原題:three year delivery

第9回上海映画祭 アジア映画新人部門ノミネート、正式招待作品

2005年/日本/カラー/アメリカンビスタ/90分/DTSステレオ/ 配給:ゼアリズエンタープライズ

2006年11月21日よりDVDリリース 2006年1月28日、新宿武蔵野館にてロードショー

公開初日 2006/01/28

配給会社名 0040

解説

ストーリー

末田冬子(中島知子)、29歳。妊娠9ヶ月目を迎え、もうすぐ母親になるという実感が湧かないまま、東京郊外の一軒家でのんびりと暮らしている。しかし、まじめな冬子は、子供の純粋な個性をまもるため耳栓をして外出するようにしている。夫の徹(西島秀俊)は冬子以上に親の自覚がなく、今夜も愛人とビリヤード場でデート。夜更けに酔っぱらって帰宅し、廊下に服を脱ぎ散らかしたままベッドに入ってくる。冬子は徹の浮気に気づいているが、どうせいつかは終わる関係と思い黙っている。まっしぐらな妹の緑子(奥田恵梨華)は、そんな冬子が信じられない。緑子は親子ほど歳の離れた恋人・海(塩見三省)に夢中で、緑子は「彼と同じ体になりたい」と真剣に願っている。姉妹には父親がおらず、親戚も女ばかりという女系家族。母の桃子(木内みどり)も祖母の秋(丹阿弥谷津子)も、冬子の腹の子は女の子だと信じて疑わない。顔も知らない父親あてに、お腹のなかの子供の様子を、冬子は、決して届かない手紙に書き綴る。
妊娠18ケ月。冬子の腹は妊娠9ヶ月の頃の倍ぐらい膨らんでいるが、いまだ産まれる気配はない。その尋常じゃない膨らみを見てギョッとする人もいるが、桃子や秋は、「育児しなくていいからラクねえ」と、まったく心配していない様子だ。末田家では、動くのがままならない冬子にかわり、徹が慣れない家事に四苦八苦している。会社では愛人にフラれ、家では家事ばかりやらされて憂鬱な徹は、冬子の腹の子の父親は宇宙人なのではないかと言いだす始末だ。そんな中、冬子は海が勤務する大学病院に入院することになった。世にも珍しい妊婦として、一躍マスコミや医療関係者の注目の的となる冬子。緑子は海が冬子を見世物にしていると言って激しく責める。いたたまれなくなった徹は夜中にこっそり、冬子を病院から連れ出した。
妊娠27カ月。人里離れた山荘に引っ越した冬子と徹は、大自然の中で静かな生活を送っていた。ピラミッド型に巨大化した冬子の腹の中で、子供は日に日にわんぱくに育っているようだ。おだやかな日々を過ごしながら、冬子は3年間身籠ったのは自分が望んだことかもしれない、と父へ手紙をしたためる。ある日、東京から緑子と海が訪ねてくる。すっかり主夫業が板についた徹の手料理を囲んで、4人はにぎやかな一時を過ごす。生まれていたら1歳半になる子供のことを、「人間の進化したかたちだと思う」と語る海。しかし一方で、冬子が無事に出産したら、緑子との別れを心に決めていた。緑子は、徹を外へ誘い出す。夜、4人のあいだに気まずい空気が流れる。とその時、子供が大声で泣きだし——陣痛が始まった!

スタッフ

監督:唯野未歩子

キャスト

中島知子(オセロ)

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