2005年1月7日全米公開

2004年/アメリカ/カラー/35mm/ドルビーデジタル/101分/ 配給:ザナドゥー

2007年04月18日よりDVDリリース 2006年9月16日、お台場メディアージュほか全国順次ロードショー

公開初日 2006/09/16

配給会社名 0103

解説


 愛する妻を失い、幸せな日々を突然奪われた中年男性ジョナサン・リバース(マイケル・キートン)が、心の隙間を埋めるかのように求めるのが、映画では初めて本格的に取り扱うことになる、EVP(エレクトリック・ヴォイス・フェノミナン=電磁音声伝達現象)である。EVPとは、どの家庭にもある日常的な電子機器・・・テレビ、ラジオ、携帯電話、コンピュータなどが受信する雑音(=ホワイトノイズ)を媒体とし、死者が生きている人間にメッセージを伝えてくる現象のこと。実際にEVPを研究する学者や組織は世界各国に存在し、近年その数は、増加の一途をたどっている。

 超常現象など全く信じないジョナサンが、最初は疑惑の目を向けていたEVPを通じて死者の声や断片的な映像に魅せられ、徐々に虜になっていく。彼にとって、愛する者=亡き妻を求めることは、すなわち、死者の世界を信じ、その真実を見極めることだった。
 本作『ホワイトノイズ』は、ジョナサンの心を繊細に丹念に描きながらも、彼の周囲でEVPに関わった人々の不可解な殺人事件と奇妙な現象が次々と起き、その謎が徐々に明らかになっていくスリリングな展開に満ちた異色サスペンス・スリラーだ。
 本作は日常空間にEVPという超常現象を絡めながらもリアリズムのドラマに徹している。それを表現する重要な存在である主人公ジョナサンを演じるのは、マイケル・キートン。『バットマン』(89)や『パシフィック・ハイツ』(90)などでヒーローから悪役まで、魅力的な演じてきた彼は、人間の強さと弱さの両面を醸し出すジョナサンの内面をにじませ、観客の心をグッと掴んで離さない。そして、クライマックスで観客は、彼に導かれるようにして意外な事実を知って驚愕し、愛おしくて切ない物語に感動することになるだろう。共演には、『サイレントヒル』(06)のデボラ・カーラ・アンガー、『THE SALTON SEA ソルトン・シー』(02/未)のチャンドラ・ウェスト、『ブリジッド・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』(04)のイアン・マクニースら。彼ら芸達者な個性派俳優たちが、超常現象ホラーとは一線を画した見応えあるドラマにしている。
 監督は、イギリスBBCでマイク・ニューウェル(『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』)やダニー・ボイル(『トレインスポッティング』)と共に才能を磨き、TV回の鬼才、そして次世代を担う映画監督として注目されるジェフリー・サックスが務めている。
 アメリカではユニバーサル映画によって配給され、全米ボックスオフィス初登場第2位のスマッシュ・ヒットを記録し、センセーショナルな話題作として受け入れられた。

ストーリー

 理性と常識を備えた建築家のジョナサン(マイケル・キートン)は、一度結婚に失敗したが、ベストセラー作家アンナ(チャンドラ・ウェスト)と再婚し、前妻との間にできた子供マイケルともいい関係を築いていた。しかも、アンナから妊娠の兆候があると知らされ、幸福の絶頂にあった。ところがある日、アンナが帰宅しなかった。ジョナサンの不安を増徴するように、ラジオが突然鳴り出した。
 数日後、アンナの車が発見されるが、彼女の姿はなかった。誘拐説や事故説など様々な憶測が飛び交う中、不安と悲しみを仕事で紛らわすジョナサンの前に、謎の男レイモンド・プライス(イアン・マクニース)が現れた。アンナは既に亡くなっていて、ホワイトノイズに残されたEVP(電磁音声伝達現象)で彼女の声を聞き、やって来たと言う。ジョナサンは胡散臭い世迷言と片付けるが、ほどなく、アンナの痛いが発見され事故死したことが判明した。

 半年後、ジョナサンは気分一新しようと転居した。だがアンナへの思慕の念を断ち切れない彼は、彼女の壊れた携帯電話を捨てられずにいた。そんな中、奇妙にも彼の携帯電話にアンナからのコールが入った。そのことを不可解に思った彼は、怪しいとは感じつつもレイモンドを訪ねる。そこで自分と同じような境遇のサラ・テイト(デボラ・カーラ・アンガー)と知り合った。彼女は8ヶ月前に婚約者を失い、EVPを通じて婚約者と接触し癒されているという。
 ジョナサンは、レイモンドのガイダンスに従い、自身でもEVPの録音を始め、アンナに問いかけ続ける。ところがある日、レイモンドが何者かに殺されてしまうのだった……

スタッフ

監督:ジェフリー・サックス / Geoffrey Sax
脚本:ニアール・ジョンソン / Niall Johnson
撮影監督:クリス・シーガー / Chris Seager
編集:ニック・アーサーズ / Nick Arthurs

キャスト

マイケル・キートン
デボラ・カーラ・アンガー

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