原題:PINK NARCISSUS

—妖しくキケンな世界へようこそ。 嫉妬するほど強烈に美しい!!伝説であり最もスキャンダラスな映画 —

1971年/アメリカ/71分/ 配給;メダリオンメディア / JAP GARDEN

2007年11月22日よりDVDリリース 2006年7月29日、シアターN渋谷にてレイトショー

公開初日 2006/07/29

配給会社名 0736/0737

解説


60年代当時のゲイ・アイコンであったボビー・ケンダールをフォト・ジェニックならぬ“ホモジェニック” として、魅惑とともに美しい色づけで彼の世界に封じ込めた監督ジェイムス・ビドグッド。その美しい愛に溢れた彼の描写は、今だからこそ新しく、神秘的。

『ピンクナルシス』をモチーフにした作品でも有名な写真家ピエール&ジルや、アート性と禁断美で定評のある奇才ケネス・アンガーなどの、ひときわ異彩を放つアンダーグラウンドの流れを『ピンクナルシス』から改めて発見することができるだろう。

—妖しくキケンな世界へようこそ。

<嫉妬するほど>強烈に美しい!!伝説であり最もスキャンダラスな映画 —

1964年、ボビー・ケンダールがアメリカの雑誌「Young Physique」誌8月・9月号の表紙を飾った。半裸の男性の写真が多く掲載されているような雑誌である。前月号で、”Sandcastle(砂の城)”という一連のシリーズ写真に取り上げられた彼は、すでに読者の間に一種の現象を呼び起こしていた。そのときの雑誌の記事は以下のようなものであった—

何かを見たときに、「よかった」なんて落ち着いていられるのはたいしたものじゃない。「強烈にいい!」って感じるものには、もっと強烈に「欲しい!」と思わせて止まないものだ。というわけで、今月の表紙はボビー・ケンダール。映画「ピンクナルシス」の主演が決まっている。「ピンクナルシス」−それはリアリティーの終焉であると同時に幻想の始まりであり、そこで起こる若い男性の初めてのそして唯一の愛の話である。その美しいセットは、彼の、のちのプロジェクト” Les Folies des Hommes”(男の狂気)で撮られた写真のように繊細なものだ。

圧倒的にピンクのライトを浴びるボビー・ケンダールの顔はあどけなく、まるで催眠術にかかったようだ。真っ白いタイツをはいてプラスティックのアンクルブーツが印象的だが、あれは「ピンクナルシス」が完成する6年半も前に撮られたものである。

「ピンクナルシス」はアンダーグランドの世界では伝説となり、多くの国で成功を収めた。だが一方で、撮影のいきさつはなぞに包まれており、いろいろな憶測やウワサが流れた。ハリウッドの有名監督が撮ったのだ、とか、私生活を撮った私的映画のため、宣伝はなかったのだ、といわれた。当時のポスターには次のように書かれている。

「ピンクナルシス」幻想のなかでの想像を絶する体験!

制作・プロデュース・監督・撮影:匿名

配給会社のパブリシティには、次のようにある。

映画業界でこれだけの憶測が飛び交っていますが、配給側としては監督のプライバシーに対する意思を尊重し、クレジットには情報を載せません。

Narcissus(ナルキッソス)は自分の姿に惚れ惚れしながら、愛に堕ちていくというもので、コクトーの面影や、ケネス・アンガーの要素を含みながらも、ディズニーやダリ、クラッシックハリウッドとも接点があった。この世界は後になって、ピエール&ジルや、マシュー・ストラドリングなどの作品によって、再発見されていくのである。

「ピンクナルシス」はゲイ映画製作史上、ランドマーク的な映画である。そのパワーは衰えることを知らない。ホモセクシャル叙情的映画の傑作だ。マスタベーションの欲求を「ナルキッソス」の物語の隠喩としているアイディアもさることながら、俳優の肉体的魅力も十分に発揮されていて素晴らしい。舞台、照明、衣装そしてスペシャルエフェクトなど全てが見事なコンビネーションで、圧巻の映像化が実現したのである。

ストーリー


スタッフ

監督:ジェームズ・ビドゲッド
音楽:マーティン・ジェイ・サドフ

キャスト

ボビー・ケンダル

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す