原題:The Road to Guantanamo

2006年ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞作品

2006年/イギリス/カラー/96分/ 配給:クロックワークス

2007年06月22日よりDVDリリース 2007年06月27日よりDVDリリース 2007年1月27日よりシャンテシネほかにて全国順次ロードショー

公開初日 2007/01/27

配給会社名 0033

解説

パキスタン系イギリス人の青年、アシフはバーミンガムの側の小さな町ティプトンで平和に暮らしていた。2001年9月、アシフは結婚式を挙げるためパキスタンへと向かい、やはりイギリスに住む友人のローヘル、シャフィク、ムニールを招待する。

パキスタン南部の町カラチで合流した彼らは、米軍の侵攻による隣国アフガニスタンの悲惨な状況を耳にする。そこで3人は自らの目で確認したいと国境を越えるが、戦闘に巻き込まれた上に米軍に拘束され、国際テロリストとしてキューバの米軍基地・グアンタナモへ送られてしまう。

ごく普通の若者が、対テロ戦争に巻き込まれ、2年以上にも及ぶグアンタナモでの収容所生活を強いられたという、イギリスはおろか世界に衝撃を与えたこの事件。映画化したのは、『24アワー・パーティ・ピープル』、『CODE46』、『イン・ディス・ワールド』など多様なジャンルの作品を作り出し高い評価を受けるマイケル・ウィンターボトムと、ウィンターボトム作品においてこれまで編集やセカンドユニットの監督を務め、コールドプレイなどのアーティストのミュージック・クリップを手がけてきたマット・ホワイトクロス。

2人はローヘル、アシフ、シャフィクへの長期に渡る取材を行い、そのインタビューをもとに製作を開始。実際の彼らに良く似た俳優を起用し、アフガニスタン、パキスタン、イランで撮影を敢行した。
そして出来上がった3人の長く過酷な旅路のドラマの中に、当人たちのインタビュー、実際のニュース映像が挿入することにより、苦境に耐え続けることで友情を深め、強く成長していく青年たちの姿を通して、米軍基地グアンタナモに潜む恐ろしい真実を、見事に浮き彫りにしている。

2006年ベルリン国際映画祭に出品された本作は、その内容から物議を醸し出し、会見には人が殺到。「グアンタナモ基地閉鎖を願って製作した」とウィンターボトムは語った。しかし、銀熊賞(監督賞)の受賞は、この作品がニュース性のあるテーマを扱っただけでなく、力強い、3人の青年達の友情と成長の物語だということを表している。
9.11以降、それを未然に防ぐためにという理由で行われている非人道的な行いと潜在する差別。そしてまた起こるテロ事件。『グアンタナモ、僕達が見た真実』はこの終わらない連鎖に一石を投じた真実の物語であ

ストーリー

アシフ・イクバル(19歳)はイギリス・バーミンガムの側の町ティプトンに暮らすパキスタン系イギリス人。両親の勧める縁談のため、故郷パキスタンと出発する。村に着き、結婚を決めた彼は、ティプトンに住む友達ローヘル・アフマド(19歳)に電話をし、結婚式に招待する。ローヘルは喜び、他の2人の友達シャフィク・レスル(23歳)とムニール・アリ(22歳)を誘い、休暇旅行と結婚式出席を兼ねて一緒にパキスタンへと向かった。

アシフとローヘルたちは結婚式前の数日を楽しく過ごしていた。ある日モスクを訪れた彼らは、モスクの導師が米軍の侵攻で混乱しているアフガニスタンへの援助を行っていて、現地へ行くボランティアの人間を探していることを知る。隣国の実情をその目で見たいという気持ちと、人助けになるのならと、5人はその仕事に参加することにする。

翌日、アシフたちはアフガニスタンに無事入国するが、直後、遠くでアメリカによる空爆が行なわれているのを目にし、不安を覚える。首都カブールに到着後、アシフが病気にかかってしまい、そこで足止めをくってしまう。町のまわりへの爆撃は日に日にひどくなる。アシフの体調が回復した時、彼らはパキスタンへ帰りたいと案内人に伝えるが、なぜか車は北の方向へ。そこはタリバン最後の拠点だった。アシフたちは彼らとともにアメリカからの空爆、北部同盟からの攻撃に逃げ惑い、ムニールともはぐれ、遂には捕らえられてしまう。

4人はアフガニスタン・シェべルガーン収容所に拘留された。収容所は人口過密で、ろくに食料も与えられない状態だった。ある日そこへ、捕虜収容所を管理しているアメリカ軍がやってくる。英語をしゃべれる者を探している、という呼びかけにアシフは名乗り出た。イギリスで育った彼には、アメリカ人は敵ではないという思いがあったからだ。しかし、その期待は裏切られる。アメリカ軍は彼を危険なテロリストだと決めつけていた。そして、アシフ、ローヘル、シャフィクは、キューバにあるグアンタナモ基地へと送られることになる——。

スタッフ

監督:マイケル・ウィンターボトム
共同監督:マット・ホワイトクロス
製作:アンドリュー・イートン
マイケル・ウィンターボトム
メリッサ・パーメンター
製作総指揮:リー・トーマス
撮影:マルセル・ザイスキンド
編集:マイケル・ウィンターボトム
マット・ホワイトクロス
音楽:ハリー・エスコット
モリー・ナイマン

キャスト

アシフ・イクバル
ローヘル・アフマド
シャフィク・レスル

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