原題:The Brave One

許せますか、彼女の”選択”

2007年アメリカ映画/122分, 7巻, 3354m, シネマスコープサイズ/SRD/DTS/SDDS/字幕: 松浦美奈 オリジナル・サントラ盤: ジェネオン エンタテインメント/ランブリング レコーズ 配給: ワーナー・ブラザース映画

2008年03月07日よりDVDリリース 2007年10月27日(土)サロンパスルーブル丸の内ほか全国ロードショー

©2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

公開初日 2007/10/27

配給会社名 0085

解説



許せますか、彼女の”選択”

これが、彼女の答え。
ジョディ・フォスターが、最後の一線を越える—。

ジョディ・フォスターが、今まで一度も越えることのなかった一線を越える。
大ヒット作『フライトプラン』や『パニック・ルーム』で、どんな危機的状況にも決して屈することなく立ち向かっていく主人公たちのギリギリの戦いを演じ、つねに胸のすくような勝利を勝ち取ってきたジョディが、ついに、そのギリギリの一線さえも突き破る!
この作品でジョディ・フォスターが演じるのは、ごく普通のささやかな幸せを夢見ていたエリカという女性。しかし、最愛の恋人が殺された恐ろしい夜をきっかけに、彼女は自分の中の別人を知ることになる。手にしたものは拳銃。その引き鉄を最初に引いた瞬間から、彼女の人生は劇的に変わっていく。
初めは自分を守るために、次は誰かを助けるために、やがては犯罪者を裁くために——。道を踏み外していることは承知の上で、それでも彼女は引き鉄を引く。
誰でも越えようと思えば越えられる、しかし誰も越えようとは思えない。そして越えられないからこそなお、その向こう側を見てみずにはられない。そんな禁断の境界線がいま、ジョディ・フォスターによって越えられる。
ラスト15分に用意されているのは、目を疑うような衝撃の結末。ここまで思い切った終幕が果たして今まであっただろうかと思わずにはいられない驚愕の展開。それゆえに、映画を観終わったとき、誰もが逃れようのない選択を迫られる——彼女を許せるか? 許せないか?
映画を観たあとでしか出せない答えがそこにある。そしてそれは、自分でさえも驚くような答えかもしれないのだ——。

製作総指揮を務めるとともに、脚本にも深くかかわり、鬼才ニール・ジョーダンを自ら口説き落としたというジョディの、この作品に対する想いは並大抵のものではない。ふだんは人の書いた作品は撮らないし、送られてきた脚本も読まないというジョーダン監督に、そのページをめくらせ、一読めで衝撃的な感動を与え、二読めで揺るぎない決断をさせたという疑いようのない作品力。「このキャラクターをジョディが演じると考えた瞬間、正気とは思えないほどの抑えがたい衝動と、怖いほどの魅力を感じた」と語る監督と、類まれなる主演女優がともに長年抱いてきたタッグの夢が、この『ブレイブ ワン』で初めて実現する。
共演は、『Ray/レイ』『クラッシュ』で頭角を現し、『ハッスル&フロウ』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた、今最も注目を集める俳優テレンス・ハワード。彼が演じるのは、この作品の中で「最後の善人」とも位置づけられるNY市警の刑事マーサー。エリカとかかわり、彼女に次第に惹かれていく彼の存在が、恋愛と呼ぶには切なすぎる、本作きっての名シーンを生み出している。
そしてジョディ・フォスターの、体当たりというだけではもの足りない、何かをかなぐり捨てたかのような鬼気迫る演技。5度目のオスカーノミネートに最も近く、『告発の行方』『羊たちの沈黙』に続く3度目の受賞があるとすれば、この作品を置いて他にはないと言っていいほどの渾身作、それが、この『ブレイブ ワン』なのだ。
タブーへと踏み込んでいくのは、もはやエリカだけではない。
——突きつけられる選択に、あなたは自分の心の奥を垣間見る。

ストーリー









それは、幸せの絶頂を襲った突然の悪夢だった——。
ニューヨークでラジオ番組のパーソナリティーをつとめるエリカ・ベイン(ジョディ・フォスター)は、婚約者デイビッド(ナビーン・アンドリュース)との挙式を間近に控え、満ち足りた日々を送っていた。そんなある日の夕暮れ、愛犬をつれて散歩に出かけた二人は、三人組の暴漢に襲われる。金の要求に始まり、殴る蹴るの暴行、口汚い嘲りの言葉、その様子をビデオに撮ってはしゃぎながら、彼らは容赦なく二人をなぶり続けた……。
瀕死の重傷を負ったエリカが病院のベッドで意識を取り戻したのは、それから3週間後のことだった。デイビッドの母親から聞かされた彼の死。行き場のない悲しみに打ちのめされるエリカ。NY市警の担当刑事が事情聴取に訪れるが、そこにはこの事件に真剣に取り組もうという意志は感じられなかった。
退院しても心の傷は癒えない。外出しようとすると、事件のことがよみがえり、恐怖に足がすくんでしまう。一向に進展を見せない警察の捜査。被害者へのおざなりな対応。今すぐに、身を守る確かなものがほしい。エリカが手にしたのは、一挺の拳銃だった。
最初の銃弾は自分を守るために放たれた——。偶然入ったコンビニで、男が妻を撃ち殺すのを目撃したエリカは、その銃口が自分に向けられた瞬間、生き延びるために引き鉄を引いたのだ。しかし、その一瞬からすべてが変わり始める。まるでエリカの中の別人が目覚めたかのように。
深夜の地下鉄。車内で恐喝をはたらく二人組。脅えた乗客がみな逃げ出した後、車両に一人残ったエリカは、ナイフを手に近づいてきた二人をためらいもなく撃ち殺す。現場を立ち去りながら、エリカは自問する。あの時、あの場から逃げることもできたのに、なぜ?
捜査に当たったNY市警のマーサー刑事(テレンス・ハワード)は、それが金品目的の犯行ではないこと、殺されたのがいずれも前科者であることなどから、地下鉄とコンビニの事件は同一人物によるものだとめぼしをつける。事件発生に押し寄せる記者、その中にマーサーは見覚えのある人物を見つけた。エリカの入院中、別の一件で病院を訪れていたマーサーは、自分がよく聴くラジオ番組のパーソナリティーが酷い暴行事件に遭ったと聞き、意識不明で横たわるエリカの痛々しい姿を目にしていたのだ。番組用にインタビューをさせてほしいというエリカの申し出を、戸惑いながらも引き受けるマーサー。それが二人の運命的な出会いとなった。
そして、エリカは三たび引き鉄を引く。男に監禁され、売春を強要されていた少女を救い出すために。“犯罪者を裁く正体不明の処刑人”——煽り立てるマスコミに、高まる世間の関心。エリカの番組にもリスナーの声が寄せられる。英雄視する者、快哉を叫ぶ者、嫌悪をあらわにする者、自分が“処刑人”だと言い出す者……放送後、発作的に警察に駆け込んだエリカだが、その無関心な対応に、自主をするには至らない。なぜ誰も気づかない? なぜ誰も私を止めない? もう後戻りはできないのか? 思い悩むエリカの脳裏にマーサーの誠実な瞳がよぎる——。

スタッフ

監督:ニール・ジョーダン
製作:ジョエル・シルヴァー
   スーザン・ダウニー
製作総指揮:ブルース・バーマン
   ハーブ・ゲインズ
原案:ロデリック・テイラー
脚本:ロデリック・テイラー
撮影:フィリップ・ルースロ
音楽:ダリオ・マリアネッリ

キャスト

ジョディ・フォスター
ナヴィーン・アンドリュース
テレンス・ハワード
メアリー・スティーンバージェン
ニッキー・カット
ジェーン・アダムス

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