第11回釜山国際映画祭「A WINDOW ON ASIAN CINEMA」部門ワールド・プレミア公式上映 第57回ベルリン国際映画祭「インターナショナル・フォーラム・オブ・ニューシネマ」部門正式招待作品

2006年/日本/カラー/94分/ 配給:シナジー

2007年08月29日よりDVDリリース 2006年12月23日、シネマスクエアとうきゅうにて公開

公開初日 2006/12/23

配給会社名 0341

解説


笑って生きる人たちの、心がつながる映画、誕生。

人は1人で生まれ、一人で死んでいく、孤独を抱いて生きているから、心の指先を伸ばして誰かとつながりたいと思う。普通に見える家族の日々の中で、父と母、母と娘、姉と弟それぞれの心のつながりが見えた瞬間、『無花果の顔』は観る人の心と、つながっている。

無名の新人女優としてチャレンジしたハリウッド映画『SAYURI』で、国際的に高い評価を獲得。以降、ロサンゼルスに拠点を移し、世界に視野を広げた躍進を続けている桃井かおり。作家、歌手、ジュエリーデザイナーの顔を持つ彼女は、自然体の生き方が最も輝いているエイジレスな女性として、あらゆる世代の人々から絶大な支持を得ている。
そんな桃井かおりが。2006年、新たにチャレンジしたのは、映画監督という仕事だった。『時刊MOMOI KAORI』に連載していた小説(『無花果の顔』)と、4本の短編( 『おんな隣り』『三連坂』『いちじくの木』『サザンカ赤い花』)を元に、自ら原案と脚本を執筆。その演技と同様に、誰にも真似の出来ない独創的なスタイルの映画を作り上げた。

『無花果の顔』の主人公は、庭に無花果の木が植えられた古い日本家屋に住む門脇家。ありふれた日常を生きているように見えながら、実はそれぞれにドラマチックな人生を歩んでいく彼ら4人家族の姿を、桃井監督は、不思議なファンタジーの余韻を漂わせながら描き上げていく。家出、死、引越し、再婚、出産。思いがけなくやってくる人生の節目に、おたがいの秘密を知って驚き、さりげなく絆を意識することになる家族たち。
『人と人は何を頼りに結び合っているのだろう?』と問いかける桃井監督は、スナップ写真の中に瞬間的に切り取られ、お菓子の缶の中に無造作に積み重ねられていく家族たちの歴史の中にその答を求め、血のつながりよりも確かな心のつながりを、観る人の感覚に訴える<映画の言葉>を通じて、映像の中に刻み付けていく。
懐かしいけれど新しい、おかしいけれど切ない、リアルだけどシュール、アンビヴァレントな個性が際立つ語り口によって繊細に紡がれていく、家族の、人生の物語。実が成らず、花も咲かなかった無花果の木が、家族の思いに培われて白い花をつけるラスト・シーンには、ふんわりとした心地よい感動が広がる。

ヒロインの「娘」を演じるのは、本作が初の映画主演作となる山田花子。女性お笑いタレントとして不動の人気を得ている彼女だが、今回は、プロ・アマ問わずに集まった5千人を超える一般公募の中から、その勇気を桃井監督に買われて、この役に大抜擢された。そんな山田の「寡黙な熱演」をドンと受け止める「母」に扮するのは、「キャスティングの苦労がひとつ減るから」という理由で、自身を起用した桃井かおり。いつもながら存在感満点の演技を見せる彼女に加え、「父」を演じる石倉三郎、「新しい父親」を演じる高橋克実など、個性豊かなベテランが脇を固めている。

桃井かおりの初監督を盛り立てるべく、スタッフには、日本映画界を代表する豪華な顔ぶれが集結した。
美術監督を務めるのは、鈴木清順監督との40年以上にわたるコラボレーションで知られ、『ツィゴイネルワイゼン』と『式部物語』で日本アカデミー賞最優秀美術賞を受賞している木村威夫。撮影は、『蝉しぐれ』で日本アカデミー賞撮影賞を受賞した釘宮慎治。照明は、『世界の中心で、愛をさけぶ』で日本アカデミー賞最優秀照明賞を受賞した中村祐樹。また、衣装デザインは、クリエイターとして多方面で活躍し、『春の雪』や『オペレッタ狸御殿』の衣装を手掛けた伊藤佐智子が担当。美術と呼応しあうポップなデザインで、映画のお洒落な世界をひきたてている。

ストーリー

スタッフ

監督:桃井かおり
製作:菊野善衛
川原洋一
エグゼクティブプロデューサー:桑田瑞松
植田奈保子
統括プロデューサー:日下部哲
協力プロデューサー:原和政
原作:桃井かおり
脚本:桃井かおり
撮影:釘宮慎治
美術:安宅紀史
美術監督:木村威夫
衣装デザイン:伊藤佐智子
編集:大島ともよ
音楽プロデューサー:Kaz Utsunomiya
VFXスーパーバイザー:鹿角剛司
スーパーバイザー:久保貴洋英
照明:中村裕樹
録音:高橋義照
助監督:蘆田完
アートディレクション:伊藤佐智子

キャスト

山田花子
桃井かおり
石倉三郎
高橋克実
岩松了
光石研
渡辺真起子
HIROYUKI

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