原題:A BATTLE OF WITS

10万の敵にたった1人で挑む。

2006年/韓国、中国、日本、香港/カラー/2時間13分/シネマスコープ/SR-D/ 提供:キュービカル・エンタテインメント+アミューズソフトエンタテインメント+松竹+小学館 配給:キュービカル・エンタテインメント+松竹

2007年07月27日よりDVDリリース 2007年2月3日、丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー

(c)2006 PUSAN INTERNATIONAL FILM FESTIVAL ALL RIGHTS RESERVED.

公開初日 2007/02/03

配給会社名 0028/0003

解説


歴史の闇に葬られた〈墨家〉
大国が小国に攻め入り、力で制する——世界史の中で数えきれないほど繰り返されてきた侵略戦争は、21世紀になっても絶えることがなく、悲劇をもたらし続けている。しかし、強者のエゴに敢然と立ち向かい、弱者を守り抜こうとした集団が2000年以上も前の中国に存在した。儒家と並ぶ勢力を誇りながら、歴史の闇に葬られた〈墨家〉である。 戦乱の世に「非攻」を掲げ、平和を目指して戦い続けた墨家。彼らは決して自ら攻撃を仕掛けることはなく、しかし守るためには戦闘のプロとなった。この集団は、春秋時代末の紀元前5世紀に思想家・墨子によって創始された。そして紀元前3世紀、始皇帝の中国統一によって戦国時代が終わると、忽然として消えた。その間200年余。彼らは、いかに戦い、いかに守ったのか?
伝説のコミック待望の映画化
 多くの謎に包まれている墨家だが、革離というひとりの墨家の男を主人公にした森秀樹(作者)と久保田千太郎(漫画脚本)によるコミック「墨攻」が1992〜96年、小学館の「ビッグコミック」に連載されると、読者の大反響を呼んだ。今なお熱く語り継がれているこのコミックの原作は、酒見賢一の中島敦記念賞を受賞した同名小説である。 日本で生まれた傑作コミック「墨攻」は海外でも熱烈なファンを獲得し、そのひとりである香港の監督が映画化を決意。日本、韓国、香港、そして墨家の故国である中国の3カ国4地域が手を組み、待望の映画化が実現した。
1人対10万人の戦い
 革離は陥落寸前の小さな城に駆けつけ、たったひとりで10万人の敵を相手にする。優れた分析能力と的確な判断力を持ち、常に先手を打って、意表をつく守城戦術の数々を駆使する革離。クールな頭脳、磨き抜かれたテクニックで強大な敵を打ち負かすさまは痛快だ。そして、一旦引き受けた任務は死に物狂いで果たすプロフェッショナリズム。その姿は、過酷な現代社会を生き抜く男たちや女たちにも重なる。 彼は決してヒーローとして表舞台に立つことのない、ひとりの孤独な男である。平和な世界を実現するという崇高な理想を胸に、ときには非情な戦士となり、ときには敵の命も惜しむ人間臭さを垣間見せる。その強さ、優しさが観る者の心を揺さぶる。
アジアの精鋭を結集
 革離には香港からアジアのトップスター、アンディ・ラウ。敵の猛将・巷淹中には韓国の国民的俳優アン・ソンギ。大物俳優2人を囲んで、次世代アジアン・ビューティーとして注目を集める中国の若手女優ファン・ビンビン、TVドラマ「春のワルツ」で日本でもブレイクが期待される韓国若手男優チェ・シウォン、台湾出身の人気俳優・歌手ウー・チーロン、そして『始皇帝暗殺』の中国の性格俳優ワン・チーウェンが国際色豊かに豪華共演。
 監督・脚本は、構想10年にして映画化を達成した『流星』のジェイコブ・チャン。香港、中国の精鋭スタッフとともに、日本からは撮影監督の阪本善尚、音楽の川井憲次らが参加。アジアの粋を集めた歴史アクション大作の誕生である。

ストーリー




 紀元前370年頃の戦国時代。趙と燕の国境にある梁城は危機に瀕していた。趙の大軍が燕に侵攻しようとしており、手始めに攻撃されるのは必至だ。百戦錬磨の巷淹中(アン・ソンギ)率いる勇猛な10万の趙軍に対し、梁城は全住民わずか4千人。頼みの綱は墨家の救援部隊だったが、間に合いそうもなく、梁王(ワン・チーウェン)は降伏を決断する。
 粗末な身なりをした墨家の革離(アンディ・ラウ)がたったひとりで駆けつけたのは、その直後だった。早くも趙軍の先遣隊がやって来ると、1本の矢で隊長・高賀用の出鼻をくじく革離。1カ月持ちこたえれば趙軍は撤退するはずだと王に説明し、兵に関する全権を与えられた彼は、さっそく城を守る準備に取りかかる。 老若男女を総動員して食糧やさまざまな物資を集め、あらゆる攻撃に備えて作戦を立てる革離。王の息子・梁適(チェ・シウォン)は、弓兵の子団(ウー・チーロン)が弓隊の統括に抜擢されたことに激しく反発するが、子団は彼と実力を競い合って見事に勝ち、革離の正しさを証明する。
 大軍が攻めてくることに怯えて逃亡を試みる者もいた。しかし、妻子を連れていた農民の蔡丘ら4人は、趙軍に捕まって尋問され、革離の存在を巷淹中に知られることとなる。
巷淹中は梁城の近くまでやって来て、革離に盤上の戦いを挑んだ。そして、革離を好敵手と見た彼は、実戦での再会を期して帰っていく。
 ついに趙軍の猛攻撃が始まった。梁城側は、囚人たちまで動員しての文字通りの総力戦である。無数の火矢が降り注いだが、革離の火災への備えは万全だった。城壁に押し寄せた趙兵たちは、硫黄の煙を浴びせられて混乱に陥ったところへ矢の攻撃を受け、さらに石や石灰まで投げつけられる。革離の狙い通り、敵は脆弱な南門に集結していった。門を破って突入した彼らを待っていたのは、火攻めの仕掛け。それを自ら動かした革離は地面に転落してしまい、そこへ高賀用が襲いかかってくるが死闘の末に彼を倒す。皆が力を合わせて戦ううちに趙軍は退却した。味方にも犠牲は出たが、ごく少数にとどまった。梁城は歓喜に沸き、革離は一躍、絶大な信頼を獲得する。
 なかでも彼に熱い想いを抱いたのは、王直属の騎馬隊を束ねる逸悦(ファン・ビンビン)だった。若く美しい彼女は負傷した革離を介抱し、ぼろぼろの靴を見かねて新しい靴を贈ろうとするが、彼は固辞する。戦いはまだ終わったわけではなく、敵は密偵や刺客を送り込んでくる。革離は巧みな方法で彼らをあぶり出し、また自ら偵察に出かけた。すると、ついてきて道案内を買って出る逸悦。ふたりは敵が地下トンネルを掘っていることを突きとめるが、敵に見つかり断崖の上に追いつめられる。泳げないにもかかわらず、眼下の水に勇気を出して飛び込んだ逸悦を、懸命に助ける革離。彼に背負われて、逸悦は束の間の幸福を味わう。
 革離は竹筒を使って地下の動きを耳で探り、トンネルが城内に達するのを待って敵を一網打尽にした。しかし真っ先に地上に出てきた奴隷の袁羽はすばやく逃げ、幼い少女を捕まえて盾にする。革離の説得で少女を放した後、皆に袋叩きにされる袁羽。革離は必死で止め、袁羽を逃がしてやった。相手が殺そうとしないかぎり、決して殺してはならないのだ。ところが、武器を捨てた大勢の趙兵を牛子張将軍は皆殺しにしてしまう。革離の言葉を誤解し、敵をより多く殺すことが最善と考えたのだった。自責の念にさいなまれ、城を去ることを考える革離。逸悦は彼にすべてを捧げようとするが拒まれてしまう。
 一方、王は革離に王位を奪われるのではと疑心暗鬼にとらわれていた。そこへ、斉の大軍が趙に攻め入ったという吉報。巷淹中の軍が呼び戻されるのは確実だ。もはや革離は不要と判断した王は、牛子張に彼の排除を命じる。王への忠誠のため、心ならずも革離を謀反の罪で逮捕しようとする牛子張。しかし、それを阻んだのは梁適だった。平和を願う革離に心酔し、人質になるふりをして彼を城外に送り出した梁適は、痛ましくも味方の矢で命を落とす。革離も重傷を負ったが、袁羽に助けられた。恩を仇で返されても恨まない革離を不思議がる袁羽。そんな彼に、ひとりで梁城を救いに来たのはトップの反対を押し切ってのことだったと明かす革離。墨家の「兼愛」とは相手を選ばない愛なのか? 袁羽に問われ、自分の心を見つめた革離は、逸悦の愛に応える決心をする。
 逸悦は、子団や多くの人たちとともに革離の一派と見なされ、逮捕されていた。彼女が馬裂きの刑に処されようとしたそのとき、趙軍の奇襲。巷淹中は大部分の兵を撤退させた後、1千の精鋭と残っていたのだ。彼の目的はただひとつ、革離に勝つことだった。全城民を人質に取った巷淹中と対決するため、革離は再び梁城に駆けつける。果たして彼は逸悦を、そして大勢の人々を救うことができるのか……?

スタッフ

監督・脚本・プロデュサー ジェイコブ・チャン
プロデューサー ホアン・チェンシン
        ワン・チョンジュン
        ツイ・シャオミン
        リー・ジュイク
        井関惺
エグゼクティブ・プロデューサー ワン・チョンレイ
                スティーブン・ン
                ホン・ボンチョル
                川村静哉
共同プロデューサー 吉鶴義光
ライン・プロデューサー マーガレット・ヤウ
アソシエイト・プロデューサー 小坂史子
製作会社 ワールド・トップ
     ハーク&カンパニー
     スモール・ポテト・プロダクション 
提供会社 ファーイー・ブラザーズ・ピクチャーズ
     サンドリーム・モーション・ピクチャーズ
     ボラム・エンタテインメント
     キュービカル・エンタテインメント
原作 漫画「墨攻」森秀樹
   (原作小説:酒見賢一/漫画脚本:久保田千太郎)
   小学館刊 
撮影監督 阪本善尚
美術 イー・チェンチョウ
アクション監督 スティーブン・トン・ワイ
音楽 川井憲次
編集 エリック・コン
照明 大久保武志
衣装 トン・ホアミヤオ

導演・編劇・監製Director, Writer & Producer 張之亮Jacob Cheung|香港
監製 Producers ?建新 Huang Jian Xin|中国
         王中軍  Wang Zhong Jun|中国
         徐小明 Tsui Siu Ming (Siuming Tsui)|香港
         李柱益 Lee Jooick|韓国
         井関惺 Satoru Iseki |日本
出品人 Executive Producers 王中磊 Wang Zhong Lei|中国
               ?天海 Stephen Ng|香港
               洪鳳哲 Hong Bongchul|韓国
               川村静哉  Seiya Kawamura|日本
聯合監製 Co-producer 吉鶴義光 Yoshimitsu Yoshitsuru |日本
策劃 Line Producer 游潔晶  Margaret Yau |香港
行政統籌 Associate Producer 小坂史子 Fumiko Osaka|日本
製作公司 Production Companies World Top (H.K.) Ltd.,|香港
                in association with Hark & Co.|日本
                and Small Potato Productions |香港
出品公司 Investors 華誼兄弟影業投資有限公司 Huayi Brothers Pictures Co., Ltd.|中国
          驕陽電影有限公司 Sundream Motion Pictures Ltd.|香港
          Boram Entertaiment Inc. |韓国
          Cubical Entertainment Co., Ltd.|日本
原著 Based on the comic"Bokkou"by Hideki Mori
(the Original work by Kenichi Sakemi, the original script by Sentaro Kubota)
published by Shogakukan Inc.

攝影指導 Director of Photography 阪本善尚Zensho Sakamoto|日本
美術指導 Production Designer 易振洲Yi Zhen Zhou|中国
動作指導 Action Choreography 董? Stephen Tung (Wai)|香港
配樂 Music 川井憲次 Kenji Kawai|日本
剪接 Editor ?志良 Eric Kong|香港
燈光 Light 大久保武志 Takeshi Okubo|日本
服裝設計 Costumes  ?華苗 Tong Hua Miao|中国

キャスト

アンディ・ラウ   劉?華 Andy Lau|香港
アン・ソンギ    安聖基 Ahn Sungki|韓国
ワン・チーウェン  王志文 Wang Zhi Wen|中国
ファン・ビンビン  范冰冰 Fan Bing Bing|中国
ウー・チーロン    奇隆Wu Chi Lung|台湾
チェ・シウォン   崔始元 Choi Siwon|韓国

ウー・マ      午馬 Wu Ma|香港
チン・シウホウ   錢小豪 Chin Siu Ho|香港
サミー・ハン    洪天照 Sammy Hung|香港
シュウ・シアントン 徐向東 Xu Xiang Dong|中国
リン・ヨンチェン  林永健 Lin Yong Jian|中国
ワン・シュアンパオ 王雙寶 Wang Shuang Bao|中国
チャン・リー    張力 Zhang Li|中国
チョウ・ポー    周波 Zhou Bo|中国

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