原題:Green Tea

2002/中国/89分/提供:レントラックジャパン/ 配給:キネティック

中国映画の全貌 2007にて上映::http://www.ks-cinema.com/schedule.html 2006年11月22日よりDVDリリース 2006年4月15日(土)より、東京都写真美術館ホールほか全国順次ロードショー

公開初日 2006/04/15

配給会社名 0026

解説


緑の茶葉がゆらめくとき
どこでもない孤独な都市のどこかで
ぬくもりを求める女と男の
愛のゲーム駆け引きが始まる

互いに顔を知らない男女が出会うデート。待ち合わせ場所の喫茶店に着いた男は、一人の若い女に声をかけるが、それは人違い。ふと見ると片隅に、どこか影の薄い、髪をひっつめにして眼鏡をかけた地味なスーツの女性がひとり。彼女こそ、これから男が恋に落ちる相手、ウー・ファンだった・・・
中国映画のニュー・ウェイブを世界に鮮烈に印象づけたチャン・イーモウ監督、チェン・カイコー監督たちの次世代、第6世代の鬼才として今、国際的な舞台で絶大な評価を得ているチャン・ユアン監督の意欲作『緑茶』は、前作『ウォ・アイ・ニー』(03)につづく“愛についての連作”である。
愛し合って結婚したはずの若い夫婦の葛藤をドキュメンタリータッチで描いた前作に対し、『緑茶』では演出のまなざしを人間たちのやや後方に据え、現代の都市の乾いた表情のなかに、ぬくもりを求めてさまよう孤独な男女の姿を描き出している。
本作の魅力を際立てているのは、なによりもまず中国映画界の三大美女のひとり、ヴィッキー・チャオのダブル・キャストによって演じ分けられる、二人の女性ウー・ファンとランランの二つの心の行方である。
デートをして次々と自分にふさわしい男性を探す、大学院に通うインテリ女性ウー・ファン。彼女は男女の愛の行方は、一杯の緑茶で占えると信じ、新しい男性と出会うときいつも緑茶を注文する。一方、派手な服を着て、夜な夜なバーでピアノを弾いては、花をプレゼントしてくれる男となら誰とでも寝てしまう女性ランラン。ファンと出会い、恋に落ちる主人公チン・ミンリャンは、偶然、同時期にランランと知り合い、彼女たちが同一の人物ではないかと疑惑を抱きながら、ふたりの間を揺れ動く。グラスの中の茶葉のように浮き沈み、絡み合う男女の愛の行方を描き出す、現代中国のスタイリッシュな新感覚ムービー。
昼と夜、清楚と妖艶の二つの顔を演じ分けるヴィッキー・チャオは、今やコン・リー、チャン・ツィイーらと並ぶアジアを代表する大人気女優である。世界的なヒット作『小林サッカー』(01)や、本作と同じくジャン・ウェンと共演した『ヘブン・アンド・アース』(03)の出演他、今後も大作への出演が控えている。
素性の分からないチン・ミンリャン役のジャン・ウェンは『芙蓉鎮』(84)『紅いコーリャン』(87)などで世界的に知られる個性派俳優であり、監督でもある。自身が主演し監督した『鬼が来た!』(00)ではカンヌ映画祭でグランプリを受賞している。
劇中ミンリャンの友人の画家として出演しているファン・リジュンは、現代中国を代表するアーティストであり、自作を劇中で披露し、日本を含む各地で展覧会を開催している。
撮影はウォン・カーウァイ作品の撮影監督としても名高いクリストファー・ドイル。彼の独特の“動的な”カメラワークによって、北京の最新スポットを魅力的に描き、揺らめく茶葉のような男女の心のエモーションを鮮やかに映し出している。

ストーリー



大学院に通う内気で地味な性格のウー・ファンは、自分に相応しい男性を求めて、ときどき見知らぬ相手とデートをしていた。その日、待ち合わせにやってきたのは、サングラスをかけた気障な感じの男チン・ミンリャン。ファンはいつものように緑茶を注文し、茶葉の揺らめきをじっと凝視する。彼女は以前に友人から、「一杯の緑茶で愛の行方を占える」と聞き、新しい男と出会うときはいつもそうしているのだった。ミンリャンは緑茶の占いなどに何の興味もないが、心をすぐには開かないファンに次第に惹かれていく。ファンが段々とミンリャンに心を開き始めたある日、ファンは緑茶占いを教えてくれた友人について話し始めた。彼女の母親は死人の化粧をする仕事に就いていたが、結婚後、そのことが原因で夫に虐待され、常に手袋をして生活させられていた。そして最後は、彼女の目の前で、母親が夫を殺してしまったのだと語る…。彼は、ファンと喧嘩別れしてしまったある夜、ホテルのラウンジでファンとそっくりな女性を見かける。長く艶やかな黒髪をなびかせ、派手なドレスに身を包んだピアニスト、ランラン。彼は勇気を出して彼女に近づいてみるが、彼女はファンとは似ても似つかない強烈な個性の持ち主だった。ファンとランランは別人なのか、それとも二重人格の一人の女性なのか? 彼女たちとつきあうミンリャンの心もいつしか妖しく揺れ動きはじめる。

スタッフ

監督:張元(チャン・ユアン)
脚本:金仁順(ジン・レンシュン)
   張 元(チャン・ユアン)
製作指揮:王朔(ワン・シュオ)
撮影:杜可風(ドゥ・コーフォン/クリストファー・ドイル)
美術:韓家英(ハン・ジィアイン)
作曲:蘇聡(スゥ・ツォン)
録音:武拉拉(ウー・ラーラー)
編集:呉芸翔(ウー・イーシァン)
照明:黄志明(ホアン・ジーミン)
企画:王墨(ワン・モー)
ピアノ演奏:郁冬(ユィ・トン)
      馮小波(フォン・シャオボ)
製作管理:趙毅軍(チャオ・イージュン)
プロデューサー:馬部(マー・ブー)
助監督:張磊(チャン・レイ)
製作:李龍(リー・ロン)
助撮影:黎耀輝(リー・ヤオホイ)
撮影補佐:何宝栄(ホー・バオロン)
     曹丁強(ツァオ・ディンチァン)
     魯立鑫(ルー・リーシン)
     謝 哲(ショー・ジョー)
照明補佐:陳汗栄(チェン・ハンロン)
     関永祥(グァン・ヨンシァン)
     刁国斌(ディアオ・グオビン)
美術:周偉功(ジョウ・ウェイコン)
   関 江(グァン・ジァン)
   張書斌(チャン・シュービン)
衣裳:李秀如(リー・シゥルゥ)
道具:呉献(ウー・シエン)
コンテ:智子(ジィ・ズ)
メイク:肖進(シァオ・ジン)
メイク助手:潘増標(パン・ゾンビァオ)
初期録音:張志剛(チャン・ジーガン)
     温波(ウェン・ボー)
     窦争(ドゥオ・ジョン)
     牛澤良(ニゥ・ゼォリァン)
音声編集:林倩(リン・チエン)
音声構成:張京(チャン・ジン)
ADR録音: 李箐(リー・チン)
音楽録音:李小沛(リー・シァオペイ)
録音技師: 沈剣勤(シェン・ジェンチン)
スクリプター: 曽彬峰(ゾン・ビンフォン)
製作事務:金喜城(ジン・シーチョン)
翻訳:閻紅(イェン・ホン)

キャスト

姜文(ジャン・ウェン)
趙薇(ヴィッキー・チャオ)
方力均(ファン・リジュン)
王海珍(ワン・ハイジェン)
楊冬(ヤン・ドン)
張元(チャン・ユアン)
米丘(ミー・チゥ)
李龍(リー・ロン)
張弛(チャン・チー)
菲菲(フェイフェイ)
莎麗(シャーリー)
麗麗(リーリー)

高楓(ガオ・フォン)

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