2006年/日本/カラー/110分/ 配給;松竹

2006年09月28日よりDVDリリース 2006年5月13日、渋谷Q-AXシネマほか全国ロードショー!

公開初日 2006/05/13

配給会社名 0003

解説


『テニプリ』の愛称で親しまれ、男女問わず多くの読者に絶大な支持を得ている大人気スポーツコミック『テニスの王子様』が、ついに実写映画としてスクリーンに登場する。
 集英社・週刊少年ジャンプ誌上で1999年に連載開始以来、コミックス発刊は2006年3月現在ですでに32巻を数え、その総発行部数は3200万部以上。クールでスタイリッシュながらも熱く、ひたむきにテニスに打ち込む登場人物たちのドラマは、若者たちの心に深く突き刺さっている。
 主人公・越前リョーマ役には映画『HINOKIO』の主演で高い評価を得た本郷奏多、リョーマの所属する青春学園テニス部部長・手塚国光役にミュージカル『テニスの王子様』で同役を演じる城田優を起用。さらに青春学園のライバル・跡部景吾役にはすでに映画、テレビで人気を誇る載寧龍二など、多くの若く魅力的な俳優たちの競演は、スクリーンを飾るひとつのポイント。熟練のベテランとちがい、まだ色に染まっていない彼らの自由な演技は観客達にエネルギーと親近感を与える。また観客達が彼らを支持し、育てる「双方向性」がこの作品にはあるのだ。原作コミックのファンも納得されられるよう、キャスティングには細心の注意がなされており、いずれも原作キャラクターの魅力をそのまま投影できる俳優が配されている点も注目である。また、映画初出演となる島谷ひとみ、本格派俳優岸谷五朗の出演は、ともすれば浮き足立ったものになりがちな青春ストーリーに奥行きを与える。それぞれがそれぞれの持ち味を発揮できる舞台が本作には整っていると言えるだろう。
 ドラマでは「強くなりたい」と願う少年達の颯爽とした姿と、彼らの成長が全面に描かれる。クールなテニスの天才達が観客に訴えかけるのは、意外にも熱く生きることの素晴らしさ、そして仲間の大切さである。いつの世も普遍的なこのテーマは、現代日本人がどこかに置いてきたものであり、そして今また確かに求めているものだ。スクリーンに一大スペクタクルを織り成すテニスシーンにも徹底したこだわりが込められており、キャスト陣は5か月にわたってプロテニスコーチ白戸仁氏の本格的な特訓を受けた。一挙手一投足に込められた、本物だけが持つ臨場感、緊張感は、映像に圧倒的な説得力を持たせる。また実写映像化は不可能と言われた超現実的な必殺ショットの数々も、高い技術力で近年頭角を現す映像製作集団「デジタル・フロンティア」によるVFXで完全再現。美しくダイナミックなテニスシーンが観客の目を釘付けにすることは疑う余地がない。
 今作でメガホンをとるのは『Jam Films S』で瑞々しい感性を披露したアベユーイチ。彼もまたVFXの名手として知られているが、今回コミックス原作の実写映画化という難題に挑み、優れたドラマ構成能力も発揮してそれを完全形としてまとめ上げる。脚本は新鋭・羽原大介が担当。アベ監督と見事な”ダブルス”を見せ、少年達の持つ肉体的、精神的強さと戸惑いを見事に描き切る。音楽はクラシックを始め各界に高い評価で知られる岩代太郎、主題歌を新星ヒップホップユニット「Yellow Cherry」が歌い、作品を時に壮大に、時にカジュアルに…とカラフルに彩っている。
 テレビアニメ、ミュージカル、アニメ映画…とあらゆるメディアに飛び火した”テニプリ現象”は、ここへ来てついに実写映画化という一大局面を迎える。個性的なキャスト、妥協を知らないスタッフ、そして公開を今や遅しと待つ日本全国の”テニプリスト”達によって、この作品も必ずや巨大なムーブメントを起こすことだろう。その時こそ、『テニプリ』という作品が持つテーマ”熱”と”団結”が、自身の存在を以って証明される瞬間なのである。
 新たな歴史がここに刻まれ、そしてまたここから始まる────。

ストーリー



越前リョーマはアメリカJr.大会4連続優勝の経歴を持つテニスの天才少年。かつて世界を震撼させた伝説のテニスプレーヤーである父・越前南次郎に呼び戻されて帰国した彼は、テニスの名門校・青春学園中等部に編入する。そして、南次郎の後輩で、コーチとしても有能な竜崎スミレが顧問を務めるテニス部に入部した。そこには全国区の実力者である部長の手塚国光をはじめ、個性豊かな実力派の先輩達がいた。副部長の大石秀一郎、卓越したテニスセンスの持ち主・不二周助、アクロバティックプレイが得意な菊丸英二、徹底したデータ主義の乾貞治、ラケットを持つと豹変する河村隆、喜怒哀楽の激しい桃城武、体力勝負の海堂薫・・・。クールな態度で彼らから反感を買うリョーマだったが、圧倒的なテニスセンスで校内ランキング戦を勝ち上がり、1年生で初めてレギュラー入りを果たす。地区予選がはじまり、不動峰中学との決勝戦でデビューするリョーマ。そんな彼を観客席から見守るひとりの少女がいた。檜垣紫音——両親を亡くしたショックで口が利けない彼女は以前、電車の中で不良に絡まれていたところをリョーマに助けられたことがあった。対戦中に目をケガするアクシデントに見舞われながらも、リョーマは見事に勝利をつかみ、青学は関東大会への切符を手に入れる。
 青学テニス部員たちが練習に励んでいたある日、手塚とリョーマは二人だけで高架脇のテニスコートで打ち合った。それは「お前は、青学の柱になれ」という部長としての手塚からのメッセージでもあった。だが手塚に完膚なきまでに叩きのめされ、ショックを隠せないリョーマは、その日以来部活に姿を現さなくなってしまう。テニスをする気になれず、ただ時ばかりが過ぎていく日々…。
 一方、手塚は主治医に肘の故障を指摘され、得意の”零式ドロップショット”を打つことを医者に止められてしまう。どうしても今のチームで全国大会に行きたい。たとえ自分の腕がどうなろうとも……爆弾を抱えた左腕を押さえて悩む手塚。
 いよいよ関東大会を一週間後に控えた日、手塚は初戦の相手がカリスマ部長・跡部景吾率いる昨年の準優勝校・氷帝学園であることを告げたうえで、レギュラーメンバーを発表した。その中にはリョーマの名前もあったが、彼はアメリカへ帰ると言い出してしまう。青学メンバーとリョーマの間に不穏な空気が流れたとき、突然ひとりの男が乱入してきた。暴力事件で退学した元青学テニス部員のエガテ・マクラウド・檜垣だった。今は氷帝学園の選手であることを名乗り、リョーマを挑発して檜垣は去っていった。彼は、紫音の兄でもあった。
 病院帰りに妹の紫音を励まして勝利を誓う檜垣。リョーマの起用が正しかったのかと苦悶する手塚。そして初めて去来する複雑な想いに戸惑うリョーマ。それぞれの想いが交錯する中、ついに迎えた関東大会。青学と氷帝の試合は壮絶な死闘になった。大石・菊丸の”黄金コンビ”の善戦、乾・海堂ペアの粘り強い闘志、河村の負傷、天才・不二のプレイ・・・。観客席には、まさにアメリカ出発当日、彼らの闘いを見つめるリョーマがいた。青学の勝利を背負って懸命に闘う先輩達の姿を見て、自分勝手だったリョーマの心に、仲間を想う気持ちが少しずつ芽生えていく。
 4試合が終わり両者拮抗している中、続くシングルス1は手塚VS跡部の部長同士の対戦となったが、跡部は手塚の腕の故障をすばやく見抜き、持久戦で勝負を挑む。激しいラリーで腕を痛めつつも、青学の勝利のために禁じられていた”零式ドロップショット”を放つ手塚!秘技”破滅への輪舞曲”をさく裂させる跡部!
 1時間半にも及ぶ死闘の末、青学と氷帝はタイになり、決着はリョーマVS檜垣の控え選手同士の対戦に持ち込まれた。手塚と先輩達の熱い想いを胸に、立ち上がるリョーマ。妹のためにコートに向かう檜垣。リョーマと兄の闘いを見守る紫音。今、運命の決戦が始まる——!!

スタッフ

原作:許斐剛(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
脚本:羽原大介/アベ ユーイチ
監督:アベ ユーイチ
企画:ネルケプランニング 
製作:「テニスの王子様」実写映画製作委員会

キャスト

越前リョーマ:本郷奏多
手塚国光:城田優
大石秀一郎:鈴木裕樹
河村隆:小谷嘉一
不二周助:相葉弘樹
跡部景吾:載寧龍二
向日岳人:柄本時生
芥川慈郎:石井元気
忍足侑士:中江大樹
鳳長太郎:伊達晃ニ
宍戸亮:鈴木淳評
樺地崇弘:山川和俊
竜崎スミレ:島谷ひとみ

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