2007年/日本/カラー/81分/ビスタサイズ/ 配給:リトルバード

2007年09月07日よりDVDリリース 2007年3月17日、シネマアートン下北沢にてロードショー

(C)2006「棚の隅」製作委員会

公開初日 2007/03/17

配給会社名 0803

解説


小さなおもちゃ屋を営む主人公・康雄のもとに、幼いわが子を残して家を出た妻・擁子が、ある日突然あらわれて・・・・・・、という発端の『棚の隅』もまた、淡々とした生活描写の中に、「男とは」「女とは」「家族とは」とリアルなテーマをつきつける。

主人公・康雄を演じるのは、北野武、塚本晋也監督作品ほかで圧倒的な個性と存在感をみせる、大杉漣。500万円という、超予算作品の本作に、「製作費の大小は関係ない。魅力的な作品には迷わず、出る」と言い切る度量の大きさで、さびれたおもちゃ屋店主・康雄の孤独と苦悩を、全身で表現。

別れた妻・擁子には、舞台出身で新人の内田量子が、「女」「妻」「母」という女性の多面性を、新人らしい伸びやかさで演じ切る。

他に「M/OTHER」「またの日の知華」の渡辺真起子、「ALIVE」ほか、北村龍平監督作品の常連・榊英雄といった映画を中心に活動する面々が、リアルな演技を展開する。

監督は、劇場映画第1作となる門井肇。8ミリ作品「ささやかなここみ」で第2回水戸短編映画祭グランプリ受賞の力量が、本作でどう実を結ぶか。

その新人・門井をサポートする形で、撮影・鈴木一博(「ヴァイブレ-ータ」「NANA」)、照明・上妻敏厚(「やわらかい生活」「小さき勇者たち〜ガメラ」)など、日本映画界を代表するスタッフが集結、低予算であることを感じさせない画面をつくり出す。

また、本作の主題歌を「永遠のパズル」ほかのヒットで知られるシンガーソングライターの橘いずみが担当。結婚後、榊いずみと改名して再出発する彼女が、脚本を読み込んで、新曲を書き下ろした。

ストーリー


小さなおもちゃ屋を営む康雄の店へ、ある日ひとりの女性が客として現れる。
 康雄と言葉を交わすこともなく、棚の隅から売れ残りの古いおもちゃを買って出ていった中年女・・・・・・、それは八年前、康雄と別れた妻、正確には男をつくって夫と幼い息子・毅をおいて、蒸発同然に家を出ていった妻の擁子だった。
 以来、擁子はたびたび康雄の店を訪れる。そしていつも同じように、売れ残りのおもちゃを買っていくのだった。
 今は再婚し、息子は継母に実の母親以上になついている。そんな平穏な生活の前に、突然あらわれた元妻と、奇妙な行動に心さわぐ康雄。
 いっぽう、擁子も新たな恋人・進藤との生活に割り切れないものを感じていた。進藤の求婚を、擁子は素直には受け入れられない。擁子の心の中には、残してきたわが子・毅の面影が強くきざまれていた。毅への思慕が、擁子を康雄の店へと向かわせていた。
 擁子は保険外交員として、康雄の妻・秀子と親しくなり、康雄一家に遊園地のチケットをプレゼントした。
 休日の遊園地。久しぶりの一家団らんを過ごす康雄たちと、離れた場所に擁子、進藤のカップルの姿があった。
 ついに康雄と擁子が言葉を交わすときがきた。康雄は擁子を観覧車に誘い、高みへのぼっていくゴンドラの中で、擁子の気持ちを考えなかった過去の罪をわびた。そして,「もう,毅には会いに来ないでほしい」と・・・・・・。擁子の目に涙があふれた。
 下りてきたゴンドラを待ちかまえるように、毅が走ってきた。康雄にではなく、擁子に一緒に乗ろうとせがんだ。その背後で、秀子が頬笑んでうなずき、進藤は知らぬふりをして,擁子をうながした。
 康雄は毅に「擁子おばちゃんは怖がりだから、手つないであげなよ」と言うと、毅は照れながらも擁子の手をしっかりとつかんだ。

スタッフ

監督:門井肇
脚本:浅野有生子
原作:連城三紀彦

製作:「棚の隅」製作委員会
(リトルバード/株式会社エイディーエム/有限会社アトゥー/tvk/テレ玉/チバテレビ/
 三重テレビ/KBS京都/サンテレビ)
企画統括:小池和洋
撮影:鈴木一博
照明:上妻敏厚
美術:井上心平
録音:高田伸也
編集:金子尚樹
音楽:延近輝之
主題歌:榊いずみ「つまらない世界」

キャスト

大杉 漣
内田量子
榊英雄
今井悠貴
徳井優
今宿麻美
江道信
渡辺真起子

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