原題:The Invasion

ある朝突然、あなたの家族が、別人になっている。

2007年/アメリカ/カラー/94分/ 配給:ワーナー

2008年03月07日よりDVDリリース 2007年10月20日(土)渋谷東急系にて全国ロードショー

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公開初日 2007/10/20

配給会社名 0085

解説


ワシントンの精神科医キャロルは得体の知れない不安に襲われていた。それは、ある日を境に、まわりの人間が別人になっているのではないかという恐怖。外見は何ひとつ変わらない。しかし、そこにいるのは、自分がよく知る夫でもなければ、友人でもない。感情を持たない不気味な誰か。
やがて、不安は現実のものとなり、街中から人間のあらゆる感情が消えていく。前だけを見て歩く無表情な人の群れ。そこには怒りも憎しみもない代わりに、哀れみも愛もない。友人の医師ベンが突き止めたのは、その変化は睡眠時に引き起こされるという事実。人の心を保ち続けるには、永遠に眠らずにいるしかない……。
オフィスの同僚、道行く人々、隣人、そして愛すべき家族。周囲の人間が次々に眠りに落ちていく中、変わってしまう恐怖より、変わらずにいることのほうが恐ろしくなっていく極限状態——。それでも、彼女はたった一人で戦うことを決意する。なぜなら、感情を奪われてしまったら、もう二度と息子を愛せなくなるから。それは母親が母親でいるための壮絶な覚悟——誰も信じない、感情を見せない、そして絶対に眠らない。まわり中すべてを感情のない人々に取り囲まれ、ジリジリと追い詰められていく戦慄の中、彼女はかけがえのないもののために立ち上がる。

オスカー女優(『めぐりあう時間たち』)ニコール・キッドマンと、『007/カジノ・ロワイヤル』で不動の人気を獲得したダニエル・クレイグ、2大スターの競演で贈るサスペンス超大作『インベージョン』。
久々にエンターテイメント大作に帰ってきたニコール・キッドマンが演じるのは、強く美しい母。まさにこれこそが彼女!という会心の役を得たニコールは、片時もそらすことなく人の目を引きつける。一方、「007」以降初めてスクリーンに登場するクレイグの、ジェームズ・ボンドとは違う新たな顔も見逃せない。最も信じるべき相手さえ信じてはいけない状況で、男はどこまで愛する人を守れるのか。残酷なまでに試されるもうひとつの愛がそこにある。
監督は、製作のジョエル・シルバーをして、「今まさにこれが自分の目の前で起こっているという感覚を抱かせることができる才能の持ち主」と言わしめた『es』『ヒトラー 最後の12日間』のオリバー・シルシュビ−ゲル。そこに貫かれるのは、徹底したリアリズムと息を呑む臨場感。感情のない世界の不気味さ、誰も信じられない恐ろしいまでの不安、眠ったら最後という緊迫感。息詰まる状況は、まるで自分がその場にいるようなリアルな恐怖となって観る者に襲い掛かる!

ストーリー










彼らしくない——。
ワシントンの精神科医キャロル・ベネル(ニコール・キッドマン)は、別れた夫タッカー(ジェレミー・ノーサム)からの突然の申し出に戸惑っていた。スペースシャトルの爆発が報じられ、対策チームの一員としてワシントンに戻ってきたタッカーは、今更のように一人息子オリバー(ジャクソン・ボンド)との面会を要求してきたのだ。4年前に別れて以来、一度も息子に会おうとしなかったのに……。
時を同じくして、夫が別人になってしまったと訴える患者がキャロルのもとを訪れる。「夫はもはや夫ではない」——はじめは患者の妄想かと思っていたキャロルだが、やがて彼女の周囲で次々と不可解なことが起こり始める。
犬に襲われても平然としている息子の友だち。突然車の前に飛び出してきた女性が叫んだ「成りすましているのよ!」という言葉。その女性が別の車に撥ねられキャロルが目撃証言を申し出ても、要らないと言う警察官。撥ねたドライバーも顔色ひとつ変えていない。
キャロルのよき相談相手である友人の医師ベン・ドリスコル(ダニエル・クレイグ)も現状に違和感を覚え、同僚のガレアーノ医師(ジェフリー・ライト)とともに、原因の究明に乗り出した。
約束どおり、オリバーをタッカーのもとへ送り届けたその夜、キャロルは真夜中すぎに国税調査員の訪問を受け、その無表情な男が無理やり家の中に入ってこようとするのを寸前で食い止める。何かがおかしいという疑惑は、もはや確実な恐怖へと変わった——街を行く人々の顔からはすっかり表情が消えている。そしてネット上には家族が別人になったという告白が溢れかえっている。ガレアーノ医師が突きとめたのは、異変は睡眠によって引き起こされるという事実だった。その現象は世界規模で広がっており、各国が対応策の検討を始めるなか、なぜかアメリカだけが、新型インフルエンザが原因だとして、CDC(疾病対策センター)による大規模な予防接種を行っているのだ。そこへ、ベンの知り合いであるチェコ大使夫人から、泊まりにきている友人の様子がおかしいとの連絡が入り、研究所から大使の家へ向かったキャロルたちは、睡眠中の人間が変化していくようすを目の当たりにする。その想像を絶する光景に、キャロルはオリバーの無事を確かめずにはいられなくなり、タッカーの家に駆けつけたが、そこにオリバーの姿はなく、表情のない男女が数人、タッカーを取り囲むように集まっていた。それを見たキャロルにある考えがよぎる——CDCの要職にあるタッカーこそが、この異変を蔓延させている張本人ではないのか? しかし、次の瞬間にはタッカーに押さえ込まれ、キャロルは感染源である液体を吐きかけられてしまう。この先、眠りに落ちたら、感情のない別人になってしまうのだ。行方がわからなくなった息子を見つけるまでは何があっても眠るわけにはいかない。相手を欺くために感情も見せない、そして誰も信じない。キャロルの壮絶な戦いが始まった。

スタッフ

監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
製作:ジョエル・シルヴァー
製作総指揮:ロイ・リー、ダグ・デイヴィソン、スーザン・ダウニー
  スティーヴ・リチャーズ、ロナルド・G・スミス、ブルース・バーマン
原作:ジャック・フィニイ『盗まれた街』(早川書房刊)
脚本:デヴィッド・カイガニック
撮影:ライナー・クラウスマン
プロダクションデザイン:ジャック・フィスク
衣装デザイン:ジャクリーン・ウェスト
編集:ハンス・フンク、ジョエル・ネグロン
音楽:ジョン・オットマン

キャスト

ニコール・キッドマン
ダニエル・クレイグ ベン
ジェレミー・ノーサム
ジャクソン・ボンド オリバー
ジェフリー・ライト ガレアーノ
ヴェロニカ・カートライト
ジョセフ・ソマー
セリア・ウェストン
ロジャー・リース

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