気づきゃ、最悪のド真ん中。

2007年/日本/カラー/106分/PG-12 配給:ザナドゥー

2008年03月26日よりDVDリリース 2007年10月20日より、シネセゾン渋谷ほかにて全国ロードショー

(C) 2007「ヒート アイランド」製作委員会

公開初日 2007/10/20

配給会社名 0103

解説


 渋谷を舞台に繰り広げられる、アツくてヤバい、追走と逃走のカタルシス———。若者たちが生きるストリートのリアルと彼らのど真ん中に響くポップな笑いをちりばめながら、ビートフルなスピード感をもって攻守がめまぐるしく入れ替わる新世代のノンストップ・サバイバル・ムービーが誕生した。そう、『ヒート アイランド』が“愛と涙のルーティーン”にハマりつつある日本映画に異論を唱える!
 原作は、垣根涼介の同名小説。読者を巻末まで一気に惹き込むそのスピード感、巧妙な仕掛けを張り巡らせる圧倒的な語りで読者を魅了する垣根ワールド。『ワイルド・ソウル』で史上初となる大藪春彦賞・吉川英治文学新人賞・日本推理作家協会賞の三冠受賞を果たした彼の第2作となる本作は、まさにそんな垣根ワールドの原点とも言うべき作品である。このアキを主人公とした物語はその後、『ギャングスター・レッスン』(徳間文庫刊)、『サウダージ』(文春文庫刊)と続編が発表され、“アキ&柿沢シリーズ”としてファンの間でも支持が高い。
そんな垣根ワールドの初映画化を手掛けるのは、テレビ界の尖鋭タッグ、監督:片山修×脚本:サタケミキオだ。「木更津キャッツアイ」や「タイガー&ドラゴン」の演出を手掛け、イマドキの若者に渦巻くリアリティーをポップかつコミカルに描く手腕に定評のある片山修と、大ヒットドラマ「花より男子2」の脚本を手掛け、軽妙な筆致で物語を彩ったサタケミキオ。この2人の手によって、原作のイメージを崩すことなく、さらに豊潤な世界観を描き出すことに成功している。
 主人公のアキを演じるのは、城田優。ドラマ「ハケンの品格」や「生徒諸君!」で注目が高まっている彼が、硬派でありながら誰よりもハートフルなソウルを持つアキを見事に自分のモノにしている。冷静沈着な頭脳派のカオルを演じるのは『キャッチ ア ウェーブ』などに出演し、若手の演技派として高い評価を集めている木村了。紅一点のギャルモデル・ナオには自身もかつて雑誌「SEVENTEEN」のモデルとして活躍し、近年は『間宮兄弟』『Dear Friends』など女優としてのキャリアを着実に積み重ねている北川景子。イケメンのジュンは『タイヨウのうた』『クローズ ZERO』に出演している小柳友。さらに、人気ダンス・ヴォーカル・ユニット・AAA(トリプル・エー)の浦田直也がタケシ役として本格的な俳優デビューを果たし、角界から俳優へとうっちゃりのごとき転身をやってのけた鈴木昌平がサトルを演じる。
 プロの強盗・柿沢を演じるのは『硫黄島からの手紙』でハリウッドに進出し、今後の活躍がますます楽しみな伊原剛志。柿沢を慕う桃井には『Death Note』『ラストラブ』の細川茂樹。強盗団からの引退を間近に控えるもボストンバッグ争奪戦の蓋を開けてしまう折田には、俳優・映画監督・作家と多方面でその才能を発揮する松尾スズキ。
 その他にも実に多彩で豪華なキャストが顔を揃えている。麻川組の黒木はその確かな演技力でドラマや映画で幅広い役柄をこなし、「時効警察」ではコミカルなキャラクターで人気を博した豊原功補が演じる。麻川組の若手組員・リュウイチを『パッチギ!』で高い評価を得た若手演技派・高岡蒼甫。黒木と睨み合う関西ヤクザ・松谷組の久間には、名バイプレーヤーとして名高い近藤芳正。また、元Do As Infinityの伴都美子がバーの女マスター・ミナミ役でスクリーン・デビューを飾る。さらに南米マフィアの2人、アンドレには日本のミュージック・シーンに刺激を与え続けている東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦、ロナウドにバラエティ番組などで人気のパパイヤ鈴木を迎えている。ジャンルの壁を取っ払い、あまりに豪華な映画界・演劇界・音楽界の鬼才がここに顔を揃えた。
 音楽もまた、すごい。主題歌「ヒートアイランド」を書き下ろしたROCK‘A’TRENCH、劇中歌として楽曲を提供したSOUL’d OUT、BENNIE K、HOME MADE家族、SOULHEAD、MINMI、AIなどなど、ヒップホップ、R&B、レゲエといったリアルなストリート・ミュージックのヴァイブスを放出するアーティストがレーベルの垣根を越えて本作のために集結した。
 さあ、一瞬たりとも観逃すな、聴き逃すな! これが日本映画に風穴をあける革命の叫び、『ヒート アイランド』だ!

ストーリー



あぁ、ハッキリ言って、かなりヤバかった……。ホンキで死ぬかと思った……。

オレの名前はアキ。渋谷を仕切ってる“ギルティ”のリーダーだ。この“ギルティ”の意味は……アレ? また忘れた(苦笑)。まあ、いいや。とにかくオレたち“ギルティ”の6人が渋谷を仕切ってるわけ。ほかのメンバーは、ケンカは弱いけど頭は超キレるカオル。渋谷で一番イケてるらしい、ダサいことが大嫌いなモデルのナオ。いつもヘラヘラしてるくせに見た目だけはすこぶるいいから、最強に女にモテまくりのジュン。たぶん世界で一番バカだけど仲間の数だけは異様に多い、オナニーに一生を捧げてるタケシ。力士上がりで、ホントかどうかはわからねえけど、ガキのころに出た相撲の世界大会で朝青龍と戦ったことがあるらしいちゃんこデブ、サトル。オレたちには暗黙のルールがあって、それはドラッグとか窃盗とか意味のねえケンカには絶対に手を出さないこと。そんなことやるのは昔のチーマーみたいで超ダセえからさ。もっと有意義なことしなきゃ意味ねえっつうの。
 で、カオルの提案でオレら6人は毎週木曜にミナミさんがマスターをしてる“PINK PINK”っていうバーを会場にして、ケンカの強えヤツらを集めてファイトパーティーを開催してたわけ。そう、ブラピの『ファイト・クラブ』みたいなやつ。もちろん、ヤクザとかは一切関わらせないでオレらの力だけで仕切ってた。もう、バカみたいに盛り上がるし、金もいっぱい入ってくるし、何もかもすげえうまくいってたんだよ。あの日まではね……。
 あの日、バカタケシとちゃんこデブのサトルが“ギルティ”のルールを破ってモメごとを起こした揚げ句に、どこからどう見てもアヤしいボストンバッグを持って帰ってきてさ。中を見たら見たこともねえぐらいの大金がわんさか入ってたんだよ。で、調べてみたら予想どおり柿沢、桃井、折田っていうプロの強盗団が松谷組っていう関西ヤクザが経営するカジノからかっぱらったかなりヤバ〜い金で。ホント、マジで、全然笑えねえよ! そうこうしてるうちにオレらのファイトパーティーに目をつけてた、渋谷を仕切ってる麻川組の黒木ってヤツが出てきたり、あとになってわかったんだけど知らないところでエキゾチックなムード満載の南米マフィアまで関わっていて、気づけばオレらソッチ系の争奪バトルに巻き込まれちまったってことか……! でも、このままジッとしてても最悪オレらは殺されるわけだし……どうする、オレたち!?
 追い詰められたそんな時、ひらめいたある作戦。命に関わるヤッベー作戦だけど、やるしかないっしょ!

スタッフ

監督:片山修
原作:垣根涼介 『ヒートアイランド』(文春文庫刊)
脚本:サタケミキオ
撮影:斉藤幸一
音楽プロデューサー:志田博英

キャスト

城田優
木村了
北川景子
小柳友
浦田直也
鈴木昌平
伴都美子
伊藤千晃
高岡蒼甫
パパイヤ鈴木
谷中敦
豊原功補
近藤芳正
松尾スズキ
細川茂樹
伊原剛志

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