原題:Me and You and Everyone We Know

2005年/カナダ/カラー/90分/ 配給:ハピネット・ピクチャーズ

2006年10月27日よりDVDリリース 2006年4月29日(土)〜5月12日(金)アミューズCQNにてロードショー 2006年4月8日、渋谷シネ・アミューズにてロードショー

公開初日 2006/04/08

配給会社名 0187

解説


ポスト ソフィア・コッポラ
ミランダ・ジュライのガーリーワールド

映像、アート、音楽、ファッション、アクセサリー、小説と様々なジャンルの垣根にとらわれることなく活躍し、才能豊かなBF(映像クリエーターのマイク・ミルズ)もしっかりいるミランダ・ジュライは、次世代のソフィア・コッポラと今最も注目のマルチ・アーティスト。
ビデオを使ったパフォーマンスで独自の才能をみせる新進気鋭のデジタルなアーティストの顔と、親しい友人の手作りアクセサリーをWeb上で紹介するアナログなセンスが難なく溶け合う。
本作でもチャットやビデオを効果的に組み込みながら、自分にぴったりの愛をさがしているのに、触れ合いたくても触れ合うことに不器用な人々を温かい、ユーモラスな視点で描き、観るものを優しい気持ちにさせる。そして優しさの中に、心地よい距離感を保つその姿勢こそ、ミランダ・ジュライの持つオリジナルな資質であり、今の空気感にフィットした、これまでに見られなかった才能である。

サンダンス&カンヌでW受賞!!
デジタルを駆使した新たな才能の誕生

2005年のサンダンス映画祭。オリジナリティ溢れる才能の誕生に、新たな賞が急遽つくられた。その審査員特別賞の受賞者こそ「君とボクの虹色の世界」のミランダ・ジュライ監督。
彼女はライブ感あふれるパフォーマンスや、ウェイン・ワン、ポール・オースターとのコラボレーションで知られる新進の若手アーティスト。映像を使ったアーティスト活動を行ってきた彼女が、自ら映画制作を行うきっかけとなったのが、2003年1月にサンダンスのスクリーン・ライターズ・ラボに参加したこと。1ヶ月間の課程で、脚本を執筆し、7シーンの撮影を行い、翌04年にはその脚本をサンダンスの脚本賞に応募し、サンダンス/NHK国際映像作家賞を受賞する。
その賞金とNHKのサポートのもと「君とボクの虹色の世界」が撮影され、2005年にサンダンス映画祭でプレミア上映される。そして映画的視点の独自さが評価され、ミランダ・ジュライのために急遽、審査員特別賞が設けられたのだ。
その後はまさに快進撃といえる勢いで、2005年カンヌ国際映画祭批評家週間に出品され、批評家週間のグランプリ受賞のみならずカメラドール(新人監督賞)を受賞した。
まさにサンダンスが発掘し、才能に磨きをかけ、世界に羽ばたいたオリジナリティあふれる新しい才能の誕生である。
明るいビタミンカラーが彩るミランダ・ワールド

本作は全編デジタルハイビジョンで撮影され、ミランダ独自のカラフルでおおらかなビタミンカラーの色彩感にあふれた映像は、観るものの目を奪う。冒頭のミランダ演じるクリスティーンの部屋のサーモンピンクの壁、ピンクのバレエシューズ、隣家の少女が履いているシャーベットグリーンのホットパンツ(!)、期せずして物語のキーパーソンとなるロビー少年の真っ赤なタイツや水に揺れる金魚。多くの色彩がそれぞれのキャラクターや、そのキャラクターをあらわす小物に使われ「君とボクの虹色の世界」を形作っている。また、もともとビデオを使ったパフォーマンスなどを行っていたミランダは、本作の中でも十二分にデジタルを活用し、チャットでの恋愛ゲームにはまる幼い兄弟や、彼らが作るアスキーアートをちりばめてみせる。映画中作られたアスキーアートは、本作のイメージアイコンとして、Tシャツ、缶バッジなどを生み出した。
マルチ・アーティストとして知られるミランダ・ジュライは、作家活動も活発に行っている。NPR(全米公共ラジオ放送)の「次なる目玉」という番組では彼女が執筆した幾編かの短編が放送され、またこれらのうち2編(「Birthmark」「Making Love in2003」)がパリ・レヴュー(1953年創刊の老舗文芸雑誌)に掲載された。またキル・ロック・スター・レーベルからCDを4枚発表しているほか、ガールズバンド“スリーター・キニー”のPVを手がけるなど音楽業界とのつながりも深い。

ビッグな才能とのコラボレーション

サンダンス映画祭で映像クリエーターのマイク・ミルズと出会い、意気投合。お互いに才能を磨き合う、感性豊かなカップルとしてアメリカのティーンエイジャーたちの憧れの的でもあるミランダ。
本作の撮影監督チャイ・チャベスは、映画撮影のカメラマンを探していたミランダに、『チャック&バック』などで知られる友人の映画監督ミゲル・アルテタが紹介。チャベスに初めて会った瞬間を「彼となら一緒に言葉を紡いでいけると感じた」とミランダは表現している。
 音楽もこれまた友人の作曲家マイク・アンドリューズに依頼。演奏中のアクシデントを取り入れることで、一見無機質に見えながらも、その奥に潜む感動的な感情を表現することに成功した。
 また、ウェイン・ワンやポール・オースターとも「赤い部屋の恋人」(‘01)で脚本を共同執筆。独特の恋愛観を持つ若い男女の感情の綾をビビッドに描いた。
カリフォルニア大学映像コースを中退後、ガス・ヴァン・サントなど感性鋭いクリエーターたちが集まるオレゴン州ポートランドへ移ったことについてミランダは、「23歳から一切アルバイトなどせずに、アーティスト活動に没頭できたのは、ポートランドだったからこそ。ここならアーティストを保護する風潮があるし、いろんな才能を持った人に出会えるわ」と語っている。

坂本龍一が愛した歌姫バージニア・アストレイ

本編で流れるボーカル曲もミランダらしいセンスで選ばれている。14歳のピーターが近所の女子高生に恋愛指南を受けるシーンで使用されるコーディ・チェスナッツは、ジミ・ヘンドリックス、プリンス、レニー・クラヴィッツに連なる、豊かな才能に注目が集まる新進のギタリスト兼シンガー。ラストシーンで流れるウィスパーボイスが印象的なバージニア・アストレイ。『君とボクの虹色の世界』にも通じる、ささやくような歌声と自ら演奏するピアノやオーボエ、フルートなどを多用した楽曲にファンも多く、ミュージシャン坂本龍一もそのひとり。彼女の3rdアルバムをプロデュースしたこもとあり、またかつてHondaのCFソングに起用されるなど日本とのつながりも深いボーカリスト。

ストーリー



スタッフ

監督:ミランダ・ジュライ
製作:ジーナ・ウォン
製作総指揮:ホリー・ベッカー、ピーター・カールトン
   キャロライン・カプラン、ジョナサン・セリング
脚本:ミランダ・ジュライ
撮影:チューイ・チャベス
編集:チャールズ・アイアランド、アンドリュー・ディックラー
音楽:マイク・アンドリュース

キャスト

ミランダ・ジュライ
ジョン・ホークス
マイルス・トンプソン
ブランドン・ラトクリフ
カーリー・ウェスターマン
ヘクター・エリアス
ブラッド・ヘンケ
ナターシャ・スレイトン
ナジャラ・タウンゼント
トレイシー・ライト
ジョネル・ケネディ
エレン・ギア

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