日中友好35周年記念作品 中井貴一主演&初プロデュース  日中共同製作映画

2007年/日本・中国共同製作映画/2時間1分/カラー/ドルビーSRD 配給:角川映画 配給協力・宣伝:デスペラード 

2008年03月05日よりDVDリリース 2007年11月3日(祝・土)[恵比寿ガーデンシネマ]他にてロードショー!!

(C)2007「鳳凰」製作委員会

公開初日 2007/11/03

配給会社名 0058

解説


鳳は凰を求める・・・。鳳凰、それは不死鳥の愛。
実話を元に、激動の時代に翻弄されながらも、刑務所で出会った男女の数奇な運命を辿った、三十年に渡る愛の一大叙事詩

1920年代の中国—。恋人を助けるために些細な諍いから投獄されてしまったリュウ・ラン(劉浪/中井貴一)。反抗的なリュウ・ランは、懲罰の場で暴力夫を殺めたホン(周紅/ミャオ・プゥ)と運命的に出会う。人生に絶望し、反発していた二人は、やがて心と心を近づけていく。三十年に渡る刑務所生活で盟友リアン(老良頭/グォ・タォ)が温かく見守る中、壁を隔てた二人の愛は叶うはずがないと思われていたが・・・。
監督自らが新聞記事で読んだ実話を元に映画化。満州事変、日中戦争と続く激動の時代を通じて、中国の言い伝えである「鳳(雌)は凰(雄)を求める」の通り、お互いを唯一無二の相手として求め合ったリュウ・ランとホンの、鳳凰=不死鳥のように終わることのない愛を描いた壮大な一大叙事詩がここに誕生した。

日中平和友好条約から35年。日中関係の節目となる今年、
中井貴一が日本と中国の架け橋となる!

2003年に主演した中国映画『ヘブン・アンド・アース』で、中国でも高い評価を得たものの、「自分を出し切れなかった。必ずまた中国でやりたい」という思いを強くしていた中井貴一がめぐりあった本作は、主演俳優として全編中国語の台詞をマスターするだけでなく、中国人スタッフに混じって脚本やセットデザインなどクリエイティブな部分から参加して、初めてプロデューサーとしても挑んだ意欲作。海外作品での日本人俳優のプロデュースは本作が初となる快挙も果たしている。満州事変が勃発した日(9月18日)に生まれた自らの運命を感じながら単身中国に乗り込み、「アジアがひとつであること」を証明し、日本と中国の架け橋になる!という情熱が伝わってくる力作である。近年のアクション色の強い中国映画とは一線を画し、大陸的な素朴で温かい原点に立ち返った中国映画の姿を日本人俳優が示すことで、アジア映画の新しい時代の幕が開かれる。

中国の新しい才能が、日本を代表する俳優によって開花
監督は中国映画を世界に知らしめた張芸謀(チャン・イーモウ)や陳凱歌(チェン・カイコー)ら中国電影学院等を卒業した第五世代に続く、60〜70年代生まれの第六世代(他には『世界』『長江哀歌』の賈樟柯(ジャ・ジャンクー)等)として位置づけられる気鋭・金琛(ジヌ・チェヌ)。自分で撮りたい映画を撮るためにデジタルでビデオ作品を多く制作して資金を作る彼らは、現在、世界的マーケットで最も期待され、今日の中国映画の中心的な存在となりつつある。ヒロインのホンには中国の新しい時代を担う4大女優の一人と言われる苗圃(ミャオ・プゥ)。また、盟友リアンにはチャン・イーモウ監督作『活きる』(1994)や今年公開予定の『クレイジー・ストーン〜翡翠狂騒曲〜』等でも活躍している演技派郭濤(グォ・タォ)。また音楽は候孝賢(ホウ・シャオシェン)監督作『悲情城市』(1989)など、数々の映画音楽やTVドラマの音楽を手がけ、アジアでも高い人気を誇る日本のユニットS.E.N.S.が担当。中国の新しい才能が、日本を代表する実力派俳優のプロデュースと、映画に彩りを与えるトップアーティストの音楽によって開花した。

ストーリー



1920年代中国—。
恋人を助けるために些細な諍いからあやまって怪我を負わせ、懲役15年の罪で投獄されてしまったリュウ・ラン(劉浪)。自分を待っていてくれる恋人を想いながら、辛い刑務所生活を乗り越えるはずが、彼を待っていたのは辱められた恋人の突然の死の知らせだった。愛する人と生きる希望を失ったリュウ・ランは、恋人を死へと向かわせ、自分を刑務所へと追いやった男への復讐を誓った。
反抗的な態度のリュウ・ランは、男女混合の懲罰の場で、暴力に耐えられず夫を殺してしまった女囚ホン(周紅)と出会う。夫の子供を妊娠していたことで死刑を免れた彼女も、飛び降り事件を起こすほど絶望の淵にいた。境遇が似ていた二人は、懲罰の作業を共に行う日々の中で、心と心を近づけていく。
刑務所の中で行われた氷の彫刻大会で、リュウ・ランはホンに、自分が作った彫刻を何とか見せようとする。それは鳳凰の形をしていた。鳥と蛇が一つになった鳳凰は、酉年のホンと巳年のリュウ・ランの愛を象徴するもの。それは、直接言葉を交わすことのできない刑務所で表した愛の言葉だった。互いを見つめ合うことしかできない二人。眼差しに多くの想いを込め、常にお互いを探して視線を投げ合うことに、幸せを感じ始めていた。そんな二人の恋を見守る囚人仲間のリアン(老良頭)。彼もまた、あらぬ疑いをかけられ投獄された男で、リュウ・ランが刑務所の中で最も心の許せる友であった。リアンは八掛を見ては囚人たちの未来をあれこれと予言するが、決して当たることはない。一方でリュウ・ランとホンの仲を取り持ち、少しでも二人の距離が近くなるように手を尽くす。希望を失って日々を送る囚人にとって、二人の恋がひとつの奇跡に思えたのだ。
ある日、囚人仲間から脱獄計画を持ちかけられ、脱獄を図るリュウ・ラン。しかし、警戒線を越えようとしたとき、遠くにホンの姿を見つける。目に涙をためて首を振るホン。彼の心は大きく揺れ、引き返して脱獄をあきらめる。真に、そして永遠に一緒になるために、最後まで罪を償うことを決意したのだった。
1931年、満州事変が起こり、リュウ・ランたちの刑務所も日本人の配下となった。リュウ・ランは自分が日本語を話せない中国残留孤児であることの思いを強くする。海で溺れた自分を命がけで助けて死んだ日本人の母の話を中国人の養母から聞かされていたからだった。そして、日中戦争へとつながる激動の時代に翻弄されながらも、愛を深めていた二人がお互いの想いを確認できた矢先、男女分離収監が決定し、女囚たちは別の刑務所に搬送されることとなった。突然の別れに驚きと悲しみを押さえきれない二人。ホンは泣き叫びながら、リュウ・ランの元を去っていく・・・
「わたし、待っているから!あなたが出てくる日を!」
1945年、戦争が終わった。月日は過ぎ、リュウ・ランは恩赦となり、ホンは地震で崩壊した刑務所の唯一の生存者として共に出所していた。ひと時も互いを忘れたことのない二人だったが、互いを探し出す手がかりは乏しい。ホンは、かつてリュウ・ランがいた刑務所を訪ね、鳳凰のしるしを見つける。リュウ・ランを想って、涙を流すホン。一方、リュウ・ランは果てなき人の海の中を、ホンの足取りを追って旅に出た。かつて、盟友のリアンに言われた「リュウ・ラン、お前がホンを探し出したとき、二つの魂は何者にも邪魔されることなく永遠に一つになれるのだ」という予言を胸に。
鳳(雌)は凰(雄)を求める—。鳳凰、それは不死鳥の愛。終わることのない我が愛こそホンであると信じてきたリュウ・ラン。数十年もの月日を経ても変わることのなかった愛の果てに、待ち受けていたものは・・・。

スタッフ

監督:金琛(ジヌ・チェヌ) 
エグゼクティブ・プロデューサー:角川歴彦、蔡冠深(ツァイ・グァンシェン)、韓宏飛(ハン・ホンフェ)
プロデューサー:中井貴一、高秀蘭(シャーリー・カオ)、坂上直行
脚本:申捷(シェン・ジェ)
原案:金琛(ジヌ・チェヌ)
撮影:孟暁清(モン・シャオチン)
美術:周一沙(チョウ・イーシャー)
録音:安巍(アン・ウェイ)
ラインプロデューサー:王?(ワン・イー)
現場監督:臧啓武(ツァン・チーウー)
編集:杜媛(トゥー・ユエン)
特殊メイク:江川悦子
メイク:藤井俊二
衣装デザイン:杜度(トゥー・ドゥー)
特撮:阿冬林(アー・トンリン)
音楽:S.E.N.S.(メインテーマ「Crossing Over」)
挿入歌:「鳳求凰」王楡(ワン・イー)
日本版字幕:水野衛子

製作:角川映画/香港新華傳媒集団/エンジンフイルム/衛星劇場/ニューウェイブ/シネマ・インヴェストメント/デスペラード
共同製作:天津電影製作廠/中国電影合拍公司
製作賛助:インディペンデント・フィルム・ファンド
宣伝協力:朝日新聞社
協賛:ANA
支援:文化庁
小説「鳳凰 わが愛」(角川文庫刊)

キャスト

リュウ・ラン(劉浪):中井貴一
ホン(周紅):苗圃(ミャオ・プゥ)
リアン(老良頭):郭濤(グォ・タォ)
フォン(鳳児):孫青青(スン・チンチン)
ディン(丁根):余皚磊(イー・カイレイ)

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