原題:SI-SEI

2005年/日本/カラー/72分/ 配給:アートポート

2006年03月24日よりDVDリリース 2006年2月25日よりテアトル池袋にてレイトショー

(c)アートポート

公開初日 2006/02/25

配給会社名 0014

解説


文豪・谷崎潤一郎によるフェティシズムの最高峰が三たび映画化!
三島由紀夫や川端康成らと並び近代文学の最高峰に位置する谷崎潤一郎は、今では当たり
前のように使われるフェチ(フェティシズム)を追求した初めての文豪と言えよう。その谷崎文学の中でも最もフェティシズムが色濃く反映された作品が『刺青』である。三島の『潮騒』、川端の『伊豆の踊子』が過去に数度の映画化を果たしたように、時代を超えて評価される文学作品は何度となく銀幕を彩るが、この『刺青』もこれで3度目の映画化となる。

そして2006年…
若尾文子、伊藤咲子といった時代を代表するスターたちが挑んだヒロイン役を、本作では吉井怜が演じている。グラビアアイドルとして活躍中に病に倒れるが、見事にカンバックを果たし、現在は女優として目覚ましい活躍を見せている。刺青の魔性の魅せられ、それを背負うことで「死 SI」と「生 SEI」のはざまを見つめる美妙役は、まさに彼女のために用意された役と言ってもよいだろう。美妙と共に数奇な運命に翻弄される彫師・精像役は『仮面ライダー龍騎』『恋文日和』で注目され、若手演技派として期待の集まる弓削智久が演じている。この2人が陥る魔性と狂気の世界を、『乱歩地獄 』より『芋虫』の佐藤寿保・監督と夢野史郎・脚本のコンビが、独特の映像タッチとダイアログで、谷崎文学を21世紀の新たな芸術として昇華させている。

ストーリー



来栖精像は今は亡き伝説の彫り物師・彫精を超えることを目指し、また彫精の芸術作品とも言える刺青を後世に残したいと考えていた。そんなある日、精像にとって最高のカンバス・背中を持つ雨宮美妙と出会う。美妙は大学院で錦絵の研究に携わり、その色彩感覚は天性のものを持ち合わせていた。
精像は美妙を誘拐監禁して刺青を彫らせるよう迫る。しかし、錦絵の魅力と刺青の持つ魔性に吸い込まれたように、美妙は逆に最高の刺青を精像に彫ることを要求する。彫精を超える芸術的な刺青を残そうと、精像の持つ針が美妙の背中を繊細に踊る。
そして遂に、背中を抱きしめるような、見事な滝夜叉姫の刺青が美妙に彫られた。その見事な滝夜叉姫は2人の間に張り詰めた空気の流れをわずかながらせあるが変えてしまったのだ。それは強い者(監禁した精像:彫った精像)、弱い者(監禁された美妙:彫られた美妙)の立場を逆転させると同時に、2人にとって決して逃れることの出来ない運命と対峙させてしまう。その運命とは…。美妙と精像の絵と色彩における才能に関する謎が、いま解き明かされようとする。

スタッフ

監督:佐藤寿保
脚本:夢野史郎

キャスト

吉井怜
弓削智久

LINK

□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す