2006年/日本/カラー/35mm/ヴィスタサイズ/ドルビーSR/96分/ 配給:ザナドゥー

2006年8月26日(土)シアターN渋谷、池袋シネマサンシャインにてロードショー

(C)2006 映画「親指さがし」製作委員会

公開初日 2006/08/26

配給会社名 0103

解説


子供のころ、友達がどこかから聞いてきた“こっくりさん”や“口裂け女”の恐怖に眠れない夜を過ごした記憶がある人も多いだろう。そうした都市伝説は口コミで言い伝えられるため、その恐怖がより身近なものとして迫ってくる。誰にでも、どこにでもありそうな話だからなおさら恐いのだ。
そして、多くの子供たちと同じようにどこかで伝え聞いてきた遊びを始めた武たち6人。彼らを夢中にさせた“親指さがし”とは、親指を失った少女の霊を慰め、親指を見つけることができた者は願いを叶えることができるという遊び。だが、子供たちの他愛のないヴァーチャルな遊びは、実際に同級生が行方不明になるというリアルな恐怖となって武たちを襲う。
その事件から8年の年月が経った……。20歳になった彼らは未だに“親指さがし”を怖れていた。いったい、なぜ……。

失踪してしまった少女の思い出を引きずる青年・武役には、今作が初の単独主演となるV6の三宅健。テレビのバラエティ番組やV6として出演した映画とはまた違う、リアリティのある存在感を見せている。武と同じように心の闇を抱え続けている知恵役には、透明感のある演技に定評のある伊藤歩。武に共感し、共に“親指さがし”の謎を解明しようとする智彦役に数々の大作に出演し評価を高めている松山ケンイチ。そして、女性らしい可憐な魅力のある永井流奈、映画『パッチギ!』での演技が印象深かった尾上寛之が“親指さがし”をした仲間として名を連ねている。更に、彼ら5人をとりまく大人たちには刑事役の佐野史郎、かつての同級生の母親役の手塚理美などが参加し、子供たちが遊ぶ幻想の世界と、大人たちが暮らす現実とを線引きしている。

原作は、単行本・文庫本あわせて20万部以上を売り上げている、山田悠介の同名小説「親指さがし」(幻冬舎刊)。20歳のときに「リアル鬼ごっこ」で鮮烈なデビューを飾った彼は、エッジの効いた恐怖描写で読者を魅了し続け、中・高校生を中心に絶大な支持を集めている。原作が持つ、感情にリアルに迫り来る恐怖を活かしつつ、映画オリジナルのエンディングにアレンジされた本作の脚本と監督を手がけたのは、『ニライカナイからの手紙』の俊英・熊澤尚人。原作の緊迫した臨場感と、熊澤監督の持ち味である繊細な演出によって、全く新しいリアル・サスペンス作品が完成した。10代と20代のはざまで揺れ動く主人公たちの心情を丁寧かつ的確に捉えた描写は、同年代の熱い共感を呼ぶだろう。

彼らは、“親指さがし”の呪縛から逃れることができるだろうか—。
そして、5人が封印した幼少時代の思い出とは—?

ストーリー




夏の暑い昼下がり。
荒れ果てた野原にそびえ立つ、巨大な廃ホテル。
そこは子供たちの恰好の遊び場となっていた。
古い階段を駆け上がる12歳の由美子、武、知恵、智彦、綾、信久。6人は屋上で思い思いに遊びだす。
やがて、フェンスの脇に立っていた由美子が武に囁く。

「もしこの後、由美子がいなくなったらどうする」
「絶対おれ、由美ちゃん……探してやるよ」

指切りを交わす二人。
由美子が、どこかで聞いてきた遊び“親指さがし”をしようと言い出す。
輪になって手をつないだ6人は、最後の呪文に合わせて手を振り下ろす。次の瞬間、由美子が話していた通り、知らない部屋へ紛れ込んでいた武は早速、親指を捜し始める。そのとき突然由美子の悲鳴が聞こえて来た。と同時に、誰かに肩を叩かれる武。恐怖のあまり思わずろうそくを吹き消し、気づくと、彼はホテルの屋上に戻ってきていた。

そして、それっきり、由美子の姿を見ることはなかった。

あれから8年。
お盆の時期に合わせて同窓会が行なわれ、かつて一緒に遊んだ5人は久々に再会する。重い空気が流れる中、武が口を開いた。

「親指さがしをもう一度、一緒にやってほしい」

偶然にもその日は、由美子がいなくなったのと同じ8月13日だった。武の強い口調に押され、5人は渋々親指さがしを決行するが、何も起こらない。だがその夜、信久の身に危険が忍び寄っていた……。

ラジオ局でバイトする武は、HP上で“親指さがし”に関する書き込みを見つけ、驚愕する。さらにその後、誰もいないはずの廊下で、武は肩を叩かれた。8年前の感触を思い出して恐怖に凍りついたその時、由美子の声がしたような……。

次の日、知恵、智彦、綾を呼び集めた武の元に届いたのは、信久が親指を切られて殺されたという報せだった。恐怖に怯える4人は、“親指さがし”の謎の解明に乗り出す。

“親指さがし”の発祥について調べる4人は、やがて、石神村にある屋敷の存在に辿り着く。彼らは早速村を訪れ、そこで訳ありの老人・山田とその息子・和正に出会う。彼らに“親指さがし”について問い質す武だが、捜し求めている答えが見つからないまま、追い返されてしまうのだった。

そしてまた、親指を切り取られた綾の死体が発見される……。

スタッフ

原作:山田悠介
脚本・監督:熊澤尚人
脚本:まなべゆきこ
脚本:高橋泉
音楽:安川午朗
撮影:斉藤幸一
ビデオエンジニア:さとうまなぶ
照明:豊見山明長
録音:深田晃
美術:松本知恵
編集:宮島竜治
主題歌:フィリッパ・ジョルダーノ

製作:IMJエンタテインメント/エイベックス・エンタテインメント/
ポニーキャニオン/ジェイ・ストーム/日本出版販売/
スカパー・ウェルシンク/ツインズジャパン/
ザナドゥー
制作プロダクション:IMJエンタテインメント/ツインズジャパン配給:ザナドゥー
支援:文化庁

キャスト

三宅 健
伊藤 歩
松山ケンイチ
永井流奈
尾上寛之
品川 徹
春海四方
斎藤 歩
野澤祐樹
小野明日香
佐野史郎
手塚理美

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