原題:禁室培慾

2005年/香港/カラー/35mm/カラー/モノラル/ヴィスタサイズ/89分 配給:アートポート

2010年05月21日よりDVDリリース 2006年12月22日よりDVDリリース 2006年9月23日、銀座シネパトスにて独占ロードショー

(C)2005 Art Port Inc.

公開初日 2006/09/23

配給会社名 0014

解説


獲物は捕食せず飼育する
禁断の密室で培養される慾情

『紅薔薇夫人』で退廃した愛欲世界に身を墜とす女性を体当たりで演じた
坂上香織が、獲物の男を捕らえて逆に狂気の愛欲世界に墜とす悪女を熱演。
この映画の最大の見どころは、惜しげもなく披露する肢体以上に衝撃的な坂上香織の悪女ぶり。由美は行きずりの男ケニーと関係を持つが彼には恋人がいた。嫉妬に狂う由美はケニーを監禁し、セックスを強要する。男にとってはなんとも羨ましい話であるが、そんな生易しくはない。由美から逃げようとして失敗したケニーは、目を覆いたくなるほど衝撃的で痛い罰を受ける。この悪女ぶり、このサイコぶりに良からぬ妄想もフッ飛びだ。「女は宿命の絆と感じた。男は一夜の恋と思った。」エロティック・サスペンスの名作『危険な情事』のキャッチコピーである。まさに由美は『危険な情事』でグレン・クロースが演じたアレックスそのもの。悪女ぶりはそれだけではない。由美の狂気は自ら凶器となり、血塗られた瞬間を演出する。
「そのとき、女は美しい凶器」。『危険な情事』と並ぶエロティック・サスペンスの名作『氷の微笑』のキャッチコピーである。本作での由美はまさに「美しき凶器」。シャロン・ストーン演じたキャサリンのクールさも備えた最強悪女だ。
「あなたが殺したミザリーを私が生き返らせてあげる」。女が男を監禁する映画の名作『ミザリー』のキャッチコピー。「生き返らせる」の文言が何か関係しているのではと思わせるストーリーは、製作サイドが『ミザリー』を意識したのが読めて取れる。某オスカー女優に失礼だが、ミザリーになくて由美にあるもの。それは息を呑む美貌。

ケニーを演じるのはフルーツ・チャンの『花火降る夏』や『完全なる飼育 香港情夜』のトニー・ホー。ケニーの恋人役には香港で人気のビジュアルアイドル、ヴォニー・ロイが演じている。監督は『インファナル・アフェア』シリーズや『頭文字[イニシャル]D THE MOVIE』などのカメラマンとして知られるン・マンチンで、本作が彼にとって初メガホンとなる。

ストーリー


日本人の由美は夫と愛を育んだ思い出の地香港で偶然出会った中国人カメラマンのケニーと関係を結んでしまう。ビジネスパートナーであり、それ以上の深い関係にあるニキという女性がいるケニーにとっては一夜限りの情事であったが、由美の心はそうではなかった。
個展を間近に控え、ケニーとニキは会場で打ち合わせをしていた。いつしかお互いが自然に求め合うよう2人の体がひとつになる。その姿を由美は影からひっそりと覗いていたのだ。棄てられるという恐怖心と愛の独占欲が、にわかに由美の心を覆い尽くす。
由美はニキになりすまし、メールでケニーを高級住宅が並ぶ高台の邸宅へ誘い出す。由美はケニーを縛って自由を奪った上、肉体関係を強要する。その反面、ケニーに対し優しい妻を装いけな気に世話を焼く。由美が正常な精神状態ではないことを確信したケニーは、なんとか脱出を試みるが失敗に終わってしまう。ケニーの行動に逆上した由美は、彼の足の親指を切断してしまう。その瞬間、ケニーにとってこの空間が、逃れることの出来ない地獄と化す。

スタッフ

監督:ン・マンチン
脚本:サム・レオン、ウイニー・チャン
製作総指揮:松下順一
プロデューサー:米山紳、サム・レオン
ライン・プロデューサー:サム・ガーボウ
撮影:ン・マンチン、ン・マンチェン
音楽:国広和毅
美術:リンゴ・フォン
衣装:フェーベ・ウォン
編集:タン・マントウ
プロダクション・マネージャー:チン・ウィンワイ
制作:サム・ウェイ・プロダクション、同道制作有限公司

キャスト

由美:坂上香織
ケニー:トニー・ホー
ニキ:ヴォニー・ロイ
警官:フィリップ・ン

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