画賞 05年モナコ国際映画祭インディペンデント・スピリット賞&助演男優賞 06年NHKアジア・フィルム・フェスティバル招待作品

2005年/インド/1時間39分/ヨーロッパビスタ1:1.66/ドルビーSR 配給:オフィスサンマルサン、カグス

2007年3月17日、ユーロスペースにてモーニング、レイト公開

公開初日 2007/03/17

配給会社名 0243/0811

解説


30万人もの人が集まるヒジュラの大祭が舞台!

男が女になり、古代叙事詩を再現するクーヴァガムの祭は、実在する南インドの女装フェスティバル。いつしかヒジュラと呼ばれるインド特有のサード・ジェンダーたちが集まる一大フェスティバルとして大きな注目を集めるようになった。映画はその祭の模様を活写しながら、性同一性障害の問題を少女の視点から描いていく。監督はインドのカリスマ撮影監督サントーシュ・シヴァン。全篇に乱舞する色彩の美しさとカメラワークの自在さは特筆ものだ。娯楽性とメッセージ性が絶妙にブレンドされた、ちょっと「濃い」清新な秀作である。また、登場するサード・ジェンダーたちはもちろんすべて実際の人々だ。堂々と自己を主張する彼女たちの祭典が今、始まる!!

ヒジュラとは?
インドの女装芸人集団。実際に性転換した者も女装だけの者もいるが、心は女である。祝い事の席で踊りを披露する芸能者として、その存在は古来からインドの伝統社会に根づいている。数年前に漫画家の西原理恵子が取材し「ヒジュラできるかな」を描いたことでも有名。

登場するサード・ジェンダー(トランスセクシャル)たち。
最初は拒んでいた少女にヒジュラたちサード・ジェンダーに対する偏見のない目を開かせることになる、この映画のもうひとりの主役ボビー・ダーリン。祭前日の美人コンテストに出場するためにやって来た彼女が、シュエータに語った彼女の生い立ちは実際のものだ。この作品でモナコ国際映画祭の助演男優賞を獲得したことが大きく報道され、彼女を絶縁していた父から和解の電話が来たという後日談がある。

また、南インドで活動するアラヴァニガル協会の会長アーシャ・バーラティも本人役で登場。クーヴァガムの祭にあわせて美人コンテストだけではなく、弁論大会やエイズ問題等の医療会議をも主宰する彼女は、インドにおけるサード・ジェンダーの新たな指導者である。堂々たる貫録でサリーを着こなす彼女が登場したことで、この映画に更なる説得力が生まれたと言える。

ストーリー




男が女になるって、どういうこと?
ヒジュラの国のアリスは途方に暮れた。

13才の少女シュエータは思春期の多感な時期。ある日、叔父ガウタムがきらびやかに女装しているところを目撃し、ショックを受ける。問い詰めるシュエータに叔父は、自分は生まれつき体は男だが心は女だったと告白する。そしてまもなくクーヴァガム村で始まるヒジュラの祭で女として生きることを誓うと。おりしも両親は不在、家を出た叔父を少女は追う。

しかし、村への道は、祭に参加するオネエ言葉のヒジュラたちで一杯。そのうえ、北インドからやって来たオカマちゃんキャラのボビーが、道案内させようとシュエータを追い回す。ボビーは祭りの前日に行われる「美人コンテストに出るの」と言う。「最悪!」と嘆くシュエータだが、結局ボビーとふたりで旅するはめに。最初はボビーを拒んでいたシュエータだが、ふとしたきっかけで心を開く。そして叔父のような人間は大勢いて、みな周囲の無理解で苦難の人生を送っていることを知る。こうしてシュエータは、ボビーに導かれ、全く知らなかった世界を体験していくのだった。はたして叔父さんとシュエータの運命は?

スタッフ

監督・原案・脚本・撮影・製作:サントーシュ・シヴァン(『マッリの種』)
共同脚本:ラージャー・チャンドラシェーカル、ヴィシュヌ・ヴァルダン
音楽:アスラム・ムスタファ
録音:ラージャー・クリシュナン・M. R.
編集:A. シュリーカル・プラサード
美術:M.A. シャー、G.R.N. シヴァシャンカル、G.R.N. シヴァクマール
配給:オフィスサンマルサン、カグス
協力:チャンネルアジア

キャスト

シュエータ(シュエータ)
クシュブー(ガウタミ/ガウタム)
ボビー・ダーリン(ボビー・ダーリン)
アーシャ・バーラティ(会長)
エッジ(シュエータの父)
アペクシャー・バート(シュエータの母)
プリンス・プラナヴ(隣の少年)

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