原題:La Science des rêves / The Science of Sleep

いとしい人に夢でも会いたい、 そんな願いが本当になったら?

2006年 サンダンス映画祭 特別招待作品(プレミア部門)/ 2006年 第56回ベルリン国際映画祭 特別招待作品(アウト・オブ・コンペティション部門) 2006年 シアトル国際映画祭 正式出品(クロージング作品)

2006年8月16日フランス公開

2006年/フランス/カラー/106分/ 配給:アスミック・エース

2010年10月20日よりDVDリリース 2007年10月05日よりDVDリリース 2007年4月28日より渋谷シネマライズ他全国ロードショー

© couramiaud – horse created by Lauri Faggioni

公開初日 2007/04/28

配給会社名 0007

解説




いとしい人に夢でも会いたい、
そんな願いが本当になったら?
夢では完璧なのに、
現実では上手くいかない・・・
“睡眠中”に”恋愛”する
極上のロマンティック・ムービー
天才ミシェル・ゴンドリー監督待望の最新作、
『エターナル・サンシャイン』に続く超ロマンティックな愛の最高傑作

冴えない日々を送る青年ステファンは、隣人のステファニーと出会い恋をする。だが彼の思いは届かず、ならば夢の中だけでも彼女と会いたいと願い・・・。世界中を涙で包んだ『エターナル・サンシャイン』でアカデミー賞脚本賞を受賞した奇才ミシェル・ゴンドリー監督。2006年、サンダンス映画祭の会場を沸かせた話題作『恋愛睡眠のすすめ』は、フランスで公開されるや、瞬く間に600万人以上が詰めかけ大ヒットしたゴンドリー初脚本によるとびっきりキュートな愛の物語。主演にガエル・ガルシア・ベルナルと恋の相手にシャルロット・ゲンズブールと何かが起こりそうな豪華な組み合わせ。奔放な夢の中へ入れば、驚きと幸福に満ちたうっとりする世界へ。ロマンティックな極上のラブストーリーの誕生です!

この愛は夢か、現実(うつつ)か?

仕事も恋愛も何一つ上手くいかずパッとしない人生を送ってきたステファンは、父の死をきっかけに、長年暮らしていたメキシコから母のいるパリに帰郷する。そんな時、ステファンの部屋の隣にも新しい住人が引っ越してくる。引越し作業中に、運搬屋の不注意でケガをしたステファンは隣人ステファニーに手当してもらうが、引っ込み思案でシャイなため隣に住んでいることさえ言えない。やがてステファンは、クールで知的なステファニーを好きになるが、なかなか恋は上手くいかない。そんな現実から、せめて眠っている間だけでも彼女に会うため、理想的な夢ばかり見るようになる。夢の中でのステファニーとの恋愛は完璧な形で展開していく。だが次第に、ステファンは夢での出来事を現実だと思い込むようになっていって・・・。

リアルでファンタジックな究極の恋愛世界

現実で好きな人と上手くいかないのなら、せめて夢の中で会って恋を叶えたい・・・。本作は、誰もが一度は思ったことのある願望を見事に映像化する。主人公ステファンは大好きなステファニーと夢の中で(ルビ)恋人同士になる。だが、思い込みの激しいステファンは、現実でも本当に(ルビ)恋人同士だと思うようになり、夢と現実がごちゃ混ぜになっていく。そんな状況から起こるステファンの普通じゃない行動は、「好きな人に愛されたい」という人間の普遍的な想いをデフォルメにした表現だと言える。そして観客は主人公と同様に、ゴンドリーの映像マジックによって、夢か現実か幻惑されながらも物語に引きずり込まれていく。

愛に溢れる切なくも幸せなラスト

ステファニーのステファンへの愛を匂せる映画の終わりの先には、何が待ち受けているのだろうか。主人公の純粋で一途な心の葛藤、独創的でメルヘンチックな映像。リアルな恋模様。そして恋煩う者の一所懸命なあまりの愚かさを痛烈かつ奇想天外、そしてユーモアと愛に包みこんでドラマは進行する。オープニングからエンディングまで、突拍子もない展開ながらも、切なくハッピーな物語に観客は惹き込まれるだろう。

最高のスタッフ&キャストの見事なアンサンブル

ビョークなどのクリップを次々と手掛け、その魔術的とも言える独特の映像感覚で見る者を魅了してきたミシェル・ゴンドリー。一方CFでも才能を発揮し、話題作を連発し時代の寵児となる。『恋愛睡眠のすすめ』は、そんなゴンドリー監督の堂々たる長編映画3作目となる。卑近でありながらも不可解な”夢”というものに幼い頃より興味を抱いてきた彼は、「ステファンはまさに僕だよ」と言い放つほどである。それほどまでに思い入れが強く、まさにゴンドリーのパーソナルな作品と言える。ゴンドリーにしか描けないワンダーランドは、彼の人間愛とナイーヴな心、鋭い感性、無邪気な子供心によって作られている。製作は『エターナル・サンシャイン』を手がけたジョルジュ・ベルマン。人気TV-CF、ミュージック・ヴィデオでゴンドリーと組む撮影のジャン=ルイ・ボンポワン、音楽は『ヒューマンネイチュア』で挿入歌を担当したジャン=ミシェル・ベルナール。息のあったスタッフが勢揃い。ステファン役に、メキシコが誇る人気スター、ガエル・ガルシア・ベルナル。『アモーレス・ペロス』で鮮烈なデビューを飾り、数々の話題作に出演。今回は、キュートで滑稽な役柄に体当たりし、今まで観たことのない一面を見せる。ステファニー役に、永遠に魅力を失わない女優シャルロット・ゲンズブールが好演。その他、同僚のギィ役に『ムッシュ・カステラの恋』のアラン・シャバ、ステファンの母親役に『読書する女』のミュウ=ミュウが、映画ファンを楽しませてくれる。

ストーリー





もし僕が感じるように
君も感じてくれたなら──
きっと可能性は
開けると思う
人生の限界を超えて
理想に近づくことも
また限界に負けて
人生の池に落ちることも
【夢見るステファン】

引っ込み思案でシャイなステファンは、仕事も恋愛も失敗ばかりの冴えない人生を送ってきた。そんな現実から、眠っている間だけでも幸せになるため都合のいい夢ばかり見ている。ある時、メキシコで一緒に暮らしていた父親が死んでしまい、パリに戻ることに。母親が大家をしているアパートに移り住み、ついでに就職先も見つけてもらう。これでパッとしない生活も良くなると思っていた。だがイラストレーターとして雇われたと思っていたのに、現実はつまらないカレンダーの製版係。理想とかけ離れた地味で退屈する仕事。馴れ馴れしい中年の同僚や、年増の美女、小うるさい上司に囲まれて。落胆しながらも自慢のイラストを社長に売り込む。それは世界の大事故や大災害をテーマにして描いた「災害論」と題した奇抜なものだった。

【嘘から始まる恋】

ステファンが移り住んだ明くる日、部屋の隣にも新しい住人が引っ越してくる。たまたま通りがかったステファンは引越し屋の不注意でケガをしてしまい、隣人のステファニーと彼女の友人ゾーイに手当してもらう。ステファニーはクールで知的、ゾーイはキュートで快活な女の子。内気なこととケガの動揺もあり隣に住んでいることすら言えないステファンだったが、同じ感性を持つステファニーにいつしか恋に落ちていた。

【夢だったら会えるのに】

ある日、ステファンの夢での行動が原因で、ステファニーに隣人だということがバレてしまう。しかし、ステファンはそのことに全く気づいていない。彼女を好きになればなる程、夢でのふたりの恋愛は完璧な形で展開していく。その影響から、実際に恋人同士のような感覚に陥りプロポーズするが、「恋人は要らない」とあっさりフラてしまう。失恋をきっかけに、より一層夢の中での恋愛にのめりこんでいく。そして呆れられながらも再び彼女にプロポーズするステファン。
「70歳になったら、結婚してくれる?」

【夢と現実のあいだで・・・】

意外にもステファンは実生活で成功を手に入れる。”災害論”のカレンダーが大ヒットしたのだ。会社上げての盛大なパーティで、ステファンはステファニーの手を握り締める。だが彼女は、その手をさり気なく外し、クールな男性と踊りだす・・・。嫉妬と悲しみからとめどなく酒を飲み、次第に意識が遠くなっていく。ステファンは朦朧としながら”彼女に捨てられる!”と思い込むのだった。だが現実では、泥酔したステファンを優しく介抱するステファニーの姿が・・・。そして彼女の囁きは、夢の中にいる彼の耳に届かない。

「もう私の愛を疑わないで」

【幸せになれるハズがない】

翌日、ステファンは彼女の介抱を知らぬまま一方的に暴言を吐いて取り乱す。「友達なんかご免だ!」 ステファニーは酷い仕打ちに泣き出してしまう。だが彼女の涙を見たステファンは、友達として仲直りすることに。20分後にバーでの待ち合わせの約束を彼女からプレゼントされて! けれどその約束は現実なのだろうか? 都合のいい夢を見ているだけではないのか?またもや夢と現実がごちゃ混ぜになってしまうステファン。

「僕の恋は病気レベルかも」

【目を閉じて、心を開いて】

結局、ステファンは約束をすっぽかし、自暴自棄になったままパリを去る決心をする。別れを告げるため彼女の部屋を訪れるが、約束を破られたステファニーの態度は冷やか。

「現実をねじ曲げるのは、悪い癖よ」

ステファニーは、ステファン自身が気づいていないことを指摘し叱るのだった。だが果たして、今までの彼女は本当に彼を拒絶していたのだろうか? それともステファンが、不安のあまり一方的に思い込んでいただけなのか? 彼の恋はどうなってしまうのか。
別れの時は近づいてきて・・・。

スタッフ

監督:ミシェル・ゴンドリー
製作:ジョルジュ・ベルマン
脚本:ミシェル・ゴンドリー
撮影:ジャン=ルイ・ボンポワン
プロダクションデザイン:ピエール・ペル、ステファン・ローザンボーム
音楽:ジャン=ミシェル・ベルナール

キャスト

ガエル・ガルシア・ベルナル
シャルロット・ゲンズブール
ミュウ=ミュウ
アラン・シャバ
エマ・ドゥ・コーヌ
ピエール・ヴァネック

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