2003年/日本/カラー/??分/ 配給:水野晴郎事務所、M&T PICTURES

2006年09月20日よりDVDリリース 2003年07月25日よりDVDリリース 2003年公演

解説

 1995年、映画評論家・水野晴郎が満を持して世に放ったスーパーサスペンス・アクションロマン、「シベリア超特急」から8年。水野自身が企画・制作・脚本・監督・主演を務め、根強い人気を誇る同シリーズは、4作目にしてついに映画の枠を越え、活躍の場を舞台へ。それは水野晴郎、そしてMIKE MIZNOの愛と情熱が映画だけに留まらず、演劇という表現方法も人の心を魅了してやまない素晴らしいエンタテイメントだと確信した。彼のもうひとつの夢であった、未知の領域への挑戦。映画界においてその手腕を大いに認められた彼の意欲的なまなざしは,決して後ろを振り返ることなく常に未来を見据えている。 

 MIKE MIZNOだから為し得た超豪華キャスト!同シリーズに出演した名優たちが一同に会し、圧倒的な存在感で舞台を翔ける!
 公開直後からシリーズ中の最高傑作と呼び声の高い「シベリア超特急3」で、見事なまでに積年の情念と重い影を持つ女の姿を演じ切ったBEST FRIENDである三田佳子、叶わぬ愛を貫き通した宇津井健、そして友情に生きた内藤武敏という日本映画界を代表するそうそうたる面々がゲストとして出演。またMIKEがその才能を見出し鮮烈な個性を解き放った、真柄加奈子、さらに主題歌、コール・ポーターの「ビギン・ザ・ビギン」を甘く情熱的な歌声で聴かせてくれた西村協が演劇に初挑戦する。「シベリア超特急2」からは、変わらず妖艶な演技で観るものをひきつける光本幸子、物語の語り部として哀愁漂う空気をまとった安井昌ニらが特別出演。黒澤映画「生きる」で新鮮な少女役を演じた小田切みきが久々に舞台の世界にカムバック。そして同監督の作品「影武者」「乱」で名演技を見せた油井昌由樹はシリーズ第1作目からナレーションを務め、もちろん今回も参加。このあたりに、映画という枠を越えながらも,これまで支えてくれたファンを思い遣ることを忘れないMIKEの配慮が滲み出ている。そして、映画界の重鎮であり、自身も現役の役者である丹波哲郎が監督MIKE MIZNOに刺激され,本作品のために友情出演を決意。彼独特のパワーの利いた演技に要注目である。過去の名作のオマージュに加え、その独自の演出に強く共感し、MIKEを慕い集う名優と明日を担う若手の役者たち。今の日本映画界でこれだけの顔合わせが実現できる彼の人望の厚さは計り知れない。

 シリーズ第4作・・・・・・その要は、この現実社会と、MIKEが描こうとした過去の世界とが複雑に絡み合った意図に隠されている。何より自分自身を素直に実現することで、俳優でも監督でもない、MIKE MIZNOの素顔を垣間見せる。

 徹底した平和主義者である陸軍大将・山下奉文を演じることで、これまでスクリーンに託されていたMIKE MIZNOの想い。だが、MIKEの素顔を知る者は少ない。それが彼を舞台へと駆り立てる原動力の一つとなった。観客と一体となって演じること、解き放つことへの魅力・・・・・それは映画には無い、ダイレクトに思いを伝えるには最高の場所であるに違いない。年月をかけて練り上げた脚本から生み出される壮大なスケールの「シベリア超特急4」。山下でもMIKEでもない、演劇を愛する一人の男・水野晴郎としての熱いメッセージをぜひとも受け取って頂きたい。

ストーリー

 2003年、シベリア超特急4製作にあたり設けられたスタッフルーム。シリーズ3作の余韻に浸る暇もなく、映画界に新たな風を吹き込もうと挑戦を続けるスタッフ一同と、監督MIKE MIZNO。そして円熟味を増した演技派の名優たちと希望に目を輝かせた未来のスターたちが、今日もまたオーディション会場へ足を運ぶ。その陣中見舞いに届けられたウォッカで祝杯を揚げたところ、予想だにせぬ事態が。苦悶の表情を浮かべ、崩れ落ちるMIKE。グラスに仕込まれていた毒薬が、瞬時に彼の命を奪い去ったのだ。その場に居合わせた全員に犯行の機会があり、また動機もあった。
 更に浮かびあがる奇怪な事実。犯行は未完の台本を模して行われたというのだ。だがラストシーンを知る者は、絶命したMIKEただ一人。霧の彼方に隠された真相を探る手だてはただ一つ。台本通りに舞台を演じ、物語を完結させる事…。

 そして60年の時を越え甦る1941年の満州。シベリア超特急に乗り合せた山下大将を取り巻くのは、映画監督、有名画家大女優、謎の中国人と、いずれも一癖あるそうな面々ばかり。突如起こった鉄橋爆破と、山下将軍に突き付けられた殺人予告。激流のような展開を見せる山下将軍と名探偵ボギーの推理合戦。ついに謎が謎を呼ぶ事件は思わぬ方向に走り始め、大どんでん返しが一同を待ち受ける!犯人は?動機は?MIKE MIZNOが命を懸けて伝えようとしたメッセージは…。

スタッフ

演出:MIKE MIZNO
製作・原作:MIKE MIZNO
脚本:上代務・MIKE MIZNO
音楽:Bachi(大野敬正・一色洋輔)
制作:水野晴郎事務所・M&T PICTURES:
制作協力:SET(Super Eccentric Theater)
舞台監督:高島洋一(デジャ・ビュ)
美術:土屋茂明(TSUCHIYA:CO-OPERATION)
照明:日高勝彦・関嘉明(日高舞台照明)
音響:今村太志・秀島正一(サウンドクラフト)
衣装:菊田光次郎(東京衣装)
メイク:スタジオAD
演出捕:中田圭
メイキング:やなぎさわやすひこ
ナレーション:油井昌由樹

キャスト

三田佳子:三田佳子(特別出演)
宇津井健:宇津井健(特別出演)
内藤武敏:内藤武敏(特別出演)
大女優:光本幸子(友情出演)
画家:安井昌ニ(友情出演)
画家の妻:小田切みき(友情出演)
???:丹波哲郎
医師&ジミー勝田:堀正彦
助監督&文学青年:森宮隆
掃除婦&マリー(ボギーの女):金濱夏世
俳優&名探偵ボギー:渡辺雄作
プロデューサー&西条:たにし(ホームラン)
脚本家&モンゴル人の乗客:勘太郎(ホームラン)
歌手:西村協
刑事A&乗客A:三角大
刑事B&乗客B:徳秀樹
丹波哲郎お付き:やべきょうすけ
スタッフA:諏訪田寛幸
ヒロシ(西条の秘書):田中真二
少女&由紀子(ジミー勝田の娘):真柄加奈子
少年&雄太郎(ジミー勝田の弟子):江成大輝
食堂者のボーイ:安藤一平
車掌:岩田雄介
謎の中国人:中野ダンキチ
佐伯大尉:西田和昭
山下陸軍大将&水野監督:水野晴郎

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