モントリオール世界映画祭正式招待作品

2004年/日本/カラー/145分/ 配給:シネマチック・ネオ

2006年11月4日よりポレポレ東中野にてレイトショー

公開初日 2006/11/04

配給会社名 0784

解説

 2001年9月11日から5年・・・21世紀、世界は、そして日本はどこに向かっているのでしょうか。現代社会を覆う出口の見えない不安の中、この世界の自由と希望を根源的に取り戻すため、かつて天皇コラージュ作品で日本のタブーを揺るがせた異端の美術家・大浦信行が、5年の歳月をかけて恐るべき新作ドキュメンタリーを完成させました。
 映画の名は『9.11-8.15 日本心中』 。
 この映画は、現代日本のありようを、2001年9月11日に起きた米国同時多発テロとの関連で見つめ直し、ドキュメンタリーと象徴的な映像の融合による新しい表現によって、あるべき日本と世界の姿を模索しようとした作品です。極限まで研ぎすまされた映像と音声のなかに、真の「自由」を求めさまよう、出演者たちの魂のさすらいが浮かび上がってくるような、神話的ロードムービーとして完成したラディカルなドキュメンタリー映画です。
 映画の中では、元日本赤軍リーダー・重信房子を母に、パレスチナ解放闘争の闘士を父に持ち、数奇な運命を生き抜いてきた重信メイと、戦後日本の文化状況を鋭く批判し続けてきた美術批評家の針生一郎、それぞれの旅を主軸として、美術批評家の椹木野衣や思想家・鵜飼哲、哲学者・鶴見俊輔の各氏による対話や、韓国の抵抗詩人・金芝河の語りなどを通じ、私たち人類が進むべき道を探ってゆきます。
 また、藤田嗣治の戦争記録画『アッツ島玉砕』を取り憑かれたように模写する男(島倉二千六)の姿を通して、戦時中日本で多く描かれた「戦争記録画」が抱え持つ問題を、9.11以後の世界が抱える困難と重ね合わせ、それを、人間の魂が根源的に求める「自由」の問題として捉え直してゆきます。
 そして、テーマを追求するプロセスを、通常の対談やインタビュー、あるいはルポルタージュの形式で描くのではなく、東アジアの象徴的な風景や、戦争記録画、河原温、山下菊二、村上隆などの戦後〜現代日本のアバンギャルド美術、幻想的なドラマ、韓国シャーマンの「恨」の舞い、そして魂の老舞踏家・大野一雄氏の渾身の舞踏などの圧倒的な映像を織り交ぜて描いていきます。
 そうしてこの映画は、「体感する思想映画」としてめまいにも似た覚醒を観る人に与える、未曾有の作品として完成しました。

ストーリー

スタッフ

監督・脚本・編集:大浦信行
撮影・編集:辻智彦
録音:川嶋一義
韓国語監修:古川美佳
音楽:朴根鐘
唄:中山ラビ

キャスト

針生一郎
重信メイ
鵜飼哲
椹木野衣
島倉二千六
岡部心理恵
大野一雄
鶴見俊輔
金芝河

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