2007年/日本/カラー/75分/ 配給:cinemusica 配給協力:アップリンク

2007年07月04日よりDVDリリース 2007年3月17日、TOHOシネマズららぽーと横浜、TOHOシネマズ流山おおたかの森にて公開 2007年3月24日、シネマート六本木にて公開

公開初日 2007/03/17

配給会社名 0802

解説


都内にある大学の大講堂。講義を終えたばかりの精神分析学者で大学教授の瀬尾朔太郎(島田雅彦)のもとにひとりの少女が不意に現れた。女子高生・長倉ゆかり(岩田さゆり)だ。彼女は瀬尾の教え子で日頃からイジメて弄んでいるちひろ(菊池亜希子)の妹で、偶然からメールをやりとりしたことはあるが会うのは初めてだった。

足首や肩にタトゥーを彫り、ピアスを耳にいくつも開けて悪ぶっているが、手首につけたビーズのミサンガがあどけない。誘惑するような視線で挑発してくるゆかりに戸惑いながらも、次第に吸い寄せられるように見つめる瀬尾。三ヶ月前に起きたある事件にこの姉妹が関係し、背後に三角関係があったことを知る瀬尾は、食指が動き、ぜひとも味わってみたいと考えていたのだ。その事件とは「海辺で白バイ警官が頭を銃で撃ち抜いた」という奇異なものだった。

瀬尾は退屈な日々を飼いならす術を心得ている、と自認している男だ。

妻で元女優のミナミ(小山田サユリ)とは一見奇妙な夫婦生活を楽しんでいた。瀬尾の最近の楽しみは関係した教え子の淫らな姿をケータイで撮影して妻のミナミに送ってやること。ミナミもそれをまったく同じように真似たり、ビニールをかぶっての「窒息ゲーム」など様々な遊びを作っては乱れた自分を撮影し、瀬尾に返信していた。そんな仮想的なゲームを通してつながりを保つ二人にとって、それは長いことセックスレスが続いている渇きをごまかす代償行為なのだ。エスカレートしていく「エサ」に反して募っていく虚しさ…。

だがこの夫婦のお遊びメールを瀬尾がちひろに送ったことで、瀬尾とミナミの夫婦関係は思わぬ方向へ転がり始めたのだ。

その猥褻な動画メールを偶然見てしまったのがゆかりだった。

17歳という年令ながら、両親は失踪して唯一の遺産であるキャンピングカーでちひろと二人で暮らす、どこか世間を冷めた目で見つめる少女だ。

ちひろのオーバードーズがひどくなり、ピーナッツを食べては吐く状態が続いているのもどうやら瀬尾が一因だった。ちひろは白バイ警官・田村(JAI WEST)と運命的な出会いをして付き合い始めたばかりだったが、症状は躁鬱を繰り返す日々。ゆかりは姉の仕返しと興味本位で瀬尾夫妻に動画メールを送信し、ゲームに加わる。

そんなある日、ゆかりの様相が一変する。体を傷つけるように派手なタトゥーやピアスを入れたのだ。それは固い決意の表明だった。ちひろの恋人、田村への復讐。

キッカケはある悲しい事故だった。

ゆかりが恋人の透(平山広行)とバイクで二人乗りしているところを田村に執拗に追われて事故を起こし、透だけが死んでしまったのだ。田村にとっては弟を暴走族に殺されたことへの狂った代償行為なのだが、どうしようもなく理不尽だ…。

田村に復讐すること—精神の不安定な姉をさらに不幸にする行為に、心は激しく揺れながらも、少女特有の残酷さでかつてなく胸がそわそわし高揚感を隠しきれないゆかり。

じっくりと過程を味わうように田村に近づいて誘惑し、そして最後の詰めとしてある計画をもって廃屋に引き入れた。ケータイで一部始終を録画して瀬尾夫婦に返信、自分で考えた罠の成功に一時の快楽に浸るゆかり。

だが、それが事件への引き金となる。

数ヵ月後、瀬尾とゆかりは運命に引き寄せられるように出会った。二人は様々な想いを秘めて「あの海」へと向かうべく、列車に乗った—。

ストーリー


スタッフ

監督・脚本:井上春生

キャスト

島田雅彦
岩田さゆり
菊地亜希子
JAI WEST
平山広行
佐藤寛子
小山田サユリ
nangi

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