原題:I Don't Want to Sleep Alone / 黒眼圏

花の蜜を求める蝶のように、他人との温もりを求めて彷徨う男女。 無国籍な雰囲気が漂うマレーシアの片隅で生きる人たちのささやかなオペラが奏でられる。

第7回 東京フィルメックス正式出品作品 クロージング作品 2006年ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品

2006年/台湾・フランス・オーストリア/カラー/ドルビーSR/ビスタ/ 配給:プレノン・アッシュ

2007年3月24日、シアター・イメージフォーラムほかにてロードショー 2006年11月17日(金)〜11月26日(日)有楽町朝日ホールほかにて上映

公開初日 2006/11/17

公開終了日 2006/11/26

配給会社名 0424

解説


ツァイ・ミンリャンが初めて故郷のマレーシアで撮影した最新作。賭けに負けて瀕死の重症を負う旅人と、昏睡状態の若者という「看病される男」二役をリー・カンション(李康生)が熱演。廃墟のような都会の片隅で、人々は愛を求めて彷徨し、水辺にエロスの蝶が舞う。(*ニュー・クラウンド・ホープ製作作品)

ストーリー



クアラルンプール、夜。怪しげな賭けに負け瀕死の重傷を負った宿無しの男(リー・カンション)を必死に介抱する出稼ぎ労働者のラワン(ノーマン・アトン)。同じ街の片隅で、ウェイトレスをするかたわらオーナーの昏睡状態の息子を介護している女(チェン・シャンチー)。日々の暮らしに疲れ果てた女は、傷の癒えた男と出会い、惹かれていく。ラワンと女の胸に深く棲みつく男への想い。

湿気を含んだ街並み、モーツァルトからチャップリンまで全編にあふれる音楽、建設半ばで打ち捨てられたオペラハウスのような巨大な廃墟。そして廃墟にたまる水のよどみの静寂に立ち現れる、限りない幸福感に満ちたラストシーン。ツァイ・ミンリャンが初めて故郷マレーシアで撮影した本作は、これまでにない優しさと愛おしさにあふれている。

スタッフ

監督:ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)

キャスト

リー・カンション
チェン・シャンチー
ノーマン・アトン
パーリー・チュア

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