原題:Miracle Banana

たくさん実れ!!バナナの紙

2005年/日本/カラー/105分/ 配給:ミラクルルバナナ製作委員会

2007年08月08日よりDVDリリース 2006年9月16日、シネマート六本木ほか全国順次ロードショー

(C)2005ミラクルバナナ製作委員会

公開初日 2006/09/16

配給会社名 0751

解説


バナナの木から紙ができれば、
そこに奇跡のストーリーが生まれる。

映画「ミラクルパナナ」の企画は、脚本.監督の錦織良成が書店でバナナの紙で摩きた絵本を見つけたことから始まった。学習研究祉から発行された『ミラ少ルバナナ』という絵本を、手にした錦織監督が、もっとも興味をもったのが、「バナナの紙ができるまで」という見出しにバナナ紙の作り方。説明してあるページだった。その後、錦織監督はこのプロジェクトに参加した人たちへの取材を開始した。プロジェクトリーダーの森島紘史教授をはじめ、絵本の編集長、外務省のプロジェクト関係者、当時、ハイチに派遣員として赴任していた女性、和紙の産地として有名な岐阜県美濃市など、日本での取材を重ねていくなかで脚本をつくりあげるヒントを掴んでいった。それから間もなく、錦織監督はプロデューサーと二人でハイチ共和国を訪ねたのだった。
この物語の軸となるバナナの木から紙を作るプロジェクトは、1999年に名古屋市立大学大学院教授の森島紘史氏がリーダーを努め、ハイチ共和国から始まり、カリブ諸国、アフリカへと広がった実際のプロジェクトをモチーフにしている。種類によって異なるが、バナナの木は約8ヶ月で高さ4〜5メートルに成長してバナナの実をつける。実を収穫した後は、根元から切り倒され畑に放置される。この放置されたバナナの木や葉の繊維を原材料として紙を作ろうというのが、バナナ・ペーパー・プロジェクトである。2002年ヨハネスブルクの世界環境開発サミットで発表されるなど国際的にも強い関心を得ている。
ハイチを訪ねて取材を進める中で、錦織監督は何か違和感を感じたという。ボロボロの街並み、街角に放置されたゴミの山、日本で事前に聞いていた情報の通り、貧困が大きな問題になっているハイチの現状は、ちょっと街中を車で走っただけでも否応なく目に飛び込んでくる。しかし、自分の思っていたイメージと大きく違うものがあった。それは、ハイチの人々が、底抜けに明るく、そして力強く暮らしている姿だった。日本の高度経済成長時代に生まれた錦織監督ではあるが、戦後間もない頃の貧しかった日本とハイチがオーバーラップしたという。「生きる」ということに貧欲なハイチの人々。そして、子供たちの屈託のない笑顔に、日本人が忘れてしまった大切な何かを、思い出させてくれるものがあるのではないか。そう感じた錦織監督は、帰国後、日本とハイチで積み重ねた取材から得た人物像や出来事をモチーフにして、『ミラクルバナナ』のオリジナルストーリーをいっきに書き上げた。

ストーリー

タヒチとハイチを間違えた。
行ってみたらとんでもない国だった。
だけど、何とかなるもんです。
あきらめないことって、気持ちいい!

大使館の派遣員としてハイチ共和国に赴任した三島幸子、24歳。カリブのハイチ共和国は、西半球の最貧国といわれている。政治が不安定なため生活基盤も整わず、国民は貧困にあえいでいる。そんなハイチにも日本の大使館は存在する。
ただし、その規模は小さく、臨時代理大使をはじめとする4名の日本人スタッフと数人の現地スタッフで、全ての公務がまかなわれている。2年間の限定採用で派遣された幸子といえでも、大使館員として多くの職務をこなさなければならない。
小学校の調査の帰りに車が故障したことから、幸子はジャックという少年に出会う。ハイチには学校に通わせてもらえない子供も多くいるが、ジャックは貧しいながらも学校へ行けるだけ、まだ良いほうだ。しかし、学校に行けたとしてもノートすら買ってもらえない。現地職員のフィリップに案内されて、幸子は徐々にハイチの現状を知っていく。日本に生まれ育った幸子にとっては、全てがカルチャーショックだった。ある日、日本から送られてきたビデオを見ていた幸子は、バナナの木から紙ができることを知る。ハイチでは、バナナは主食としても栽培されている。しかし、こんな貧しい国でも、実を収穫した後のバナナの木は捨てられている。それを原料に紙を作ることができれば何かが変わるかも。そう直感した幸子は、紙の研究をしている大学院生の中田を日本から呼び寄せて、バナナの紙をつくるプロジェクトを立ち上げる。しかし、ハイチの国内情勢の悪化から起きた暴動に巻きこまれ、プロジェクトは中断してしまう。

スタッフ

監督:錦織良成
プロデューサー:鈴木大介、日向武夫
製作総指揮:大富國正、藤井晃
脚本:錦織良成
撮影:柳田裕男
美術:太田喜久男
編集:掛須秀一
音楽:角松敏生
照明:吉角荘介
録音:岡本立洋

キャスト

小山田サユリ
山本耕史
アドゴニー・ロロ
スタンリー・ダルシッド
津田寛治
近藤公園
エティエン・マホロ
山田カリン
浜上竜也
日置結貴
小日向文世
山口美也子
甲本雅裕
尾美としのり
赤坂七恵
草村礼子
佐戸井けん太
かとうかずこ
長谷川初範
宮崎美子
緒形拳

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