楳図かずお 伝説のホラーコミックが遂に映画化!!

2006年/日本/カラー/35mm/ビスタサイズ/ドルビーサラウンド/95分/ 配給:東芝エンタテインメント

2006年12月22日よりDVDリリース 2006年7月22日(土)より渋谷アミューズCQNほか全国順次ロードショー

(C) 2005「神の左手 悪魔の右手」製作委員会

公開初日 2006/07/22

配給会社名 0008

解説


楳図かずおの伝説的コミックが金子修介監督によって遂に映画化!
身近に潜む恐怖を描く戦慄の楳図ホラー決定版!
1955年のデビュー以来、半世紀にわたりホラーコミック界の第一線に君臨し、日本を代表するホラー漫画家である、楳図かずお。彼の作品はその想像力溢れる物語と、見るものを恐怖させる独創的な表現力によって、多くのファンを魅了し続けてきた。そして、膨大な楳図作品の中でも、その恐怖の創造力がいかんなく発揮され、多くの人が”最も好き、最も怖い楳図作品”と呼ぶホラーの真髄、「神の左手 悪魔の右手」が遂に実写映画化!”人間の悪意を夢で予知する”という不思議な力を持ち合わせてしまった、少年・ソウ。彼はその悲しい力の為に知らなくてもよい苦しみに苛まれながらも、悪を滅ぼす為に奔走する。そして彼を優しく見守り、助けたいと願う姉・イズミ。原作コミックの物語は二人が出会う幾多の悪をテーマに5話の構成となっている。今回は中でも人気の高い”黒い絵本”のエピソードを中心に待望の実写映画化が実現した。

弟思いの姉が出会う、弟を取り巻く不可解な出来事、そして娘を溺愛する父親だったはずの人間の狂気の沙汰への豹変。一見平穏に映っていた日常を一転して恐怖のどん底へ変貌させる、孤高の楳図ワールドを、金子修介がその確かな腕で描きあげる。安穏に生きていたはずの人間の深層に潜むリアルな残虐性を浮き彫りにし、楳図かずおの恐怖の真骨頂を発揮した、戦慄の楳図ホラーが誕生した!

当初メガホンを取ろうとしたのは、劇場公開作品としては『デビルマン』を最期に、2005年2月27日に肝臓ガンの為に急逝した故・那須博之監督だった。一度は映画化の道が閉ざされそうになったが、那須監督の助監督時代からの後輩であり、公私に渡り深い親交のあった金子修介監督が遺志を継ぐことに。
金子監督は自身の人生を「那須さんと出会った」人生だと語る。作品冒頭の”映画監督 那須博之に捧ぐ”の文字には、金子監督や、那須監督と共にこの脚本を書き進めてきた松枝佳紀を初めとして彼を偲ぶスタッフの深い想いが強く込められている。

主演の山辺イズミ役を演じるのは『デビルマン』(04)でのミーコ役の好演が那須監督に高く評価された、渋谷飛鳥。彼女は第8回全日本国民的美少女コンテストでグランプリを受賞、美少女クラブ31のリーダーとして活躍し、またTBS「渡る世間は鬼ばかり」の新シリーズにも出演中である。悪意を夢で察し、”神の左手 悪魔の右手”を持つ山辺ソウ役には、北大路欣也が演じた「子連れ狼」の大五郎役、そしてNHK教育テレビで放送中の「にほんごであそぼ」の人気子役、小林翼。娘に見せる黒い絵本を描く為、猟奇殺人を繰り返し、優しい笑顔と狂気に満ちた表情を見せる父親、久保田光一郎役に田口トモロヲ。娘のモモ役には是枝裕和監督の『誰も知らない』(04)で愛くるしい笑顔と儚い命の尊さを見せた、清水萌々子。イズミと一緒に謎を解明しようとする谷ヨシコ役に『バトル・ロワイアル』(深作欣二監督・00)、『あずみ2 Death or Love』(金子修介監督・05)、『カミュなんて知らない』(柳町光男監督・06)の若手実力派女優の前田愛。また、光一郎の魔の手にかかるアユを、現在グラビア界で人気上昇中の紗綾、キエ役をグラビアでも活躍し、テレビ東京で放送中の「BLOOM」でMCを務めている、かでなれおん、ヨウコ役を雑誌ラブベリーで活躍中の今井春奈が演じている。その他、山本奈津子、小木茂光、菅原大吉、根岸季衣、松金よね子、そして楳図かずおと、個性的な面々が脇を固める。

脚本には、那須監督とこの作品の企画を進めてきた、那須博之”最後の弟子”であり、劇団アロッタファジャイナの主宰である松枝佳紀。撮影監督には高間賢治、美術には及川一と、ともに金子監督との仕事も多い名スタッフを配する。

ストーリー

黒い絵本。惨殺される少女たち。
少年の悪夢は現実となる。
イズミ(渋谷飛鳥)はある夜、弟ソウ(小林翼)の苦しそうな声で目を覚ます。悪い夢を見て苦しむソウの喉元で得体の知れない何かが蠢き、突然、首から大量の血が噴き出した。
「お姉ちゃん、僕もうすぐ死ぬんだ」
ソウは、以前からイズミに、そんな話をしていた。彼には、”人間の悪意を夢で予知する”という不思議な力があった。ソウの見る悪夢は、現実の世界のどこかで本当に起こっていることらしい。大人たちは彼の荒唐無稽な夢の話を真に受けなかったが、姉のイズミだけは、彼を信じてあげようとしていた。運ばれた病院で手当てを受けるソウを前に、イズミは彼が言っていた言葉を思い出す。 「お姉ちゃんなら僕を助けることが出来る。よくわからないけど、
赤い携帯電話が大事なんだ…」。

木々がうっそうと茂る山の中の古びた洋館に、久保田光一郎(田口トモロヲ)は、娘モモ(清水萌々子)と二人で暮らしている。足が悪く、ベッドから動けないモモは、光一郎が描いてくれる絵本だけを楽しみにしていた。光一郎が仕事から帰って来ると、モモは早く新しい絵本を読んで欲しいとせがむ。嬉しそうに絵本を見つめるモモ。しかし、黒いスケッチブックに描かれたその絵本は、捨てられた人形を拾った心優しい女の子が、突然何者かに鉤爪で首を刺されて吊り上げられ、首から血を噴き出して殺されるという、あまりにも残酷な話だった。
イズミは、ソウの病室で見た夢の中で、赤い携帯電話を拾う。「赤い携帯電話が大事なんだ…」夢から覚めたイズミは、ソウの言葉を思い出し、病院の中で壊れた赤い携帯電話を見つける。耳を当ててみると、電話からは意識を失っているはずのソウの声が聞こえてきた。壊れた携帯は、ソウの悪夢の中と、どこかでつながっているらしい。
「お姉ちゃん、急いで。黄色い電車に乗って、行けるところまで行くんだ。
そこに悪い人の住む町がある」
「捕まっている女の子を助けてあげて」
イズミはソウを助ける決心をし、その町へ探しに出かける。

「お姉ちゃんは、青い携帯電話を持ってる青い女の人と出会って、白い家に行くんだ」
イズミは、ソウが以前話していた言葉を思い出しながら、光一郎たちが住む町を歩きだした。そして、祭りで賑わう人の中、行方不明の少女・アユ(紗綾)を探している、青い服を着たヨシコ(前田愛)に出会う。ヨシコは、青い携帯電話を持っていた。イズミが、ヨシコに事の経緯を話すと、ヨシコもまた、毎晩、アユが助けを求める夢を見ると言う。二人は一緒にその白い家を探し始める。

キエ(かでなれおん)とヨウコ(今井春奈)が、おいしそうな匂いにつられて、通りがかった山小屋の中に入ると、そこにはたくさんのケーキが並んでいた。小屋には誰もいなかったので、お腹が減った二人が勝手にケーキを食べ始めたとき、奥の部屋のドアが開き、現れた男が突然斧を振り下ろした。

徹夜で新しい絵本を描いていた光一郎は、最後の絵が上手く描けなかったため、机に置いた絵の見本——キエとヨウコの首を、冷蔵庫に入れて仕事にでかけた。光一郎の留守中、新しい絵本見たさに、悪い足を引きずって階下に降りたモモは、その冷蔵庫を開けてしまう。
その頃、ソウの言葉をたよりに光一郎の家まで辿り着いていたイズミとヨシコは、モモの悲鳴を聞きつけて家の中へ入り、そこが探していた「白い家」であることを知る。
一方、絵本のことが気になって仕事が手につかない光一郎は、仕事を放りだして家に帰って来る。モモはベッドに戻り、冷蔵庫の首のことも、二人が来たことも知らないふりをしたが、光一郎は留守中の異変に気づく。イズミとヨシコは屋根裏部屋に隠れるが、探していたアユがそこで無残な死体となって吊るされているのを見つけ、驚愕のあまり音を立ててしまう。二人は光一郎に見つかって、地下室に監禁される。光一郎の目は、既に常軌を逸した光に満ちていた。彼は二人を釘打ち機で床に磔にして、二人の体に釘を打ち込んだ。

王様が二人の魔女を釘で打って磔の刑にするという、新しい絵本の話を光一郎から聞かされたモモは、不安と恐怖にさらされる。 「パパが…殺したのね。いままでのお話もぜんぶ、本当にあったお話なのね…」
それを聞いた光一郎の表情は、それまでモモに向けていた優しいパパの笑顔から、不安と怒りと哀しみが入り混じった、複雑な狂気を帯びて豹変する。
「絵本に出てくる女の子は、ぜんぶお前なんだよ!」
光一郎がモモに包丁を向けたとき、瀕死のイズミが現れて、モモを助けようと必死に戦う。しかし、ついに力尽きたイズミの体に、光一郎の包丁が突き刺さる。イズミが床に倒れたそのとき、どこからかソウの声が響き、やがて信じられないできことが起こる——。

「我が左の手は、正しき者を蘇らせる神の左手。
我が右の手は、悪しき者を滅ぼす悪魔の右手…」

スタッフ

監督:金子修介
原作:楳図かずお(小学館刊)
脚本:松枝佳紀
撮影:高間賢治(J.S.C.)
美術:及川一
プロデューサー:平田樹彦、成田尚哉、吉原勲
企画協力:佐々木志郎
製作:「神の左手 悪魔の右手」製作委員会
(東芝エンタテインメント / 松竹 / 衛星劇場 / パノラマ・コミュニケーションズ / アルチンボルド)
配給:東芝エンタテインメント

キャスト

渋谷飛鳥
小林 翼
前田 愛
清水萌々子
紗綾
かでなれおん
菅原大吉
山本奈津子
根岸季衣
松金よね子
渡来敏之
今井春奈
野木太郎
白坂奈々
渡辺紀栄
広澤 葵
中島 舞
清水沙映
芹沢 花
梅田愛子
西浦 駿
戸田比呂子
佐久間麻由
神谷美花
藤江百香
鷲巣知行
齊藤あきら
三上邦彦
野村啓介
川連廣明

楳図かずお
小木茂光
田口トモロヲ

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す