原題:Lost in Time

もう涙は、見せない。

第23回 香港電影金像奨 最優秀主演女優賞 最優秀オリジナル音楽賞 第10回 香港電影評論學會大奨 推薦電影 第9回 金紫荊奨 最優秀主演女優賞

2003年/香港/カラー/108分/ 配給:ユナイテッド・エンタテインメント

2006年07月25日よりDVDリリース 2006年2月4日、シアターN渋谷にてロードショー

(C)2003 ONE HUNDRED YEARS OF FILM COMPANY LIMITED.AII Rights Reseved.

公開初日 2006/02/04

配給会社名 0608

解説



『つきせぬ想い』で奇蹟の愛をうたった名匠イー・トンシン監督がおくる、
切なく、美しい、感動のラブストーリ一…。

香港映画界に陰りが見え始めた93年。低予算の1本の叙情作が映画界を救った。それが『つきせぬ想い(原題:新不了情)」だった。路上公演をしている広東オペラの一家の娘と商業主義の音楽業界に背を向けた作曲家の青年のこの悲恋物語は、恋愛映画の王道に餓えていた観客に受け大ヒット。核になる切ない恋模様もさることながら、健気な薄幸のヒロインを取り巻く家族の絆、庶民の心の襞の丁寧な描き込みも評論家筋から絶賛され、香港電影金像奨(香港アカデミー)で主要6部門を受賞した。それまで無名だったアニタ・ユン(同賞主女優賞受賞)、ラウ・チンワン(同賞主演男優賞候補)は、一躍有名俳優の仲間入りを果たし、監督賞を受賞した俳優出身のイー・トンシンも実力派監督のひとりとなった。
そしてこの『つきせぬ想い』からちょうど10年を経てイー・トンシン監督が新たに発表したのが本作『忘れえぬ想い(原題:忘不了)』である。香港の足であるミニバスを舞台に、過去に捉われた男女がお互いの愛情を確信するまでを描いた『忘れえぬ想い』は、心温まるラブストーリーの傑作として大ヒットとなった。
『星願』『パイラン』でアジア中を感涙させた、香港が生んだ“涙の女王”セシリア・チャンの感動の名作が遂に日本公開!

作品のヒットの原動力となったのがヒロイン、シウワイを熱演した、セシリア・チャン。強さと弱さ、母性と女性のもつ多面性を違和感なく演じ切った彼女は、監督も天賦の才能の持ち主と絶賛。
日本では『星願』『パイラン』の名演で知られている彼女だが、実際にはコメディ作品への出演が多い。そんな彼女の叙情作と違う側面を見せたかったという監督の抜擢にも見事に応えている。
飾らない性格や共感度の高い演技で同性の観客の支持も高いセシリア・チャンは、マギー・チャンの再来といわれており、演技力と美貌を兼ね備えた本格女優として香港映画界を牽引するひとりに成長。金像漿(香港アカデミー賞)でもノミネートの常連となり、本作で念願の主演女優賞を受賞した。その実力は今年のカンヌ映画祭で招待作となったチェン・カイコー監督の大作、『PROMISE-無極-』で真田広之、チャン・ドンゴンと並びヒロイン役に抜擢されたことからも分る。
一方、ラウ・チンワンも、『つきせぬ想い』で開花させた朴訥で誠実なキャラクターを彷彿させるファイを好演。同じく『つきせぬ想い』でヒロインの温かな叔父を演じたベテラン、ポール・チンもシウワイの武骨だが愛情深い父親役で見事な助演をしている。脚本は、『君さえいれば 金枝玉葉』の脚本、『君をみつけた25時』の脚本・監督で知られるジェームス・ユン。本作は、アラン・タム(香港の大御所の歌手)のヒット曲にインスピレーションを受けた彼の原案がもとになっている。

ストーリー




ある雨の夜。シウワイ(セシリア・チャン)は、ミニバス運転手の婚約者マン(ルイス・クー)を事故で亡くす。
途方にくれる彼女だったが、マンの連れ子ロロ(原島大地)を育てるため、自分もミニバスの運転手になる決意をする。
だが運転にも慣れていない彼女が、客あしらいが難しくしきたりも複雑な業界で稼げるはずもなく、バスの修理代の返済、経費、生活費と支出だけがふえるばかり。
折り合いの悪い父(ポール・チェン)や姉からも、生活力がないのに口口を引ぎ取ったことを非難されてしまう。
シウワイは、心身共に疲労困憊状態になるが、自分を慕うロロとマンとの思い出を心の支えに、ロロを手放すことも運転手を辞めることもしなかった。
そんな彼女に思わぬ助っ人が現れる。それは、マンの最後を看取った同僚のファイ(ラウ・チンワン)だった。
ミニバス運転のコツを教えてくれた上に、ロロの世話もしてくれるファイにシウワイは安らぎを感じ始める。だがマンを忘れることができず、気丈でありたいと意地を張るシウワイと、自堕落な自分のせいで妻子を手放した過去をもつファイが、互いの心に芽生え始めた愛情を口にすることはなかった。
だがファイからの資金援助を拒むシウワイは、生活苦に追い込まれロロを手放す決心をする。
しかし自分を本当の母親のように慕い、ファイを父親のように慕い泣きじゃくるロロを手放すことはできなかった。
ロロのおかげでシウワイに1歩近づいたファイは、彼女に自分の過去を話し、自分への想いが、寂しさから生まれた愛情なのか、本当の愛情なのか考えてほしいと訴える。
そのファイの一言で目が覚めたシウワイは、ファイに対する愛情が本当であることを伝える。
翌日父親と和解したシウワイは、マンとの過去に別れを告げる。
一方ファイもシウワイとロロとの未来のため、過去に別れを告げていた。

スタッフ

監督:イー・トンシン
脚本:ジェームズ・ユン
撮影;バネス・キョン
編集:チョン・ガーファイ
音楽:ピーター・カム
美術:ベン・ルク
製作:ヘンリー・フォン
製作総指揮:ティファニー・チェン

キャスト

セシリア・チャン
ラウ・チンワン
原島大地
ルイス・クー

LINK

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