原題:Zodiac

俺は人を殺すのが好きだ

2007年1月27日全米公開

2007年アメリカ映画/2007年日本公開作品/ 原題 ZODIAC/ 時間 2時間37分/9巻/4,302m/ シネスコ/SR・SRD・DTS・SDDS/日本語字幕 杉山緑    オリジナルサントラ盤 ジェネオンエンタテイメント/ランブリング・レコーズ  原作 ヴィレッジブックス刊 配給:ワーナー・ブラザース映画

2009年07月08日よりDVDリリース 2007年11月02日よりDVDリリース 2007年7月21日(土)より、シアターN渋谷にてレイトショー 2007年6月16日(土)より、丸の内プラゼール他にて全国ロードショー

©2007 Warner Bros. Ent. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.

公開初日 2007/07/21

公開終了日 2007/08/03

配給会社名 0085

解説



アメリカ犯罪史上、これほどまでに人々を震撼させ、そしてこれほどまでに人々を惹きつけた犯人は他にいない。その連続殺人犯は、自らを“ゾディアック”と名乗り、自分の犯罪をあたかもゲームのように演出した。
新聞社に送りつけられた犯行声明。新聞の一面に掲載させ読者の目を釘付けにした暗号文。捜査陣を挑発し、記者たちを翻弄しつづけた何通もの手紙—誰もが“ゾディアック”の発するメッセージに吸い寄せられ、犯行予告に脅え、そして謎解きに熱中した。
手がかりは、まるで撒き餌のように無数にばらまかれた。現場に残された足跡、指紋、手紙に同封された被害者のシャツの切れ端、特徴のある筆跡、好んで使われたブルーのサインペン、円に十字を描いた署名代わりのシンボルマーク、解読された暗号から浮かび上がった犯人像、そしていまだ一度も読み解かれていない2つの暗号……。
実在する“ゾディアック事件”をもとに、『セブン』のデビッド・フィンチャー監督が突きつける、今なお継続中の謎。『ゾディアック』—それは、近づけば必ず嵌る、あまりに危険な罠。真実を知りたい。その欲求は恐ろしいまでに伝播する。

ここに描かれるのは、ゾディアックに関わり、その謎に魅入られて、人生を狂わされていった4人の男たちだ。
ひとりは、“ゲーム”の舞台となった新聞社でトップを走る敏腕記者。もうひとりは、暗号の解読に取り憑かれた風刺漫画家。そして、ゾディアック事件の最前線に立ち、全米の注目を集めることになったサンフランシスコ市警の2人の刑事。
真実を知りたい、謎を解き明かしたいという、誰もが抱く重いから、彼らはゾディアック事件にのめりこんでいった。次々に現れる手がかり、抗いがたい事件の魅力、近づいたかと思えば突き放される挫折。長年にわたる執念の追跡は、やがて彼らから、健康を奪い、キャリアを奪い、平穏な家庭さえも奪っていった—。
最後まで事件を追い続けた風刺漫画家、本作の原作者であるグレイスミスは言う—ぞデイアック事件を健全なまま生き延びた者はいない、と。
ゾディアックに関わったがゆえに壊れていった男たち。しかし、ゾディアックが周到に用意した知的迷宮は、それほどまでに、謎を解き明かしたいという人間の欲求を掻き立てるのだ。実際、フィンチャーをはじめ製作陣の誰もが“ゾディアック事件”にマニアックなほど没頭した。1万ページにも及ぶ証拠や書類を調べ直し、生き残った犠牲者や生存するすべての関係者へのインタビューを試みるほど、他のどの作品でもありえなかったほどの大量のリサーチとエネルギーが、この『ゾディアック』に注ぎ込まれた。刑事さながらの調査は、何十年もの歳月が経った今になって、新たな証拠の発見という思わぬ展開さえもたらしたという。そう、事件はまだ続いているのだ。
謎に触れてしまった者は、真実を“知りたい”という欲望から逃れられなくなる。近づけば引きずり込まれていく迷宮、しかし近づかずにはいられない—それが『ゾディアック』だ。

マスコミは自分をどう伝えたのか。要求は受け入れられたのか。警察はどう動き、どこまで真相に近づいたのか。そして、世の中は自分の所業にどう反応したのか—その男は、“ゲーム”を続行するために、いつもどこかで必ず見ていた。それは、おそらくこの映画に関しても例外ではない。その男、ゾディアックが生きているとすれば、彼は間違いなく“そこ”にいる。その男は実在したのではない、今も実在しているのだ—

ストーリー



1969年7月4日、カルフォルニア州バレーホ。
ドライブ中の若いカップルが拳銃で襲われ、男性はかろうじて一命を取り留めたが、女性は9発もの銃弾を浴びて絶命した。警察に事件を通報してきた男は、電話の向こうでこう言った—「犯人は俺だ。」。
それからほぼ1ヵ月後の8月1日。新聞社に一通の手紙が届く。
「俺は去年のクリスマスにハーマン湖でティーンエイジャーを2人、7月4日にはバレーホで若い女を殺した」
のちに自らを“ゾディアック”と名乗るようになる男からの、それが第1の手紙だった。ふたつの殺人を告白し、犯人しか知りえない事件の詳細を書き記したその手紙には、さらに不気味な暗号文が添えられていた。新聞の一面にその暗号文を載せなければ、大量殺人を決行するという脅しとともに。
こうして「ゲーム」は始まった—。
新聞に掲載された暗号を読み解こうと、一般読者までもが解読に熱中した。しかし、この異常な事件に誰よりも熱中していたのは、手紙が送られてきたサンフランシスコ・クロニクル紙の花形記者ポール・エイブリー(ロバート・ダウニーJr.)と、暗号に並々ならぬ関心を寄せる風刺漫画家のロバート・グレイスミス(ジェイク・ギレンホール)だった。
暗号を解いたのはCIAでも、FBIでもなく、サンフランシスコ近郊に住む現役教師とその妻。そこから犯人の正体を知ることはできなかったが、すでに暗号解読に取り憑かれていたグレイスミスは、さらに執念深く暗号文を追い続ける。

ゾディアックのさらなる凶行と、手紙による挑発は続く。
9月27日。再び若いカップルが襲われる。ナイフでめった刺しにされ、女性が死亡。生き残った男性の証言から、黒い袋状の覆面を頭からすっぽり被ったゾディアックの異様な風体が明かされる。
10月11日。サンフランシスコ市内で、タクシーに客として乗り込んだ男が運転手を射殺。ゾディアックは手紙の中で犯行を認め、さらに現場近くで警察に尋問を受けたと告白する
—「あの夜なら自分を捕まえられたかもしれないのに」。
これを機にゾディアック追跡の最前線へと躍り出たのが、サンフランシスコ市警の刑事デイブ・トースキー(マーク・ラファロ)と、相棒のビル・アームストロング(アンソニー・エドワーズ)だった。警察で、そして新聞社で、取り憑かれたようにゾディアックを追いかける4人の男たち。次々と送られてくるゾディアックからの手紙、全米中に飛び交う偽情報、そして模倣犯の出現……そんななか、やがてひとりの容疑者が浮かび上がる。しかし、決定的な証拠は何もない。いくつもの手がかりを与えながら、証拠は決して残さず、常に一歩先で嘲笑うゾディアック。真相を突き止めようとする執念が、彼らを奈落へと引きずりこんでいく。エイブリーは酒に溺れるようになり、アームストロング刑事は殺人課を去り、英雄視されていたトースキーも証拠捏造の疑いをかけられて転落の道を辿る。
しかし、グレイスミスはまだ諦めていなかった。それゆえに、彼の人生もまた永遠に変わってしまうことになる……。

スタッフ

デビッド・フィンチャー(監督)
ジェイムズ・バンダービルト(脚本/製作)
ロバート・グレイスミス(原作)
マイク・メダボイ(製作)
アーノルド・W・メッサー(製作)
ブラッドリー・J・フィッシャー(製作)
シーアン・チャフィン(製作)
ルイス・フィリップス(製作総指揮)
ハリス・サビデス(撮影監督)
ドナルド・グレイアム・バート(美術監督)
アンガス・ウォール(編集)
デビッド・シャイア(音楽)
ジョージ・ドラクリアス(音楽監督)
ランダル・ポスター(音楽監督)
ケイシー・ストーム(衣装)
レン・クライス(音響)
ワイン・R. ティッドウェル(技術監督)

キャスト

ジェイク・ギレンホール(ロバート・グレイスミス)
マーク・ラファロ(デイブ・トッシ刑事)
アンソニー・エドワーズ(ウィリアム・アームストロング刑事)
ロバート・ダウニーJr.(ポール・エイブリー)
ブライアン・コックス(メルビン・ベリ)
ジョン・キャロルリンチ(アーサー・リー・アレン)
クロエ・セヴィニー(メラニー)
イライアス・コーティーズ(ジャック・ムラナックス巡査部長)
ドナル・ローグ(ケン・ナーロウ)
ダーモット・マーローニー(マーティー・リー警部)

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