原題:Praha!

これは目を開けて見る黄金の夢!

2001年/チェコ/110分/提供:レントラックジャパン  配給:アンプラグド

2006年11月22日よりDVDリリース 2006年4月29日(土)より、渋谷Q-AXシネマにてレートロードショー、ほか全国順次公開!!

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公開初日 2006/04/29

配給会社名 0712

解説


その気品から、魔法の都と言われるチェコ・プラハ。
輝ける60年代を舞台にした、
レトロでスタイリッシュなチェコデザインが美しい恋愛ドラマ!!

決して映画大国ではないチェコにおいて、国民の20人に1人が見たという大ヒット映画『プラハ!』
チェコ国民なら誰もが苦い過去として背負っている1968年の“プラハの春”事件を真正面から描いた社会派作品でありながら、悲しみを前面に押し出さずエンターテインメント作品として、現代の感覚で描いている。

“魔法の都”と呼ばれるプラハの町並みは世界遺産にも登録されており、かつては『アマデウス』や近年では『ミッション・インポッシブル』などの撮影現場に使われるなど、今や、他の都市では見られなくなってしまった古き良きヨーロッパの重厚な魅力を静かにたたえている。本作でも、伝統ある教会や古い石畳、6クラシックカーなどが随所に使われており美しい60年代の街並を完璧に再現した。

第2次大戦後の冷戦時代に、共産主義の中での民主化を目指したチェコスロヴァキアに訪れたソ連からの突然の軍事侵略。幸福に満ちていた国民は戸惑った。幸せだった家族や恋人たちにも重い体制がのしかかる。映画の中でも突然にやって来る軍隊の侵攻はチェコ国民の率直な感情を反映しているのだという。

これは、目を開けて見る、黄金の夢!
監督フィリプ・レンチは、プラハ芸術アカデミー映画学部(FAMU)という世界最古の映画学校時代にチェコ黄金期の秀作『ひなぎく』(‘66)の監督ヒチロヴァーに教えを受けた。CMディレクターとしても名高い彼は、60年代当時チェコで流行していたポップアートのような幾何学セットを用い、ヒチロヴァーばりのカラフルで可愛いレトロ・ファッションとキュビズム・デザインを融合させた。フランスのキュビズムから来たこのデザインは戦前にチェコ特有の建築デザインとして定着。60年代のチェコ映画黄金期を思わせるスタイリッシュでカラフルなダンスシーンの中に再現したことで国民の幅広い支持を得た。

夢と現実がオーヴァーラップするシーンの中で眩しいほどに次々展開されるダンスはとにかく楽しい。雨のシーンでパラソルを使ったミュージカルと言えば『雨に唄えば』(‘52)が有名だが、ミュージック・クリップを数多く手掛けるレンチは、パラソルに赤、黄、緑といった鮮やかな色使いを加えキッチュなダンスシーンに仕上げている。

“輝けるダンス”と“プラハの春”という明と暗を巧みに物語に織り込み、『プラハ!』は映画としても大ヒットを収めたが、サウンドトラックはその年のベストセラーになっただけでなく、今日に至るまでチェコ史上最も売れたCDとなっている。チェコ国内の映画賞であるチェコ・ライオン賞で衣装賞と作曲賞を受賞し、ピルゼン・フィルムフェスティバルでは最高観客賞を受賞。関連本や舞台版ミュージカル版も大ヒットし、ようやく日本に上陸。

ストーリー


失った祖国、失いたくない恋。
舞台は1968年初夏のチェコスロヴァキア。社会主義体制の下にありながら民主化が進み、後に“プラハの春”と呼ばれる、のどかな時代を迎えていた頃。
ドイツ国境近くの小さな町に住む3人の女子学生テレザ、ブギナ、ユルチャは高校卒業を控え、燃えるような恋とロストバージンに憧れている。垢抜けた彼女たちは学校の人気者だが、言い寄って来るクラスの男の子(オルダ)たちは幼稚で全く相手にならない。
一方、徐々に締め付けが厳しくなっていく社会主義体制に反対し、アメリカ亡命を夢見る3人の若い兵士シモン、ボプ、エマンがワルシャワ条約機構軍を脱走して町に逃げて来る。 
偶然、駅で出会ったテレザとシモンはお互いに惹かれあう。
その日、テレザの父親が経営しているレストランに、シモンたちがやって来る。
その様子をこっそり覗き胸をときめかせるテレザは、彼らを教会の修繕に来た修復工だと勘違いしてしまう。
シモンたちは、町の郊外に隠れ家を見つけ、自由の国アメリカに行く夢を語り合っていた。
1週間後、卒業試験のため学校に向かったテレザは駅でシモンと再会。見つめあう2人。
「修復工の仕事をしているの?」というテレザの質問にシモンは答えることが出来ない・・・。
試験が終わると、テレザたちは羽を伸ばすためシモンたちを遊園地でのデートに誘う。
遊園地は人目につく場所だけに彼らは一瞬ためらうが、彼女たちに連れられデートに出かける。
と、そこへオルダたちがパーティの誘いにやって来る。男たちは険悪な雰囲気になるが、警官を見つけたシモンたちは慌てて帰ってしまう。
人目につく場所は危険だと感じたシモンらは、自分たちの隠れ家にテレザたちを招待しパーティを開く。その頃、彼らを不審に思い尾行してきたオルダは隠れ家の窓から中の様子を覗いていた。
やがて3人それぞれが恋に落ち、一夜を共に迎える。
翌朝、国境を越える列車を見つけた彼らは急いで荷物をまとめるが、変化を察知した彼女たちは、彼らが脱走兵だということに気付く……

スタッフ

監督:フィリプ・レンチ
製作:フランチシェク・ヤンダ
脚本:ズデニェク・ゼレンカ

キャスト

ズザナ・ノリソヴァー
ヤン・レーヴァイ
ヤロミール・ノセク
アルジュビェタ・スタンコヴァー
アンナ・ヴェセラー
ルボシュ・コステルニー

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